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【海外発!Breaking News】NY地下鉄で黒人がヒスパニック系移民を線路に突き落とす 「お前らは俺たちから仕事を奪った!」

TechinsightJapan 2018年4月27日 4時0分

ニューヨーク市警がこのほど、マンハッタンの地下鉄駅で忌々しい暴行事件が発生したことを発表した。犯人は黒人の大柄な男。「お前たちが俺たちから仕事を次々と奪っていった」と口走っていたため、殴る相手はヒスパニック系なら誰でもよかったとも考えられる。昨今のアメリカでそうした苛立ちを抱えている黒人は少なくないため、不安の声が広がっているもようだ。

ニューヨーク市警(以下NYPD)の発表をもとに『abc7NY』ほかが伝えたところによれば、マンハッタンの地下鉄で20日夜10時すぎ、黒人の男がヒスパニック系の若い男性に絡み、口論を激化させると頭部を激しく殴り、ホームから線路に突き落とすという深刻な事件が起きたもようだ。容疑者が着ていた衣類の特徴や「XXX(卑語)なメキシコ人、お前たちの国の人間が入り込んだせいで今やこの国はドラッグと犯罪だらけ。仕事もお前らに奪われてしまった」といった言葉から、ヘイトクライム色が極めて高いようだ。

この事件で頭部を5針縫う怪我をしたのは、メキシコからの移民で建設作業員として働くルイス・ロペスさん(24)。「仕事場から帰宅するためニューヨーク市地下鉄4系統の車両に乗っていたら言いがかりをつけられ、14thストリート/ユニオンスクエア駅で降りた途端に襲い掛かられました。激しく殴られた後、ホームから線路に突き落とされたのです。死ぬかと思いました」と話している。知らない人からの激しい暴力という恐怖はトラウマになっており、身体よりも今はむしろ精神的なダメージが大きいそうだ。

また兄アンドレス・ロペスさんも通訳をとおしてメディアの取材に応じた。「ルイスの容体はもう大丈夫です。なぜ彼が弟を選んでそのような野蛮なことをしたのかわからないが、これはヘイトクライムだと理解しています。アメリカ人の仕事を盗むためにこの国に来たのかなどと言いがかりをつけられたようだし、トランプ大統領が就任して以来この国の人種差別意識はひどいものがありますね」などと話している。

人混みに紛れて容疑者は逃走。NYPDはその男の外見上の特徴を挙げて市民に情報提供の協力を呼び掛けている。大柄で黒いジャケットの下に赤いTシャツを着ており、そこにはトランプ大統領が選挙キャンペーンで使用したスローガンの「Make America Great Again」の白い文字が書かれ、赤いキャップも「Make America Great Again」とあることが確認されたという。

中南米やカリブ海の国々から流入したヒスパニック系移民たちが肉体労働系の仕事を黒人から奪い、黒人ばかりが暮らしていた低所得者向けの公営住宅に暮らしはじめ、さまざまなものを「奪った」と言われているのは事実である。しかし、おしなべて黒人の賃金は白人より低いとされるなか、ヒスパニック系移民はさらにその下に位置している。レストラン、建設現場、各種清掃業務などに従事し、黒人がやりたがらなくなった仕事もやってくれるだけに、まじめな労働者は米国経済の発展のためにもはや居てもらわなければならない貴重な存在である。

かなり前になるが、米・疾病予防管理センター(CDC)の傘下にある国立衛生統計センター(NCHS)が「白人より平均2年半、黒人より平均8年、ヒスパニック系移民の方が長生きする」という調査結果を発表して話題になった。ヒスパニック系移民には喫煙、飲酒、薬物依存などの問題を抱えた者が少ないからだそうだ。ただし英語が上手でないと本人が望む職に就くことは難しい。失業者による犯罪発生件数が高いことを考えると、それを防ぐためにもヒスパニック系移民への徹底した教育や英語力向上の手助けは国にとっても重要課題となっている。

画像は『abc7NY 2018年4月23日付「Police search for suspect wearing ‘Make America Great Again’ hat in Manhattan subway assault」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)

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