炎天下に晒されていると当然喉が渇くが、過剰な水分摂取をすると逆に命の危険を招くこともある。先月の英ロンドン・マラソンに参加した女性がペットボトルの水を飲みすぎてしまったことが原因で、低ナトリウム血症になり昏睡状態に陥ってしまったという。『Metro』『The Sun』などが伝えている。
ハンプシャー州ワドウィックに住む4児の母ジョアンナ・パケナムさん(53歳)は、4月22日のロンドン・マラソンに参加した。ジョアンナさんは普段から走ることが大好きで、これまでに4つのマラソン大会に参加した経験があるが、今回の大会は15年ぶりだった。
イギリスの4月にしては気温が高かったこの日、ロンドンは23.2度という記録的な暑さとなった。ジョアンナさんは父から言われていた「脱水症状にならないよう気を付けるように」という言葉を反芻し、コースの途中で20か所ほどのウォータースタンドに立ち寄り小さなペットボトルの水を飲み水分補給をしていた。合計12本以上のボトルの水を飲んだジョアンナさんは、走っている途中から意識が朦朧とし始めたという。
気付かぬうちに体の許容量を超えた水分を摂取していたジョアンナさんは、血中のナトリウム濃度が低下する電解質代謝異常を起こす「低ナトリウム血症」になってしまった。コース残り400メートルの所で、ジョアンナさんの体はふらつき、6時間35分で完走したもののマラソン後は吐き気を催すほど気分が悪くなったそうだ。応援に来てくれていた家族とピザを食べに行く予定を取りやめ、娘のエマさんとパートナーのリチャードさんと一緒に帰宅した。
しかしその後、ジョアンナさんは自宅で低ナトリウム血症の症状の1つとされるけいれん発作を起こして倒れた。家族が111(救急車要請が現段階で必要としない場合を含む医療アドバイスを求めるNHS:英国民保健サービスの24時間コールセンター)へ電話したが、ジョアンナさんの呼吸が停止したことに気付き急きょ999へ連絡した。幸いにも、救急車到着までリチャードさんが懸命にCPR(心肺蘇生法)を施したことでジョアンナさんは息を吹き返した。
ウィンチェスター病院へ搬送されたジョアンさんは昏睡状態に陥った後、目覚めたのは25日のことだった。現在は回復し自宅へ戻っているジョアンナさんは、マラソンのあった当日から1週間ほどは記憶が曖昧で何が起こったかあまり覚えていないと話している。しかし後に心臓の専門医の診察を受け、今回の症状が永久的に体に影響を及ぼしていないか検査をしてもらったところ、何の問題もなかったそうだ。ジョアンナさんは次のように語った。
「低ナトリウム血症になったのは、1回限りだったようです。医師からはまた走ってもいいと言われました。でも世間への注意喚起として、スポーツドリンクなどで電解質もきちんと摂取することが大切だと伝えたいのです。そうすれば私のような目に遭うことはないでしょうから。」
このニュースを知った人からは、「走っている時には、水分不足になるよりも過剰摂取の方が逆に命に危険をもたらすということを知らない人が多いと思う」「でもマラソン参加者には、水分を補給しすぎると低ナトリウム血症になるリスクがあることは、主催者からのパンフレットにも書かれているわ。この女性がそれをきちんと読まなかっただけでしょう。助かってよかったけど、ちゃんと読んでいたらこのような事態にはなっていないはずよ」「50代でマラソン参加する行為は称賛に値するけど、やっぱり気を付けなきゃ」「そんなに水は飲めない。ビールなら飲めるけど」「塩を持参するしかないな」といった声があがっている。
画像は『Metro 2018年5月11日付「London Marathon runner left fighting for her life in coma after drinking too much water」(Picture: SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
ハンプシャー州ワドウィックに住む4児の母ジョアンナ・パケナムさん(53歳)は、4月22日のロンドン・マラソンに参加した。ジョアンナさんは普段から走ることが大好きで、これまでに4つのマラソン大会に参加した経験があるが、今回の大会は15年ぶりだった。
イギリスの4月にしては気温が高かったこの日、ロンドンは23.2度という記録的な暑さとなった。ジョアンナさんは父から言われていた「脱水症状にならないよう気を付けるように」という言葉を反芻し、コースの途中で20か所ほどのウォータースタンドに立ち寄り小さなペットボトルの水を飲み水分補給をしていた。合計12本以上のボトルの水を飲んだジョアンナさんは、走っている途中から意識が朦朧とし始めたという。
気付かぬうちに体の許容量を超えた水分を摂取していたジョアンナさんは、血中のナトリウム濃度が低下する電解質代謝異常を起こす「低ナトリウム血症」になってしまった。コース残り400メートルの所で、ジョアンナさんの体はふらつき、6時間35分で完走したもののマラソン後は吐き気を催すほど気分が悪くなったそうだ。応援に来てくれていた家族とピザを食べに行く予定を取りやめ、娘のエマさんとパートナーのリチャードさんと一緒に帰宅した。
しかしその後、ジョアンナさんは自宅で低ナトリウム血症の症状の1つとされるけいれん発作を起こして倒れた。家族が111(救急車要請が現段階で必要としない場合を含む医療アドバイスを求めるNHS:英国民保健サービスの24時間コールセンター)へ電話したが、ジョアンナさんの呼吸が停止したことに気付き急きょ999へ連絡した。幸いにも、救急車到着までリチャードさんが懸命にCPR(心肺蘇生法)を施したことでジョアンナさんは息を吹き返した。
ウィンチェスター病院へ搬送されたジョアンさんは昏睡状態に陥った後、目覚めたのは25日のことだった。現在は回復し自宅へ戻っているジョアンナさんは、マラソンのあった当日から1週間ほどは記憶が曖昧で何が起こったかあまり覚えていないと話している。しかし後に心臓の専門医の診察を受け、今回の症状が永久的に体に影響を及ぼしていないか検査をしてもらったところ、何の問題もなかったそうだ。ジョアンナさんは次のように語った。
「低ナトリウム血症になったのは、1回限りだったようです。医師からはまた走ってもいいと言われました。でも世間への注意喚起として、スポーツドリンクなどで電解質もきちんと摂取することが大切だと伝えたいのです。そうすれば私のような目に遭うことはないでしょうから。」
このニュースを知った人からは、「走っている時には、水分不足になるよりも過剰摂取の方が逆に命に危険をもたらすということを知らない人が多いと思う」「でもマラソン参加者には、水分を補給しすぎると低ナトリウム血症になるリスクがあることは、主催者からのパンフレットにも書かれているわ。この女性がそれをきちんと読まなかっただけでしょう。助かってよかったけど、ちゃんと読んでいたらこのような事態にはなっていないはずよ」「50代でマラソン参加する行為は称賛に値するけど、やっぱり気を付けなきゃ」「そんなに水は飲めない。ビールなら飲めるけど」「塩を持参するしかないな」といった声があがっている。
画像は『Metro 2018年5月11日付「London Marathon runner left fighting for her life in coma after drinking too much water」(Picture: SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)