権力を笠に着て部下にパワハラやセクハラ行為を働く上司がいるが、このほどイギリスで職業倫理基準に違反する不適切な発言をしたとして男性警察官が警告を受けた。解雇には至らなかったことで世間からは不満の声があがっている。英メディア『BBC News』『Metro』などが伝えた。
ドーセット警察に所属するスティーブン・ヒューズはドーチェスター署に勤務していた2014年4月~2016年1月に、部下であった複数の女性警察官にパワハラやセクハラとも取れる発言をしたことで今年3月からウィンフリスにあるドーセット警察本庁にて審問が行われていたが、今月に調査団により不正行為を働いたとして有罪判決を受けた。
ヒューズは当時、産休から復帰したばかりの女性警察官に紅茶をいれるよう頼んだが、「なぜ私がいれなければならないのか」と言われ「君にはオッパイがあるだろう」と女性を見下した発言をしたという。また授乳中の幼い子がいる別の女性警察官に対しても「君が俺の母親だったら良かったのにな。そしたら君の胸に吸いつけるじゃないか」というあからさまなセクハラ発言をした。この嫌がらせを受けた女性警察官のひとりは、このように話している。
「耐え難い苦痛を与えられた4年間は、地獄でした。最初はサポート的な上官だと思ったのですが、2015年1月から問題が起こり始めたのです。娘の水疱瘡が悪化した時には、必要な業務がなかったにもかかわらず数時間さえ職場を離れることを許されませんでした。席を外すのなら年次休暇を取れと言われたのですが、家族らの病気など緊急時における被用者のタイム・オフの権利が認められているため、彼の指示は間違っています。パート勤務だから弱みを見せたくないという思いもあり、必死に頑張ってきましたが、本人にとって1つ1つが些細な冗談であったとしても長期にわたりそれを続けられると、自信を失くし疲れ果ててしまいます。」
この女性警察官は他にも侮辱的な発言を同僚の前でされたとして、審問では「陳述書にあげ切れないほど、彼からは多くの嫌がらせを受けた」と涙を流した。
さらに女性警察官らは上からの指令がないにもかかわらず不必要に徒歩での巡回を強要され、その頻度は同じチームにいた男性警察官よりも多かったと述べた。また別の女性警察官は、同僚の女性が耳の病気で欠勤した際に「まぁ彼女はすぐに(職場に)戻って来るでしょう。耳が悪いというのではなく彼女の場合は頭も悪いですけどね」とヒューズが警部に話していたのを聞いている。
「彼は言いながら自分で面白いと思ったのか、笑っていました。その場にいないからといって、相手のことをそんなふうに“ジョーク”として言うことが理解できませんでした。」
ヒューズの下で働いていた4人のパートタイム勤務の女性警察官らは、パート勤務を見くびられ侮辱的な発言をされたと訴えた。審問ではこの4人が更なる31件の不品行な行為に対する申し立てを行ったことが明らかになったが、3月の時点でヒューズは「単にからかっただけ」と述べ容疑を否認。またこれらの訴えには決定的な証拠がなかったことからも、今回は2件の職業基準に違反した不正行為を働いた罪への最後警告が通達されたのみとなった。ヒューズは最終的に女性警察官への不適切な発言については認めたものの、解雇を免れたのである。
現在、女性警察官の1人は職を辞し、他の3人は別のチームへと移動になっている。ジェームズ・ヴォーン署長は「今回、勇気を出して告発に踏み切った女性警察官らには感謝する。全ての警察官はプロとして、そして個人としても高い基準を設定し行動できるよう、常に意識しなければならない。市民も我々警察官にはそれを望んでいるはずだ」と述べた。
しかし警告だけに留まり、解雇に至らなかったヒューズには不満の声も多い。このニュースを知った人からは「周りから尊敬されなくても仕事は続けられるわけね。こんな奴クビにすべき」「身内の可愛さが反映された処罰だな」「こんな男の下で、どんな女性警官も働きたくないでしょうに」「最低な野郎だ」「これが普通の職場だったら間違いなく解雇されているよね」「結局警察っていうのは男の権力が振りかざされる職場なんだろうな」といった声があがっている。
画像は『Metro 2018年6月12日付「Sergeant who told female PC to make the tea because ‘you have tits’ keeps his job」(Picture: BNPS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
ドーセット警察に所属するスティーブン・ヒューズはドーチェスター署に勤務していた2014年4月~2016年1月に、部下であった複数の女性警察官にパワハラやセクハラとも取れる発言をしたことで今年3月からウィンフリスにあるドーセット警察本庁にて審問が行われていたが、今月に調査団により不正行為を働いたとして有罪判決を受けた。
ヒューズは当時、産休から復帰したばかりの女性警察官に紅茶をいれるよう頼んだが、「なぜ私がいれなければならないのか」と言われ「君にはオッパイがあるだろう」と女性を見下した発言をしたという。また授乳中の幼い子がいる別の女性警察官に対しても「君が俺の母親だったら良かったのにな。そしたら君の胸に吸いつけるじゃないか」というあからさまなセクハラ発言をした。この嫌がらせを受けた女性警察官のひとりは、このように話している。
「耐え難い苦痛を与えられた4年間は、地獄でした。最初はサポート的な上官だと思ったのですが、2015年1月から問題が起こり始めたのです。娘の水疱瘡が悪化した時には、必要な業務がなかったにもかかわらず数時間さえ職場を離れることを許されませんでした。席を外すのなら年次休暇を取れと言われたのですが、家族らの病気など緊急時における被用者のタイム・オフの権利が認められているため、彼の指示は間違っています。パート勤務だから弱みを見せたくないという思いもあり、必死に頑張ってきましたが、本人にとって1つ1つが些細な冗談であったとしても長期にわたりそれを続けられると、自信を失くし疲れ果ててしまいます。」
この女性警察官は他にも侮辱的な発言を同僚の前でされたとして、審問では「陳述書にあげ切れないほど、彼からは多くの嫌がらせを受けた」と涙を流した。
さらに女性警察官らは上からの指令がないにもかかわらず不必要に徒歩での巡回を強要され、その頻度は同じチームにいた男性警察官よりも多かったと述べた。また別の女性警察官は、同僚の女性が耳の病気で欠勤した際に「まぁ彼女はすぐに(職場に)戻って来るでしょう。耳が悪いというのではなく彼女の場合は頭も悪いですけどね」とヒューズが警部に話していたのを聞いている。
「彼は言いながら自分で面白いと思ったのか、笑っていました。その場にいないからといって、相手のことをそんなふうに“ジョーク”として言うことが理解できませんでした。」
ヒューズの下で働いていた4人のパートタイム勤務の女性警察官らは、パート勤務を見くびられ侮辱的な発言をされたと訴えた。審問ではこの4人が更なる31件の不品行な行為に対する申し立てを行ったことが明らかになったが、3月の時点でヒューズは「単にからかっただけ」と述べ容疑を否認。またこれらの訴えには決定的な証拠がなかったことからも、今回は2件の職業基準に違反した不正行為を働いた罪への最後警告が通達されたのみとなった。ヒューズは最終的に女性警察官への不適切な発言については認めたものの、解雇を免れたのである。
現在、女性警察官の1人は職を辞し、他の3人は別のチームへと移動になっている。ジェームズ・ヴォーン署長は「今回、勇気を出して告発に踏み切った女性警察官らには感謝する。全ての警察官はプロとして、そして個人としても高い基準を設定し行動できるよう、常に意識しなければならない。市民も我々警察官にはそれを望んでいるはずだ」と述べた。
しかし警告だけに留まり、解雇に至らなかったヒューズには不満の声も多い。このニュースを知った人からは「周りから尊敬されなくても仕事は続けられるわけね。こんな奴クビにすべき」「身内の可愛さが反映された処罰だな」「こんな男の下で、どんな女性警官も働きたくないでしょうに」「最低な野郎だ」「これが普通の職場だったら間違いなく解雇されているよね」「結局警察っていうのは男の権力が振りかざされる職場なんだろうな」といった声があがっている。
画像は『Metro 2018年6月12日付「Sergeant who told female PC to make the tea because ‘you have tits’ keeps his job」(Picture: BNPS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)