姉が起こした“ナッツリターン事件”の記憶も新しいなか、今度は妹が“水かけ事件”である。ここにきて韓国では、国内トップ10に入る財閥といわれる大韓航空会長ファミリーのパワハラ体質が次々と明らかになり、「一家そろってなんと横暴で傲慢な」と強い批判にさらされている。それにも増して激怒しているのが長年にわたり貢献してきた職員たち。何しろこうした事件が報じるたびにエアラインとしての評価や人気、そして株価までがダウンするため容認するわけにはいかないのだ。4日にはついにOBを含む大韓航空の職員や家族、市民などが会長に退陣を求めるデモまで繰り広げた。
「悪目立ちすることばかりでなんとも恥ずかしい。こんなトップの下では働けない」から「傲慢で横暴、そして極めて幼稚。そのヒステリー気質をどうにかしろ」まで、ありとあらゆる批判の声が飛び交っている今の大韓航空会長ファミリー。発端はもちろん2014年末に起きた「ナッツリターン事件」である。当時の女副社長でニューヨーク発大韓航空86便のファーストクラスに乗っていたチョ・ヒョナ(当時40歳)が袋入りマカダミア・ナッツの出し方に激怒し、すでにタキシングが始まっていた同機に駐機場への引き返しを命じ、そのクルーを降機させたことで遅延が発生。乗客乗員のすべてに強い不快感を与えた。
同族経営のため、同じトップが長期にわたり強い権力をふるう大韓航空。トップが現場でふと目についたことを針小棒大に説教するのは仕方ないにせよ、彼女のしたことは完全に説教の域を超えた大声による荒々しいパワハラであり、一般人が同じことをしていたら「安全な運航を妨げる行為があった」として降機とともに空港警察に突き出されてもおかしくない。そんなチョ・ヒョナのやり方には、虫の居所が悪かったでは済まされない強烈なヒステリー気質を疑わざるを得ない。自分の言動でどれほど周囲に迷惑をかけることになるか、エアラインとしての評判を落としてしまうか、企業の将来まで考えられないのであろう。
そして先月には、妹のチョ・ヒョンミン(35)が会議中に広告代理店の社員に激怒。水(果汁飲料との情報も)の入ったコップを投げつけたと韓国メディアに報じられ、専務の職は辞したものの大きな波紋を広げている。大変裕福ということもあり、財閥系ファミリーに対する国民の感情はそもそもあまりよくないなか、このたびの水かけ事件は「韓進(ハンジン)グループ」系列上場企業の株式を軒並みダウンさせたことが伝えられている。
もっとも水かけ事件に関して警察は暴行と証拠隠滅、業務妨害容疑で逮捕状を請求していたにもかかわらず、暴行罪としての扱いは難しいとして棄却となったことが報じられた。業務妨害のみ引き続き調査が行われるであろうという。昨年には父親のチョ・ヤンホ会長について、大韓航空の資金で会長宅の建設工事代金を支払うという横領および背任の疑いにつき捜査のメスが入ったが、検察はやはり逮捕状請求を拒否していた。また最近になって姉妹の母親についても暴言による虐待癖が激しい人物であることがわかり、大韓航空のイメージはここ数年でいっきに低下した感が否めない。
こうなればその給料で家族を養っている職員やその家族、そしてOBが黙っているはずがない。4日、ソウル光化門の世宗文化会館前でデモが開催され、抗議デモのシンボルといえるガイ・フォークス・マスク(Guy Fawkes mask)をかぶり、ろうそくを手にした数百名がチョ・ヤンホをはじめとする一家の退陣、検察当局の徹底介入とパワハラ根絶を訴えた。着ている物からパイロット、客室乗務員、地上職員など現役の参加も多かったものと考えられている。
「もう奴隷のような扱いは受けたくない」との訴えも目立つなか、メディアのマイクに口を開いたのは、チョ・ヒョナがナッツリターン事件を起こしたフライトに乗務していたクルー。「私は大韓航空で働いていることを誇りに思っています。大好きなのです。だからこそ大韓航空を守りたいのです」と真剣そのものであった。一生懸命に働く職員たちに敬意も感謝も関心も示さず、ヒステリーな性格からくる横暴さや傲慢さで悪目立ちしてしまうトップ。退陣要求は当然の結果であろう。
画像は『Korea IT Times 2018年4月13日付「Cho Hyun-min, executive director of Korean Air, suspected of hurling water into the face of an advertising company employee」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)
「悪目立ちすることばかりでなんとも恥ずかしい。こんなトップの下では働けない」から「傲慢で横暴、そして極めて幼稚。そのヒステリー気質をどうにかしろ」まで、ありとあらゆる批判の声が飛び交っている今の大韓航空会長ファミリー。発端はもちろん2014年末に起きた「ナッツリターン事件」である。当時の女副社長でニューヨーク発大韓航空86便のファーストクラスに乗っていたチョ・ヒョナ(当時40歳)が袋入りマカダミア・ナッツの出し方に激怒し、すでにタキシングが始まっていた同機に駐機場への引き返しを命じ、そのクルーを降機させたことで遅延が発生。乗客乗員のすべてに強い不快感を与えた。
同族経営のため、同じトップが長期にわたり強い権力をふるう大韓航空。トップが現場でふと目についたことを針小棒大に説教するのは仕方ないにせよ、彼女のしたことは完全に説教の域を超えた大声による荒々しいパワハラであり、一般人が同じことをしていたら「安全な運航を妨げる行為があった」として降機とともに空港警察に突き出されてもおかしくない。そんなチョ・ヒョナのやり方には、虫の居所が悪かったでは済まされない強烈なヒステリー気質を疑わざるを得ない。自分の言動でどれほど周囲に迷惑をかけることになるか、エアラインとしての評判を落としてしまうか、企業の将来まで考えられないのであろう。
そして先月には、妹のチョ・ヒョンミン(35)が会議中に広告代理店の社員に激怒。水(果汁飲料との情報も)の入ったコップを投げつけたと韓国メディアに報じられ、専務の職は辞したものの大きな波紋を広げている。大変裕福ということもあり、財閥系ファミリーに対する国民の感情はそもそもあまりよくないなか、このたびの水かけ事件は「韓進(ハンジン)グループ」系列上場企業の株式を軒並みダウンさせたことが伝えられている。
もっとも水かけ事件に関して警察は暴行と証拠隠滅、業務妨害容疑で逮捕状を請求していたにもかかわらず、暴行罪としての扱いは難しいとして棄却となったことが報じられた。業務妨害のみ引き続き調査が行われるであろうという。昨年には父親のチョ・ヤンホ会長について、大韓航空の資金で会長宅の建設工事代金を支払うという横領および背任の疑いにつき捜査のメスが入ったが、検察はやはり逮捕状請求を拒否していた。また最近になって姉妹の母親についても暴言による虐待癖が激しい人物であることがわかり、大韓航空のイメージはここ数年でいっきに低下した感が否めない。
こうなればその給料で家族を養っている職員やその家族、そしてOBが黙っているはずがない。4日、ソウル光化門の世宗文化会館前でデモが開催され、抗議デモのシンボルといえるガイ・フォークス・マスク(Guy Fawkes mask)をかぶり、ろうそくを手にした数百名がチョ・ヤンホをはじめとする一家の退陣、検察当局の徹底介入とパワハラ根絶を訴えた。着ている物からパイロット、客室乗務員、地上職員など現役の参加も多かったものと考えられている。
「もう奴隷のような扱いは受けたくない」との訴えも目立つなか、メディアのマイクに口を開いたのは、チョ・ヒョナがナッツリターン事件を起こしたフライトに乗務していたクルー。「私は大韓航空で働いていることを誇りに思っています。大好きなのです。だからこそ大韓航空を守りたいのです」と真剣そのものであった。一生懸命に働く職員たちに敬意も感謝も関心も示さず、ヒステリーな性格からくる横暴さや傲慢さで悪目立ちしてしまうトップ。退陣要求は当然の結果であろう。
画像は『Korea IT Times 2018年4月13日付「Cho Hyun-min, executive director of Korean Air, suspected of hurling water into the face of an advertising company employee」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)