父親が病弱でまともな仕事ができず、貧困家庭で育ってきた少年。しかし身を持ち崩すことなくひたすら勉学に打ち込んだ少年は、今年の秋に米名門大学のひとつとされるハーバード大学への入学を許可された。ホームレス生活やいじめを乗り越えて辿り着いた少年のプレ・サクセスストーリーを『New York Post』『USA TODAY』『FOX 29』などが伝えている。
米ペンシルベニア州ノース・フィラデルフィアにある名門寄宿学校「Girard College(ジラード・カレッジ)」に通うリチャード・ジェンキンスさん(18歳)のこれまでの人生は、決して安泰ではなかった。
仕事ができない病弱な父に代わり、懸命に働いて一家を支えてきたのはリチャードさんの母親だった。それでも貧困生活から抜けられず、リチャードさんは12歳の時にジャーマンタウンにあるWayne House(ウェイン・ハウス)と呼ばれるホームレスの人たちのための施設に住んでいた。しかしその施設に住んでいることを周囲に知られたくないばかりに、リチャードさんは友人らにも嘘をついて生活していたという。
貧困で嘘をつき続ける生活にうんざりしたリチャードさんは、自分の状況を変えてやろうと思い立った。そして勉学に集中することを決意し、ひたすら勉強に打ち込んだのだ。何事も懸命になり全力を尽くすリチャードさんの精神は、家族のためにいつも必死で仕事をしている母の背中から学んだ。夢を叶えるためにと本を熱心に読み耽っていたことで周りに「ハーバード」というあだ名をつけられ、いじめられたこともあったリチャードさんだが、このほどそのあだ名に相応しい人生のレールが敷かれることとなった。
高校1年生の時、プロモーション企画のメールを受け取ったリチャードさんは「年収65,000ドル(約710万円)未満の家庭の子供は、授業料を学校側が負担する」という奨学金制度を示したプログラムがあることを知り、それに応募した。その後、「絶対にハーバード大に行ってやる」という気持ちで勉強に励んだ結果、現在の寄宿学校にも奨学金を受けて通えることになり、今年の首席代表として間もなく卒業予定である。さらにこの秋から念願のハーバード大学への入学が許可された。その嬉しい知らせを受け取ったのは、リチャードさんが修学旅行でパリを訪れていた時だったそうだ。
「サッカーやバスケットボールなどのスポーツに打ち込む人もいますが、私の場合、奨学金で大学に行きたいという願いを叶えるために、ただひたすら勉強しました。“ハーバード”というあだ名をつけられたことも今となっては笑い話です。プロモーションのメールを受け取ったことが、私の人生を変えたのです。」
小学生時代から、周りの誰よりも質問の答えを出すのが速かったというリチャードさん。そんな息子の聡明さに母親は当然気付いていたようだ。リチャードさんは「母は、私がきっとハーバード大に入学できると信じていました。私は母を見て頑張る姿勢を学んだのです」と母親への感謝と喜びを口にしている。これまでの道のりは決して容易ではなかったが、名門大学への一歩を掴んだリチャードさんの夢はますます広がっているようだ。大学では人工知能を生み出すコンピューター科学を学ぶそうで、将来はいつか自分の会社を立ち上げたいと語っている。希望溢れる人生がまだ始まったばかりであり、これからも夢に向かって着実に歩もうとしているリチャードさんの笑顔はとても眩しい。
ホームレス生活から自身の努力で這い上がり、夢を実現させた人はリチャードさん以外にもいる。昨年5月には、ドラッグに依存しホームレスだった51歳の女性が生活を一変しハーバード大学のエクステンションコース(夜間・通信教育講座などの特別コース)を卒業したニュースが伝えられた。
画像は『New York Post 2018年5月23日付「Teen who was once homeless gets full ride to Harvard」(AP)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
米ペンシルベニア州ノース・フィラデルフィアにある名門寄宿学校「Girard College(ジラード・カレッジ)」に通うリチャード・ジェンキンスさん(18歳)のこれまでの人生は、決して安泰ではなかった。
仕事ができない病弱な父に代わり、懸命に働いて一家を支えてきたのはリチャードさんの母親だった。それでも貧困生活から抜けられず、リチャードさんは12歳の時にジャーマンタウンにあるWayne House(ウェイン・ハウス)と呼ばれるホームレスの人たちのための施設に住んでいた。しかしその施設に住んでいることを周囲に知られたくないばかりに、リチャードさんは友人らにも嘘をついて生活していたという。
貧困で嘘をつき続ける生活にうんざりしたリチャードさんは、自分の状況を変えてやろうと思い立った。そして勉学に集中することを決意し、ひたすら勉強に打ち込んだのだ。何事も懸命になり全力を尽くすリチャードさんの精神は、家族のためにいつも必死で仕事をしている母の背中から学んだ。夢を叶えるためにと本を熱心に読み耽っていたことで周りに「ハーバード」というあだ名をつけられ、いじめられたこともあったリチャードさんだが、このほどそのあだ名に相応しい人生のレールが敷かれることとなった。
高校1年生の時、プロモーション企画のメールを受け取ったリチャードさんは「年収65,000ドル(約710万円)未満の家庭の子供は、授業料を学校側が負担する」という奨学金制度を示したプログラムがあることを知り、それに応募した。その後、「絶対にハーバード大に行ってやる」という気持ちで勉強に励んだ結果、現在の寄宿学校にも奨学金を受けて通えることになり、今年の首席代表として間もなく卒業予定である。さらにこの秋から念願のハーバード大学への入学が許可された。その嬉しい知らせを受け取ったのは、リチャードさんが修学旅行でパリを訪れていた時だったそうだ。
「サッカーやバスケットボールなどのスポーツに打ち込む人もいますが、私の場合、奨学金で大学に行きたいという願いを叶えるために、ただひたすら勉強しました。“ハーバード”というあだ名をつけられたことも今となっては笑い話です。プロモーションのメールを受け取ったことが、私の人生を変えたのです。」
小学生時代から、周りの誰よりも質問の答えを出すのが速かったというリチャードさん。そんな息子の聡明さに母親は当然気付いていたようだ。リチャードさんは「母は、私がきっとハーバード大に入学できると信じていました。私は母を見て頑張る姿勢を学んだのです」と母親への感謝と喜びを口にしている。これまでの道のりは決して容易ではなかったが、名門大学への一歩を掴んだリチャードさんの夢はますます広がっているようだ。大学では人工知能を生み出すコンピューター科学を学ぶそうで、将来はいつか自分の会社を立ち上げたいと語っている。希望溢れる人生がまだ始まったばかりであり、これからも夢に向かって着実に歩もうとしているリチャードさんの笑顔はとても眩しい。
ホームレス生活から自身の努力で這い上がり、夢を実現させた人はリチャードさん以外にもいる。昨年5月には、ドラッグに依存しホームレスだった51歳の女性が生活を一変しハーバード大学のエクステンションコース(夜間・通信教育講座などの特別コース)を卒業したニュースが伝えられた。
画像は『New York Post 2018年5月23日付「Teen who was once homeless gets full ride to Harvard」(AP)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)