乳がんを克服し、かねてより望んでいた2人目を妊娠した喜びも束の間、新たながんが発覚し末期の告知を受けた女性。帝王切開で出産し愛する夫との挙式を終えた女性は、その1週間後に旅立った。一家を襲ったあまりにも悲しすぎる結末に、多くの人から追悼の声があがっている。英メディア『Mirror』『The Sun』などが伝えた。
英ノース・ヨークシャー州ミドルズブラのハートルプールで、婚約者スティーブンさん(35歳)、息子キーラン君(7歳)と暮らしていたトレイシー・キアーズさん(33歳)がトリプルネガティブ乳がんと診断されたのは、2016年のことだった。
乳房を切除した後、化学療法と放射線治療を受けたトレイシーさんは、2017年7月に寛解となった。かねてから2人目の子供を望んでいたスティーブンさんとトレイシーさんが体外受精での妊娠を試みようとしていた矢先、9月に自然妊娠が発覚し2人は喜びに沸いた。ところがトレイシーさんは激しい頭痛や吐き気に襲われるようになり、検査を受けたところ脊髄と脳の周りを保護する髄膜の内側にがんが転移する軟膜転移を起こしており、すでに末期であることを医師から告げられた。トレイシーさんはこの時、妊娠24週目だった。
余命3か月~半年と宣告されたトレイシーさんだったが、決して諦めることはなかった。ダラム大学に勤務していたトレイシーさんは自分の病をブログに度々綴っており、「年齢に関わらずどこかおかしいと感じたら先延ばしにせず、すぐに医師の診察を受けて」と他の女性たちへの注意喚起を促し、さらにこのようにも胸のうちを吐露していた。
「これ以上最悪なことってあるかしら。なぜ、私たちにこんなことが起こってしまうのだろうって。」
「2人目の妊娠をスティーブンと喜んだのも束の間、このままでは娘に会えない可能性があること、娘の命ももたないかもしれないということを聞かされた。」
「私の夢は婚約者と息子と同じ苗字になって、ひとつの家族になること。」
「病が悪化したら、病院もしくは家族だけで教会で式を挙げることになるわ。きちんと結婚式を挙げられないのは残念。でもきっとキーランの正装姿は素敵だろうな。きっと娘も式には参加できるはず。そして子供たちにとってこの日が大切な思い出となるといいな。私が天国に行ってしまった後も…。」
医師らはトレイシーさんが妊娠28週となる3月19日に、全身麻酔をして帝王切開で赤ちゃんを取り上げる決断を下した。そしてトレイシーさんは、わずか907グラムのカイラちゃんを出産した。麻酔から覚めないリスクもあったが、幸いにもトレイシーさんは我が子に会うことができた。
そして3月30日に、病院側の計らいで10年間連れ添ったトレイシーさんとスティーブンさんは、ジェイムズ・クック大学病院の一室で挙式をし、念願の夫婦になることができた。「トレイシーのためにできるだけ特別なものにしてあげたかった」というスティーブンさんは友人にも連絡し、部屋を綺麗に飾り付けた。トレイシーさんはこの日のためにブライダル店が寄付しくれたドレスを、スティーブンさんとキーラン君はそれに合わせてスーツを着て念願の挙式を行った。
しかしその1週間後の4月8日、トレイシーさんはスティーブンさんの腕に抱かれて旅立った。学生時代から互いに知り合い、親友でもあった妻の死を息子キーラン君に伝えることがスティーブンさんにとっては一番辛かったようだ。
「とても心が痛みました。私はそばを離れたくなかったので4週間、ずっとトレイシーの病室で寝泊まりしていました。妻は最期に私の腕に抱かれ、胸に頭を預けて穏やかに旅立って行きました。妻が去った今、静かな家にいると悲しみが広がります。妻は自分のことよりもまず他人を思いやる心を持った人でした。そんな妻にこんなことが起こるなんてあまりにもむごすぎます。妻は多くの人に愛されていました。だから私の電話にも多くのメッセージが溢れました。妻はただ生きていたかっただけなのです。」
自分が旅立った後も夫や家族が困らないようにと、トレイシーさんは生前にクラウドファンディングサイトでアカウントを設置し、葬儀代の寄付を呼びかけていた。その金額はすでに目標額を超えている。トレイシーさんの葬儀は19日に執り行われる予定という。
このニュースを知った人からは、「まだ若いのに本当にお気の毒。あまりにも悲しすぎる」「頑張って生んでくれたことを娘さんは将来きっと誇りに思うよ」「いい人は神様が早くに連れていってしまうんだよね…」「赤ちゃん、頑張って強く育ってほしい!」「本当に心が痛むわ。どうか安らかに…」といった多くの追悼の声があがっている。
画像は『Mirror 2018年4月13日付「Brave mum dies in husband’s arms as she loses cancer battle days after giving birth to premature baby girl」(Image: North News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
英ノース・ヨークシャー州ミドルズブラのハートルプールで、婚約者スティーブンさん(35歳)、息子キーラン君(7歳)と暮らしていたトレイシー・キアーズさん(33歳)がトリプルネガティブ乳がんと診断されたのは、2016年のことだった。
乳房を切除した後、化学療法と放射線治療を受けたトレイシーさんは、2017年7月に寛解となった。かねてから2人目の子供を望んでいたスティーブンさんとトレイシーさんが体外受精での妊娠を試みようとしていた矢先、9月に自然妊娠が発覚し2人は喜びに沸いた。ところがトレイシーさんは激しい頭痛や吐き気に襲われるようになり、検査を受けたところ脊髄と脳の周りを保護する髄膜の内側にがんが転移する軟膜転移を起こしており、すでに末期であることを医師から告げられた。トレイシーさんはこの時、妊娠24週目だった。
余命3か月~半年と宣告されたトレイシーさんだったが、決して諦めることはなかった。ダラム大学に勤務していたトレイシーさんは自分の病をブログに度々綴っており、「年齢に関わらずどこかおかしいと感じたら先延ばしにせず、すぐに医師の診察を受けて」と他の女性たちへの注意喚起を促し、さらにこのようにも胸のうちを吐露していた。
「これ以上最悪なことってあるかしら。なぜ、私たちにこんなことが起こってしまうのだろうって。」
「2人目の妊娠をスティーブンと喜んだのも束の間、このままでは娘に会えない可能性があること、娘の命ももたないかもしれないということを聞かされた。」
「私の夢は婚約者と息子と同じ苗字になって、ひとつの家族になること。」
「病が悪化したら、病院もしくは家族だけで教会で式を挙げることになるわ。きちんと結婚式を挙げられないのは残念。でもきっとキーランの正装姿は素敵だろうな。きっと娘も式には参加できるはず。そして子供たちにとってこの日が大切な思い出となるといいな。私が天国に行ってしまった後も…。」
医師らはトレイシーさんが妊娠28週となる3月19日に、全身麻酔をして帝王切開で赤ちゃんを取り上げる決断を下した。そしてトレイシーさんは、わずか907グラムのカイラちゃんを出産した。麻酔から覚めないリスクもあったが、幸いにもトレイシーさんは我が子に会うことができた。
そして3月30日に、病院側の計らいで10年間連れ添ったトレイシーさんとスティーブンさんは、ジェイムズ・クック大学病院の一室で挙式をし、念願の夫婦になることができた。「トレイシーのためにできるだけ特別なものにしてあげたかった」というスティーブンさんは友人にも連絡し、部屋を綺麗に飾り付けた。トレイシーさんはこの日のためにブライダル店が寄付しくれたドレスを、スティーブンさんとキーラン君はそれに合わせてスーツを着て念願の挙式を行った。
しかしその1週間後の4月8日、トレイシーさんはスティーブンさんの腕に抱かれて旅立った。学生時代から互いに知り合い、親友でもあった妻の死を息子キーラン君に伝えることがスティーブンさんにとっては一番辛かったようだ。
「とても心が痛みました。私はそばを離れたくなかったので4週間、ずっとトレイシーの病室で寝泊まりしていました。妻は最期に私の腕に抱かれ、胸に頭を預けて穏やかに旅立って行きました。妻が去った今、静かな家にいると悲しみが広がります。妻は自分のことよりもまず他人を思いやる心を持った人でした。そんな妻にこんなことが起こるなんてあまりにもむごすぎます。妻は多くの人に愛されていました。だから私の電話にも多くのメッセージが溢れました。妻はただ生きていたかっただけなのです。」
自分が旅立った後も夫や家族が困らないようにと、トレイシーさんは生前にクラウドファンディングサイトでアカウントを設置し、葬儀代の寄付を呼びかけていた。その金額はすでに目標額を超えている。トレイシーさんの葬儀は19日に執り行われる予定という。
このニュースを知った人からは、「まだ若いのに本当にお気の毒。あまりにも悲しすぎる」「頑張って生んでくれたことを娘さんは将来きっと誇りに思うよ」「いい人は神様が早くに連れていってしまうんだよね…」「赤ちゃん、頑張って強く育ってほしい!」「本当に心が痛むわ。どうか安らかに…」といった多くの追悼の声があがっている。
画像は『Mirror 2018年4月13日付「Brave mum dies in husband’s arms as she loses cancer battle days after giving birth to premature baby girl」(Image: North News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)