生まれる前から命を守るために闘い、この世に生を受けても3度も死の淵をさまよった3歳男児。生きるために懸命に危機を乗り越えてきたが、やはり病によって男児はわずか3歳でPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された。現在は徐々にではあるが回復の兆しを見せているという。勇気ある小さな戦士のニュースを『Storytrender』『Metro』などが伝えている。
英ウェールズ、カーディフのセント・メロンズに暮らすベッキー・ディーリーさん(22歳)とパートナーのローレンス・バートレットさん(23歳)は第1子を授かった喜びも束の間、ベッキーさんは妊娠20週で胎児が「先天性心欠損」であることを医師に告げられ、中絶を勧められた。
しかし我が子がお腹を蹴った時の感触やスクリーン上で見た時の姿などを思うと中絶をする気にはなれず、パートナーとともに出産を決意。ベッキーさんは妊娠37週目にブリストル・ロイヤル・インファーマリーで帝王切開によりセオ君を出産した。セオ君は産まれてすぐに検査や治療を受けるため、親元から離された。ベッキーさんは産まれたばかりの我が子をほんの数秒しか抱くことができなかったという。さらに医師からは、セオ君の肥大した心臓が肺を圧迫しているため数時間しか生きられないであろうと聞かされ、身内を病院へ呼ぶようにと伝えられた。
我が子の死を覚悟させられた両親だったが、医師らの最善の治療により奇跡的にもセオ君は一命を取り留め、3度にわたる心臓手術を受けて6か月間入院した。しかし新たな病が再びセオ君を襲った。心臓に血栓ができるのを防ぐ薬により脾臓が破裂したのである。セオ君は腹腔内出血を起こしており、両親は病院から再び「最悪の事態を覚悟してほしい」と告げられた。だが、セオ君はまたも強靭な生命力を発揮し、医師らの懸命の治療によって命の危機を脱した。そしてついに、2016年1月に退院となった。
ところが同年9月、セオ君は膵炎と腸に穴が開く腸穿孔、腹部敗血症を起こし、すぐさま集中治療室へ運ばれた。この時ベッキーさんらは医師から葬式の準備をしておいた方がいいと言われ、愕然とした。
「息子に触れると氷のように冷たく、目がどんよりしていたんです。吐血があって急いで病院へと連れて行きました。そうしたら敗血症性ショックを起こしていると言われたのです。3度も医師からは『最悪の覚悟を』と言われ絶望的な気持ちになりましたが、私たちはセオがどんなに強い子であるか知っていたので、きっと乗り越えてくれるはずだと信じていました。」
そんな両親の願いは、3度目も叶うことになった。セオ君には胃の膿瘍を体外に排出する手術が行われ、排泄物を受け止めるストーマ袋(パウチ)がつけられた。敗血症で一部の足の指を失ったが、手術から1週間後に容態が安定するという奇跡が起こったのである。
しかしこの奇跡の一方で、合計8か月の入院生活や度重なる手術によりトラウマを抱えたセオ君は退院後、冷や汗をかいたり不眠に悩まされるようになった。そして同年11月にわずか3歳でPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された。ベッキーさんは現在のセオ君の状況や心情をこのように語っている。
「息子がPTSDだと診断されたことは辛いです。医師も3歳でPTSDになるのは極めて稀だと言っていました。でも今は精神科医らの協力を得て、少しずつですが回復の兆しを見せています。数か月に1度起こる発作的症状の緩和のために薬も処方されています。敗血症を患った後、アキレス腱の一部が硬くなり歩くことが難しくなってしまったために手術を受けるのを待っていますが、今は歩くことができるように練習をしたり、スピーチセラピーも受けています。辛い出来事を何度も乗り越えたセオは、とても強くてエネルギー溢れる子供です。順調に回復してくれているので、9月から保育園に通うことができればと願っています。」
医師の「死の宣告」を3度も覆し懸命に乗り越えたセオ君は、まさに“小さな戦士(ファイター)”といえよう。
画像は『Storytrender 2018年6月5日付「MIRACLE TODDLER DIAGNOSED WITH PTSD AFTER NEARLY LOSING HIS LIFE ON THREE OCCASIONS」(Becca Husselbee)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
英ウェールズ、カーディフのセント・メロンズに暮らすベッキー・ディーリーさん(22歳)とパートナーのローレンス・バートレットさん(23歳)は第1子を授かった喜びも束の間、ベッキーさんは妊娠20週で胎児が「先天性心欠損」であることを医師に告げられ、中絶を勧められた。
しかし我が子がお腹を蹴った時の感触やスクリーン上で見た時の姿などを思うと中絶をする気にはなれず、パートナーとともに出産を決意。ベッキーさんは妊娠37週目にブリストル・ロイヤル・インファーマリーで帝王切開によりセオ君を出産した。セオ君は産まれてすぐに検査や治療を受けるため、親元から離された。ベッキーさんは産まれたばかりの我が子をほんの数秒しか抱くことができなかったという。さらに医師からは、セオ君の肥大した心臓が肺を圧迫しているため数時間しか生きられないであろうと聞かされ、身内を病院へ呼ぶようにと伝えられた。
我が子の死を覚悟させられた両親だったが、医師らの最善の治療により奇跡的にもセオ君は一命を取り留め、3度にわたる心臓手術を受けて6か月間入院した。しかし新たな病が再びセオ君を襲った。心臓に血栓ができるのを防ぐ薬により脾臓が破裂したのである。セオ君は腹腔内出血を起こしており、両親は病院から再び「最悪の事態を覚悟してほしい」と告げられた。だが、セオ君はまたも強靭な生命力を発揮し、医師らの懸命の治療によって命の危機を脱した。そしてついに、2016年1月に退院となった。
ところが同年9月、セオ君は膵炎と腸に穴が開く腸穿孔、腹部敗血症を起こし、すぐさま集中治療室へ運ばれた。この時ベッキーさんらは医師から葬式の準備をしておいた方がいいと言われ、愕然とした。
「息子に触れると氷のように冷たく、目がどんよりしていたんです。吐血があって急いで病院へと連れて行きました。そうしたら敗血症性ショックを起こしていると言われたのです。3度も医師からは『最悪の覚悟を』と言われ絶望的な気持ちになりましたが、私たちはセオがどんなに強い子であるか知っていたので、きっと乗り越えてくれるはずだと信じていました。」
そんな両親の願いは、3度目も叶うことになった。セオ君には胃の膿瘍を体外に排出する手術が行われ、排泄物を受け止めるストーマ袋(パウチ)がつけられた。敗血症で一部の足の指を失ったが、手術から1週間後に容態が安定するという奇跡が起こったのである。
しかしこの奇跡の一方で、合計8か月の入院生活や度重なる手術によりトラウマを抱えたセオ君は退院後、冷や汗をかいたり不眠に悩まされるようになった。そして同年11月にわずか3歳でPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された。ベッキーさんは現在のセオ君の状況や心情をこのように語っている。
「息子がPTSDだと診断されたことは辛いです。医師も3歳でPTSDになるのは極めて稀だと言っていました。でも今は精神科医らの協力を得て、少しずつですが回復の兆しを見せています。数か月に1度起こる発作的症状の緩和のために薬も処方されています。敗血症を患った後、アキレス腱の一部が硬くなり歩くことが難しくなってしまったために手術を受けるのを待っていますが、今は歩くことができるように練習をしたり、スピーチセラピーも受けています。辛い出来事を何度も乗り越えたセオは、とても強くてエネルギー溢れる子供です。順調に回復してくれているので、9月から保育園に通うことができればと願っています。」
医師の「死の宣告」を3度も覆し懸命に乗り越えたセオ君は、まさに“小さな戦士(ファイター)”といえよう。
画像は『Storytrender 2018年6月5日付「MIRACLE TODDLER DIAGNOSED WITH PTSD AFTER NEARLY LOSING HIS LIFE ON THREE OCCASIONS」(Becca Husselbee)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)