突然死によりまだ幼い子供を失ってしまった母。その悲しみは思わぬ方向へ怒りとなって現れた。999(緊急通報)センターに100回以上の迷惑電話をしたとして、このほどその母親が逮捕された。母親は我が子の死後以降、飲酒するようになり「何度電話したか覚えていない」と法廷で述べたという。『Metro』『Mail Online』などが伝えた。
英マンチェスターのウェスト・ゴートンに住むモニカ・オシンカ(33歳)は、昨年6月に最愛の我が子を乳幼児突然死症候群で失った。ポーランド南西部レシナ出身のモニカは我が子の死を悲しむ暇もなく、やってきた警察に赤ちゃんとベビーベッドを持ち去られてしまった。その悲しみからモニカは飲酒に走るようになり、「子供を失ったのは緊急サービスの対応の悪さとNHS(英国民保健サービス)が原因だ」と思うようになった。
その後、モニカは2週間以内で100回以上も999センターに電話をし、「馬鹿なイギリス人女。なぜ、私の息子は死んだの?」「愚かなイギリス人のあばずれ女め」「馬鹿なイギリス人たち。あんたらは自分たちの存在が大切だとでも思ってんだろ。くたばれ」などと暴言を吐いた。度重なる迷惑電話を受けた999センターはモニカの電話をブロック、警察は迷惑電話の主がモニカであることを突き止め警告を促した。
しかしモニカは警告後も999への憎しみを日に日に増長させ、執拗に嫌がらせ電話を続けた結果、逮捕となった。このほどモニカの裁判がマンチェスター治安裁判所で行われ、テス・ケニヨン検察官はこれまでの経緯をこのように述べた。
「被告は999ネットワークに何度も迷惑電話をした。その内容は暴力的なものであったり、人種的差別的なものでもあった。昨年6月に子供を失ってから被告は酒浸りになり、緊急サービスを非難し嫌がらせ電話をするようになった。1月22日に警察から警告をうけた被告は、カウンセリングのオファーもされていた。しかし被告は、警察が教えたカウンセリング先に連絡することは一度もなかった。ひとりの警官は、被告のためにポーランド教会まで出向き、被告の手助けができないかどうかを尋ねたりもしていたようだ。」
また警察は、被告から「ポーランドに帰る費用を出してくれるか。そうすれば家族のサポートを受けられるから」と尋ねられていたことを明らかにした。結局モニカは1月22日以降も、費用にすると410ポンド(約62,000円)にものぼる108回もの迷惑電話を999にした。警察の事情聴取で、モニカは「酔っていたからそんな電話をしたかどうかなど覚えていない」と供述し、最初は罪状を否認した。しかし後に罪を認め、モニカは法廷で「嫌がらせなどではない。何回電話をしたのかは覚えていないが、オペレーターから馬鹿にされた気がした。彼らは私が飲酒問題を抱えていると言っていたが、私はアル中なんかじゃない。私は息子の死を悲しんでいただけ。息子を亡くしてから私の全てが壊れてしまった。なのに侮辱された気がした。警察も私の話など聞いてくれない。でも迷惑電話をしたことを申し訳なく思うし、もう二度としない」と述べた。
モニカには1年の執行猶予付き6週の実刑判決が下され、裁判所費用115ポンド(約17,000円)の支払い命令が下された。また、保護観察局によりオファーされたカウンセリング「Women’s Problem Solving Programme」を受けることも勧められた。このニュースを知った人からは「子供を失って悲しみに追い詰められたような気になったんだと思う。かわいそうに」「悲しいケースだね。どうか彼女が救われますように」「それだけ迷惑電話をかけたのは確かに悪い行為だけど、悲しくてどうしようもなかったんでしょうね」「彼女には罰より助けが必要」といった同情の声があがっている。
画像は『Metro 2018年4月20日付「Woman harassed 999 workers and called them ‘English idiots’ after baby died」(Picture:Cavendish Press)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
英マンチェスターのウェスト・ゴートンに住むモニカ・オシンカ(33歳)は、昨年6月に最愛の我が子を乳幼児突然死症候群で失った。ポーランド南西部レシナ出身のモニカは我が子の死を悲しむ暇もなく、やってきた警察に赤ちゃんとベビーベッドを持ち去られてしまった。その悲しみからモニカは飲酒に走るようになり、「子供を失ったのは緊急サービスの対応の悪さとNHS(英国民保健サービス)が原因だ」と思うようになった。
その後、モニカは2週間以内で100回以上も999センターに電話をし、「馬鹿なイギリス人女。なぜ、私の息子は死んだの?」「愚かなイギリス人のあばずれ女め」「馬鹿なイギリス人たち。あんたらは自分たちの存在が大切だとでも思ってんだろ。くたばれ」などと暴言を吐いた。度重なる迷惑電話を受けた999センターはモニカの電話をブロック、警察は迷惑電話の主がモニカであることを突き止め警告を促した。
しかしモニカは警告後も999への憎しみを日に日に増長させ、執拗に嫌がらせ電話を続けた結果、逮捕となった。このほどモニカの裁判がマンチェスター治安裁判所で行われ、テス・ケニヨン検察官はこれまでの経緯をこのように述べた。
「被告は999ネットワークに何度も迷惑電話をした。その内容は暴力的なものであったり、人種的差別的なものでもあった。昨年6月に子供を失ってから被告は酒浸りになり、緊急サービスを非難し嫌がらせ電話をするようになった。1月22日に警察から警告をうけた被告は、カウンセリングのオファーもされていた。しかし被告は、警察が教えたカウンセリング先に連絡することは一度もなかった。ひとりの警官は、被告のためにポーランド教会まで出向き、被告の手助けができないかどうかを尋ねたりもしていたようだ。」
また警察は、被告から「ポーランドに帰る費用を出してくれるか。そうすれば家族のサポートを受けられるから」と尋ねられていたことを明らかにした。結局モニカは1月22日以降も、費用にすると410ポンド(約62,000円)にものぼる108回もの迷惑電話を999にした。警察の事情聴取で、モニカは「酔っていたからそんな電話をしたかどうかなど覚えていない」と供述し、最初は罪状を否認した。しかし後に罪を認め、モニカは法廷で「嫌がらせなどではない。何回電話をしたのかは覚えていないが、オペレーターから馬鹿にされた気がした。彼らは私が飲酒問題を抱えていると言っていたが、私はアル中なんかじゃない。私は息子の死を悲しんでいただけ。息子を亡くしてから私の全てが壊れてしまった。なのに侮辱された気がした。警察も私の話など聞いてくれない。でも迷惑電話をしたことを申し訳なく思うし、もう二度としない」と述べた。
モニカには1年の執行猶予付き6週の実刑判決が下され、裁判所費用115ポンド(約17,000円)の支払い命令が下された。また、保護観察局によりオファーされたカウンセリング「Women’s Problem Solving Programme」を受けることも勧められた。このニュースを知った人からは「子供を失って悲しみに追い詰められたような気になったんだと思う。かわいそうに」「悲しいケースだね。どうか彼女が救われますように」「それだけ迷惑電話をかけたのは確かに悪い行為だけど、悲しくてどうしようもなかったんでしょうね」「彼女には罰より助けが必要」といった同情の声があがっている。
画像は『Metro 2018年4月20日付「Woman harassed 999 workers and called them ‘English idiots’ after baby died」(Picture:Cavendish Press)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)