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【海外発!Breaking News】ラップ音楽で踊りながら執刀した医師、告訴される(米)

TechinsightJapan 2018年6月7日 21時49分

自身のプロモーションのために、手術室でラップ音楽をかけ歌い踊りながら執刀する姿を動画に収め、YouTubeに投稿していた女性医師。しかし現在、施術後に後遺症が出たという多くの元患者が苦情を訴えており、複数の患者がこの女性医師に対して訴訟を起こしている。『CNN』や『WSB-TV』『The Independent』などが伝えた。

米ジョージア州リルバーンのクリニックに勤めるウィンデル・ブーテー医師は、皮膚科専門医としての医師免許はあるが、整形外科医としてはジョージア州医事当局からは承認を受けていない。しかし同州では医師免許さえ持っていれば手術を行うことが許可されているため、ブーテー医師は自らを「米南東部のナンバーワン女整形外科医」と称し、これまで多くの患者に施術をしてきた。

ブーテー医師は、自身の執刀中の姿をYouTubeチャンネルの自分のアカウントに20本以上も投稿していたが、その内容はプロとしての意識を疑うものであった。手術室でラップ音楽をかけ、メスを片手に握りながら歌って踊り、手術台に麻酔をかけられて横たわる患者に断りもなく施術の様子をYouTubeに投稿していたのである。ある患者は、O.T.Genasisというラッパーの「Cut It」という歌に合わせてブーテー医師に腹部を切られている様子を動画に投稿された。別の動画では、ブーテー医師は施術時に医療用手袋やマスクを着用せず素手で手術器具を触っており、患者の臀部をカメラの前で晒しながら体をくねらせMigos(ミーゴス)のヒップホップソング「Bad and Boujee」の替え歌を歌い踊っていた。その内容も「私の患者は悪い奴でブルジー(リッチ)。尻には脂肪がたっぷりさ」などといったふざけたもので、ブーテー医師にあわせるように助手たちも踊っていた。

しかしこうした施術の結果、深刻な後遺症が残ってしまったという患者があとを絶たないようだ。ブーテー医師に対して元患者からの3件の訴訟を抱えているスーザン・ウィット弁護士は、ブーテー医師の動画がニュースで報じられたことにより、さらに100人近い元患者がブーテー医師への苦情を訴えてきたと話している。現在はブーテー医師のYouTubeアカウントから、これらの動画は削除されている。

訴訟内容は、施術後に著しく容姿が損なわれたとするものや、術後に感染症を患ったことが原因で深刻な後遺症に苦しんでいるというものであるが、中には8時間にも及ぶ脂肪吸引後、追加で腹部施術を受け深刻な脳障害を負ってしまった女性もおり、家族が訴えを起こしている。数週間後に結婚式を控えていたこの女性は、それも白紙状態となり博士号(Ph.D)取得まであと少しというところで介護を要する身体になってしまったという。

動画の流出がきっかけとなり、不十分な施術治療に対して次から次へと患者らがブーテー医師への苦情を訴え、告発する患者まで現れる事態となったわけだが、訴訟を起こされている最中であるにもかかわらず、ブーテー医師は現在もクリニックで薬を処方するなど、変わらず勤務を続けている。ジョージア州の複合医事当局では、2016年3月にはブーテー医師が安全な医療行為を行っていないことを把握していたようだ。ウィット弁護士は「ブーテー医師の患者は誰一人安全な施術をされていないのに、彼女は今でも開業して結構なお金を稼いでいます」と非難している。またアトランタのノースサイド病院で医事当局から承認された整形外科医長として勤務していたマリサ・ローレンス医師は、ブーテー医師にこのような苦言を呈している。

「患者を執刀中であるにもかかわらず歌って踊るなどという行為は、プロとして不適切であり、危険です。彼女がいるのは手術室であって劇場ではありません。このような行為はもってのほかです。」

なお、ブーテー医師はこれらの報道に対し一切のコメントを拒否している。

画像は『CNN 2018年6月3日付「Nearly 100 women suffered under dancing doctor’s scalpel, lawyer says」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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