昨今、欧州でもアジア料理の人気は高まるばかりだ。英ウェスト・ヨークシャー州のある地域もインド料理のレストランが連なるエリアがあり、美味しいカレーが楽しめる。しかし、この美食ホットスポットが「環境汚染の張本人である」という批判を受けている。街の中心部を流れる川がまるでカレースープのようになっているのだ。英メディア『Mirror』『The Sun』などが伝えている。
イングランド北部にあるブラッドフォードはヴィクトリア朝時代(1837年から1901年)に建てられた古き良い建物が立ち並び、多くの観光客が訪れる。また、この地は「カレーの中心地(Curry Capital)」と呼ばれて親しまれており、インドカレーを含むアジア料理のレストランが200軒ほど連ねている。
だがカレーの人気が高まるにつれて、被害を被ってしまったのが街の中心を流れる川「ブラッドフォード・ベック」だった。川の水がまるでカレースープのように褐色めいた黄色に染まってしまったのだ。そのため「レストランの従業員がカレーの残飯をそのまま川に捨てているのではないか?」という疑いをかけられてしまった。
この問題を明らかにしたのが、ロブ・ヘラウェル氏(Rob Hellawell、49)である。彼はブラッドフォード・ベックの環境汚染問題に取り組むために2012年に設立された「フレンズ・オブ・ブラッドフォーズ・ベック(Friends of Bradford’s Beck)」の一員でもある。
ロブ氏によると原因はカレーレストランにあるのではなく、この土地ならではの古い建造物にあるという。古い街並みを保ったままのブラッドフォードでは、配管システムが今の時代に合わせた造りになっていないことが原因だというのだ。
各レストランは、当たり前のように客が食した後のカレー食器を洗うのだが、そこから出た排水が整備されていない配管システムを通り、そのまま直接川へ流れ込むため今回の現象が起こったという。ロブ氏は次のように話している。
「カレーレストランに罪はありません。レストランのオーナーは窓からカレーを川に放り投げていた訳ではないのですから…。彼らは通常通りカレー食器を洗っていただけです。その排水が気付かぬうちに川に流れ込んでいたのです。」
「私達が原因を伝えたところ、彼らはすぐに配管を新しく設置して問題を解決してくれました。私達はこの川の大問題を無事に解決できて本当に嬉しく思っています。これは、この地域だけでなくブラッドフォード全体の問題とも言えるのです。」
「産業革命の時代に作られた古い配管では、企業や飲食店からの排水がそのまま川や公共の水路に流れるような造りになっています。しかし最近では、洗濯機などの汚水は排水パイプでつながれており、きちんと下水処理が行われるようになっています。」
ロブさん達の調査により「カレーの中心地」に対する風評被害が取り除かれたことは言うまでもない。ちなみに現在200店舗あるアジアレストランが創出する雇用は、10万人と言われている。『Mirror』ではかつてブラッドフォードは繊維工業が盛んだったが、それも乏しくなっている現在「カレーは王様である」と伝えている。
画像は『Mirror 2018年4月17日付「‘River of curry’ is flowing through Bradford - and the source has finally been discovered」(Image: SWNS.com)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)
イングランド北部にあるブラッドフォードはヴィクトリア朝時代(1837年から1901年)に建てられた古き良い建物が立ち並び、多くの観光客が訪れる。また、この地は「カレーの中心地(Curry Capital)」と呼ばれて親しまれており、インドカレーを含むアジア料理のレストランが200軒ほど連ねている。
だがカレーの人気が高まるにつれて、被害を被ってしまったのが街の中心を流れる川「ブラッドフォード・ベック」だった。川の水がまるでカレースープのように褐色めいた黄色に染まってしまったのだ。そのため「レストランの従業員がカレーの残飯をそのまま川に捨てているのではないか?」という疑いをかけられてしまった。
この問題を明らかにしたのが、ロブ・ヘラウェル氏(Rob Hellawell、49)である。彼はブラッドフォード・ベックの環境汚染問題に取り組むために2012年に設立された「フレンズ・オブ・ブラッドフォーズ・ベック(Friends of Bradford’s Beck)」の一員でもある。
ロブ氏によると原因はカレーレストランにあるのではなく、この土地ならではの古い建造物にあるという。古い街並みを保ったままのブラッドフォードでは、配管システムが今の時代に合わせた造りになっていないことが原因だというのだ。
各レストランは、当たり前のように客が食した後のカレー食器を洗うのだが、そこから出た排水が整備されていない配管システムを通り、そのまま直接川へ流れ込むため今回の現象が起こったという。ロブ氏は次のように話している。
「カレーレストランに罪はありません。レストランのオーナーは窓からカレーを川に放り投げていた訳ではないのですから…。彼らは通常通りカレー食器を洗っていただけです。その排水が気付かぬうちに川に流れ込んでいたのです。」
「私達が原因を伝えたところ、彼らはすぐに配管を新しく設置して問題を解決してくれました。私達はこの川の大問題を無事に解決できて本当に嬉しく思っています。これは、この地域だけでなくブラッドフォード全体の問題とも言えるのです。」
「産業革命の時代に作られた古い配管では、企業や飲食店からの排水がそのまま川や公共の水路に流れるような造りになっています。しかし最近では、洗濯機などの汚水は排水パイプでつながれており、きちんと下水処理が行われるようになっています。」
ロブさん達の調査により「カレーの中心地」に対する風評被害が取り除かれたことは言うまでもない。ちなみに現在200店舗あるアジアレストランが創出する雇用は、10万人と言われている。『Mirror』ではかつてブラッドフォードは繊維工業が盛んだったが、それも乏しくなっている現在「カレーは王様である」と伝えている。
画像は『Mirror 2018年4月17日付「‘River of curry’ is flowing through Bradford - and the source has finally been discovered」(Image: SWNS.com)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)