自分で全く気付かない間に、女性は腐った魚のような悪臭を放つニオイを発していた。世界で非常に稀な奇病とされる遺伝子疾患「トリメチルアミン尿症(魚臭症候群)」を抱えて生まれてきた米在住の女性のことを『real fix』『Mail Online』などが伝えている。
インディアナ州シェリダンに住む2児の母で教師のコニー・クリスティーさん(43歳)は、トリメチルアミンという化合物を消化分解する「FM03遺伝子」の突然変異による遺伝子疾患「トリメチルアミン尿症」(もしくは「魚臭症候群」)で生まれた。この奇病は、食べ物を口にした時にそのトリメチルアミンが体内で消化分解されず蓄積され、汗や呼吸、尿の中に排出されることによって悪臭となり体から発せられるという症状を引き起こす。そのニオイは腐った魚や玉ねぎ、糞便のようで、世界でも非常に稀な疾患として認知されている。生まれてから自分のそんなニオイに気付かず過ごしてきたコニーさんだったが、19歳の時に両親から打ち明けられて愕然とした。両親はコニーさんが子供の頃にある特定の食べ物を口にすると異臭を放つのに気付き、検査を受けさせたところ「トリメチルアミン尿症」であることが発覚したそうだ。当時の心境をコニーさんはこのように語った。
「自分のニオイに全く気付いていなかったので、両親に伝えられた時はとてもショックでした。『中学や高校で、自分で気付かないうちにどのぐらい頻繁に悪臭を発していたの!?』とも思いました。小学生だった頃に私は覚えていませんが、母によるとクラスメートたちから“ツナの臭いのするコニー”と呼ばれていたそうです。成長してからは誰もあからさまには言ってくることはなかったのですが、自分の疾患を知った後で考えてみると、私を避けたりするような態度を取られていたこともあったので納得しました。知らなかった時は『私って口臭がひどいのかしら』なんて思っていたんです。この疾患のことで、かなり悩みました。」
コニーさんの場合、魚や卵など特定の食べ物を食べると30分以内に酷い悪臭が体内から放たれるという。自分の奇病を知ってからもコニーさんは毎日シャワーを浴び歯を磨き、香水をつけてなんとか悪臭を消そうとしたが、隠し切れなかったと話す。
「消臭に効き目があると言われる炭入りのボディウォッシュを使ったり、サプリメントとして亜鉛を摂取したりもしました。いつもボディースプレーや香水でニオイをごまかそうとしたけど、ごまかしきれないんです。すごく恥ずかしいし、自分を恥じる気持ちになりました。涙した時もあります。特に男性と親密になった時は葛藤でした。」
コニーさんが夫シェーンさん(44歳)と知り合ったのは、体臭に悩んでいた時だった。デート中にシェーンさんから「今日、シャワー浴びてないの?」と尋ねられることもあったそうだ。シェーンさんと半年~1年間交際していた間、コニーさんは自分の奇病を打ち明けることに相当ナーバスになったと言う。
「十分気を付けていてもコントロールできない疾患なんです。いつも『私、臭うんじゃないかしら』って頭の隅で気にしていました。もともと社交的なタイプですが、このニオイのために諦めなければならない趣味もありました。夫と私は社交ダンスのレッスンを受けていたのですが、たまに夫から『臭って来た』と言われることがあって、辞めました。ダンスのインストラクターは私に動きを教えるために一緒にダンスをしてくれていたのですが、悪臭を嗅がれてしまうという恐怖があったので辞めたんです。」
自分のニオイに気付かないコニーさんは、夫や友人、また息子2人にニオイに気付いたら教えてもらうようにするなど、普段は注意を払っている。しかし職場で、友人から「あなたは魚のニオイがするってみんな言っているから、伝えておくわ」とメッセージを貰った時には悔しくて涙してしまったそうだ。
「誰にも『あの人、シャワー浴びていないんじゃないの?』と思われたくありません。私は毎日綺麗にしています。夫から臭うと言われた時もすぐにシャワーを浴びます。でも、ニオイはどうにもなりませんでした。」
何十年もの間、コニーさんの強烈な体臭は月に数回発せられていたようだが、30代後半になると頻繁に臭うようになったことから、コニーさんは真剣に治療を考え始めた。そして症状を緩和させるプロバイオティクス消化剤「Plexus ProBio5」と「Biocleanse」を1日3錠ずつ飲むようになったところ、この3年間で悪臭を放つ頻度は3回に減ったという。
「私の場合、ブロッコリーを食べても魚のニオイを放つんです。大好きなカニの足を食べた時には、台所のシンクが詰まったようなニオイを発していました。でも薬を飲み始めて4か月ほど経った時に、同じものを食べて15分か20分後に夫に聞いてみたら『臭わない』って言われたんです。私の首筋を嗅いで『ママ、臭わないよ』って息子も言ってくれた時には、泣いてしまいました。完治したわけではありませんが、薬が効いているのでとても嬉しいです。今はだいたい何でも食べられるし、人と話すことにもずっと自信を持てるようになりました。だからこのストーリーも、自信を持ってシェアできます。」
シェーンさんは「妻がいつも清潔にしていることは間違いないですが、放たれる体臭は水から引き揚げたばかりの独特で強いニオイを放つ魚そのものなのです。体がそのニオイを発した時、本人が気付かないこともあるので余計に葛藤している妻を見るのは辛いですが、私自身は特に気にしたことありませんでした。でも妻が幸せなら私も嬉しいですね」と話している。
画像は『real fix 2018年4月27日付「Mum With Fish Odor Syndrome ‘Cured’ By Probiotic Pills After Years Of Being Humiliated By The Smell」(SWNS/REALFIX)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
インディアナ州シェリダンに住む2児の母で教師のコニー・クリスティーさん(43歳)は、トリメチルアミンという化合物を消化分解する「FM03遺伝子」の突然変異による遺伝子疾患「トリメチルアミン尿症」(もしくは「魚臭症候群」)で生まれた。この奇病は、食べ物を口にした時にそのトリメチルアミンが体内で消化分解されず蓄積され、汗や呼吸、尿の中に排出されることによって悪臭となり体から発せられるという症状を引き起こす。そのニオイは腐った魚や玉ねぎ、糞便のようで、世界でも非常に稀な疾患として認知されている。生まれてから自分のそんなニオイに気付かず過ごしてきたコニーさんだったが、19歳の時に両親から打ち明けられて愕然とした。両親はコニーさんが子供の頃にある特定の食べ物を口にすると異臭を放つのに気付き、検査を受けさせたところ「トリメチルアミン尿症」であることが発覚したそうだ。当時の心境をコニーさんはこのように語った。
「自分のニオイに全く気付いていなかったので、両親に伝えられた時はとてもショックでした。『中学や高校で、自分で気付かないうちにどのぐらい頻繁に悪臭を発していたの!?』とも思いました。小学生だった頃に私は覚えていませんが、母によるとクラスメートたちから“ツナの臭いのするコニー”と呼ばれていたそうです。成長してからは誰もあからさまには言ってくることはなかったのですが、自分の疾患を知った後で考えてみると、私を避けたりするような態度を取られていたこともあったので納得しました。知らなかった時は『私って口臭がひどいのかしら』なんて思っていたんです。この疾患のことで、かなり悩みました。」
コニーさんの場合、魚や卵など特定の食べ物を食べると30分以内に酷い悪臭が体内から放たれるという。自分の奇病を知ってからもコニーさんは毎日シャワーを浴び歯を磨き、香水をつけてなんとか悪臭を消そうとしたが、隠し切れなかったと話す。
「消臭に効き目があると言われる炭入りのボディウォッシュを使ったり、サプリメントとして亜鉛を摂取したりもしました。いつもボディースプレーや香水でニオイをごまかそうとしたけど、ごまかしきれないんです。すごく恥ずかしいし、自分を恥じる気持ちになりました。涙した時もあります。特に男性と親密になった時は葛藤でした。」
コニーさんが夫シェーンさん(44歳)と知り合ったのは、体臭に悩んでいた時だった。デート中にシェーンさんから「今日、シャワー浴びてないの?」と尋ねられることもあったそうだ。シェーンさんと半年~1年間交際していた間、コニーさんは自分の奇病を打ち明けることに相当ナーバスになったと言う。
「十分気を付けていてもコントロールできない疾患なんです。いつも『私、臭うんじゃないかしら』って頭の隅で気にしていました。もともと社交的なタイプですが、このニオイのために諦めなければならない趣味もありました。夫と私は社交ダンスのレッスンを受けていたのですが、たまに夫から『臭って来た』と言われることがあって、辞めました。ダンスのインストラクターは私に動きを教えるために一緒にダンスをしてくれていたのですが、悪臭を嗅がれてしまうという恐怖があったので辞めたんです。」
自分のニオイに気付かないコニーさんは、夫や友人、また息子2人にニオイに気付いたら教えてもらうようにするなど、普段は注意を払っている。しかし職場で、友人から「あなたは魚のニオイがするってみんな言っているから、伝えておくわ」とメッセージを貰った時には悔しくて涙してしまったそうだ。
「誰にも『あの人、シャワー浴びていないんじゃないの?』と思われたくありません。私は毎日綺麗にしています。夫から臭うと言われた時もすぐにシャワーを浴びます。でも、ニオイはどうにもなりませんでした。」
何十年もの間、コニーさんの強烈な体臭は月に数回発せられていたようだが、30代後半になると頻繁に臭うようになったことから、コニーさんは真剣に治療を考え始めた。そして症状を緩和させるプロバイオティクス消化剤「Plexus ProBio5」と「Biocleanse」を1日3錠ずつ飲むようになったところ、この3年間で悪臭を放つ頻度は3回に減ったという。
「私の場合、ブロッコリーを食べても魚のニオイを放つんです。大好きなカニの足を食べた時には、台所のシンクが詰まったようなニオイを発していました。でも薬を飲み始めて4か月ほど経った時に、同じものを食べて15分か20分後に夫に聞いてみたら『臭わない』って言われたんです。私の首筋を嗅いで『ママ、臭わないよ』って息子も言ってくれた時には、泣いてしまいました。完治したわけではありませんが、薬が効いているのでとても嬉しいです。今はだいたい何でも食べられるし、人と話すことにもずっと自信を持てるようになりました。だからこのストーリーも、自信を持ってシェアできます。」
シェーンさんは「妻がいつも清潔にしていることは間違いないですが、放たれる体臭は水から引き揚げたばかりの独特で強いニオイを放つ魚そのものなのです。体がそのニオイを発した時、本人が気付かないこともあるので余計に葛藤している妻を見るのは辛いですが、私自身は特に気にしたことありませんでした。でも妻が幸せなら私も嬉しいですね」と話している。
画像は『real fix 2018年4月27日付「Mum With Fish Odor Syndrome ‘Cured’ By Probiotic Pills After Years Of Being Humiliated By The Smell」(SWNS/REALFIX)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)