危険な運転に巻き込まれ、かけがえのない我が子の命を奪われた母親。運転手だった女の裁判が続く中、母親は「被告には極刑を望む」と愛する息子を奪われた怒りと悲しみを吐露した。英メディア『BBC News』『Metro』などが伝えている。
2016年7月、英スコットランドのサウス・エアシャーで悲劇的な事故が起こった。アロウェイにある農場近くを走行していたボクスホールのコルサがコントロールを失い、フェンスや壁、電柱に激突したのである。
車を運転していたのはナターシャ・スコット(21歳)で、同乗していた交際相手のカイ・ミリガンさん(21歳)が即死、その他3人の同乗者も怪我をした。カイさんは運転席の真後ろに座っており、車が衝突した時にフェンスの支柱が後部座席の側面窓を砕きそれが顔に直撃して死亡した。同乗者の15歳少年も似たような状況で顔に重傷を負い、後に再建手術を受けなければならないほどとなった。一命は取り留めたもののこの少年には生涯傷が残り、後遺症として顔の感覚が欠如し味覚にも問題が出るようになった他、精神不安定な状態になってしまったという。事故直後、ナターシャと17歳少女、12歳少年はなんとか車から脱出したが、12歳少年はその後頭部外傷で倒れ脚を怪我、17歳少女は腰と腹部に痛みを生じ、事故を引き起こしたナターシャは肩と首を痛めただけであった。
グラスゴーの高等法院で行われている裁判では、衝突の原因は過度のスピードであることが明らかとなっている。専門家によると、衝突前の正確なスピードの数字は出せないが事故当時はかなりのスピードが出ていたことが判明しているようだ。検察官は「被告はスピードを上げてコントロールを失い、車が宙に浮いた形となった。スリップして車体が左右に振られ、被告がコントロールを取り戻そうとするもスピンし、フェンスや壁、電柱に激突した」と述べている。
事故からおよそ2年経った時点で、ようやくナターシャは危険な運転で死を引き起こした罪および同乗者に怪我を負わせた罪を認めた。しかしながら、2017年12月に出産を経て現在母となったナターシャは保釈金を支払っており、身柄は拘束されていない。事故の状況が明らかになり自分に非があるのが公になると、弁護士を通して「被害者の遺族には申し訳ないことをした」と追悼の意を示したものの、情状酌量を願い出たようだ。それを知った被害者カイさんの母ボニーさん(42歳)は、怒りを露わにした。
「とんでもない女だわ。弁護人は、あの女が母親になったからといって処罰の軽減を求めているのよ。吐き気がする。事故を起こした時、息子とあの女はまだ6週間しか交際していなかった。あの女の愚かさと傲慢な行為によって、私の息子は21年と1か月で命を奪われてしまったの。罪を認めるまでに2年もかかっているなんて、言い逃れのできない証拠を法廷で突きつけられてギリギリになって罪を認めただけに過ぎないし、あの女が母親だとか女だとか私には関係ないこと。この事故であの女に最高刑が下されるとしたら14年のようだけど、私は極刑を望んでいるわ。ありがたいことにスコットランドには執行猶予付き判決というのが存在しないから。愛する息子の命を奪ったこと、あの事故で多くの人の人生をも台無しにしたことへの報いを受けるべきよ。」
法廷ではナターシャに対して「危険な運転により1人の命が奪われ、遺族には大きな打撃を与えた。また、他の同乗者にも長期にわたる治療が必要とされる可能性のある怪我をさせた」と糾弾する場面もあり、実刑の可能性が十分にあることを伝えられたナターシャは、コメントすることはなかったものの号泣する姿を見せていたという。ナターシャへの判決は、来月に下される予定だ。
画像は『Metro 2018年6月12日付「Heartbroken mum wants son’s killer ‘scumbag’ girlfriend jailed for maximum’s sentence」(Picture: Scotland Police)(Picture: Spindrift)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
2016年7月、英スコットランドのサウス・エアシャーで悲劇的な事故が起こった。アロウェイにある農場近くを走行していたボクスホールのコルサがコントロールを失い、フェンスや壁、電柱に激突したのである。
車を運転していたのはナターシャ・スコット(21歳)で、同乗していた交際相手のカイ・ミリガンさん(21歳)が即死、その他3人の同乗者も怪我をした。カイさんは運転席の真後ろに座っており、車が衝突した時にフェンスの支柱が後部座席の側面窓を砕きそれが顔に直撃して死亡した。同乗者の15歳少年も似たような状況で顔に重傷を負い、後に再建手術を受けなければならないほどとなった。一命は取り留めたもののこの少年には生涯傷が残り、後遺症として顔の感覚が欠如し味覚にも問題が出るようになった他、精神不安定な状態になってしまったという。事故直後、ナターシャと17歳少女、12歳少年はなんとか車から脱出したが、12歳少年はその後頭部外傷で倒れ脚を怪我、17歳少女は腰と腹部に痛みを生じ、事故を引き起こしたナターシャは肩と首を痛めただけであった。
グラスゴーの高等法院で行われている裁判では、衝突の原因は過度のスピードであることが明らかとなっている。専門家によると、衝突前の正確なスピードの数字は出せないが事故当時はかなりのスピードが出ていたことが判明しているようだ。検察官は「被告はスピードを上げてコントロールを失い、車が宙に浮いた形となった。スリップして車体が左右に振られ、被告がコントロールを取り戻そうとするもスピンし、フェンスや壁、電柱に激突した」と述べている。
事故からおよそ2年経った時点で、ようやくナターシャは危険な運転で死を引き起こした罪および同乗者に怪我を負わせた罪を認めた。しかしながら、2017年12月に出産を経て現在母となったナターシャは保釈金を支払っており、身柄は拘束されていない。事故の状況が明らかになり自分に非があるのが公になると、弁護士を通して「被害者の遺族には申し訳ないことをした」と追悼の意を示したものの、情状酌量を願い出たようだ。それを知った被害者カイさんの母ボニーさん(42歳)は、怒りを露わにした。
「とんでもない女だわ。弁護人は、あの女が母親になったからといって処罰の軽減を求めているのよ。吐き気がする。事故を起こした時、息子とあの女はまだ6週間しか交際していなかった。あの女の愚かさと傲慢な行為によって、私の息子は21年と1か月で命を奪われてしまったの。罪を認めるまでに2年もかかっているなんて、言い逃れのできない証拠を法廷で突きつけられてギリギリになって罪を認めただけに過ぎないし、あの女が母親だとか女だとか私には関係ないこと。この事故であの女に最高刑が下されるとしたら14年のようだけど、私は極刑を望んでいるわ。ありがたいことにスコットランドには執行猶予付き判決というのが存在しないから。愛する息子の命を奪ったこと、あの事故で多くの人の人生をも台無しにしたことへの報いを受けるべきよ。」
法廷ではナターシャに対して「危険な運転により1人の命が奪われ、遺族には大きな打撃を与えた。また、他の同乗者にも長期にわたる治療が必要とされる可能性のある怪我をさせた」と糾弾する場面もあり、実刑の可能性が十分にあることを伝えられたナターシャは、コメントすることはなかったものの号泣する姿を見せていたという。ナターシャへの判決は、来月に下される予定だ。
画像は『Metro 2018年6月12日付「Heartbroken mum wants son’s killer ‘scumbag’ girlfriend jailed for maximum’s sentence」(Picture: Scotland Police)(Picture: Spindrift)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)