日々身の回りの世話を必要とする重度の障がいを持つ13歳少女が昨年、自宅の寝室で遺体となって発見された。母親の育児放棄により少女は死亡したのである。このほどその裁判が行われたが、母親には懲役60年の判決が下る可能性があることが明らかとなった。『Post-Crescent Media』『WMC Action News 5』『Metro』などが伝えている。
2017年5月29日、米ウィスコンシン州アップルトンにあるニコル・ガッサート(37歳)の自宅で、娘のひとりであるブリアンナさん(13歳)の遺体が発見された。ブリアンナさんは精神遅滞や成長障がい、難治性てんかん、多発奇形を主な特徴とする先天性遺伝子疾患「ウォルフ・ヒルシュホーン症候群」を抱えており、歩くことや話すこと、自身の身の回りの世話をすることも一切できなかった。
そんな状態の娘を、母親のニコルは何日間も放置し続けたのだ。その結果、ブリアンナさんは敗血症に感染して死亡した。通報を受けてニコルの自宅へ駆けつけた警察官は、当時の様子をこのように話した。
「ブリアンナさんは2階の寝室のベッドで亡くなっていました。オムツは排泄物にまみれ、流動食のチューブはほとんど空っぽで明らかに世話をされていない状態でした。家の中も荒れており、遺体の臭いに加えてゴミや腐った果物の臭いがしました。大量の衣類やゴミが山積みで、汚れた皿もそのままになっていました。また2階廊下には、何匹もの蠅が飛んでいました。」
深刻な障がいを抱えたブリアンナさんが遺体発見時に履いていたオムツの重さは約600gにもなり、1週間以上お風呂にも入れてもらっていなかったようだ。ブリアンナさんの検死をした医師は敗血症が死因となったことを明かし、「定期的にきちんと娘の状態を確認していれば、健康問題があるかどうかということに気づくはずだ」と苦言を呈した。
ブリアンナさんが死亡したのは昨年5月24日とされているが、実際に遺体が発見されたのは警察が生活保護給与者調査にやってきた29日で、ニコルは娘が亡くなってから5日間も放置していたことになる。育児放棄の末、子供を死に至らしめた罪1件とアンフェタミン所持3件の容疑で逮捕されたニコルには、別れた夫との間に他にも3人の娘がおり、同じ家で暮らしていたようだ。警察の調べに対して「朝に娘を学校へ向かわせる準備をするのが面倒だったから、病気で休むことにしておけば楽だと思った」とブリアンナさんが数か月間も登校していなかったことを認め、さらに「いつ、ブリアンナに食べ物を与えてオムツを変えたのか覚えていない」とも供述した。
今年6月11日にアップルトンのアウタガミ郡裁判所で行われた裁判で、メリンダ・テンペリス検事は「どれほど苦しかったことだろう。かわいそうな少女は自分の母親に世話をしてもらえず、ゆっくりと命をすり減らしていったのだ」と語った。現在は保釈金30万ドル(約3,300万円)が設定されているニコルだが、後の公判で有罪となればウィスコンシン州法での児童虐待の最高刑25年と最高12年半の薬物所持3件分が加わり、60年の懲役刑が科せられることになる可能性もあるという。
元妻の裁判を傍聴していたブリアンナさんの父グレッグさんは、「60年の刑期が十分かどうかはわかりません。今はただ、傷口がパックリと開いてしまったかのような気持ちです。ブリアンナは2003年11月11日に生まれ、最初は1年半しか生きられないだろうと宣告されていました。娘が母親にこのような対応を受けてきたなんて残酷すぎるし、信じられない気持ちです。こんな形で娘が命を失ってしまうなんて悲劇でしかありません」と悲しみを露わにした。
頼るべき母親に見捨てられ、ゆっくりと死に追いやられたブリアンナさんの絶望や悲しみは計り知れない。ニコルの予備審問は6月19日に行われる予定である。
画像は『Metro 2018年6月13日付「Girl died of sepsis after mother left her sitting in excrement-filled diaper」(Picture: Appleton PD)(Picture: GoFundMe)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
2017年5月29日、米ウィスコンシン州アップルトンにあるニコル・ガッサート(37歳)の自宅で、娘のひとりであるブリアンナさん(13歳)の遺体が発見された。ブリアンナさんは精神遅滞や成長障がい、難治性てんかん、多発奇形を主な特徴とする先天性遺伝子疾患「ウォルフ・ヒルシュホーン症候群」を抱えており、歩くことや話すこと、自身の身の回りの世話をすることも一切できなかった。
そんな状態の娘を、母親のニコルは何日間も放置し続けたのだ。その結果、ブリアンナさんは敗血症に感染して死亡した。通報を受けてニコルの自宅へ駆けつけた警察官は、当時の様子をこのように話した。
「ブリアンナさんは2階の寝室のベッドで亡くなっていました。オムツは排泄物にまみれ、流動食のチューブはほとんど空っぽで明らかに世話をされていない状態でした。家の中も荒れており、遺体の臭いに加えてゴミや腐った果物の臭いがしました。大量の衣類やゴミが山積みで、汚れた皿もそのままになっていました。また2階廊下には、何匹もの蠅が飛んでいました。」
深刻な障がいを抱えたブリアンナさんが遺体発見時に履いていたオムツの重さは約600gにもなり、1週間以上お風呂にも入れてもらっていなかったようだ。ブリアンナさんの検死をした医師は敗血症が死因となったことを明かし、「定期的にきちんと娘の状態を確認していれば、健康問題があるかどうかということに気づくはずだ」と苦言を呈した。
ブリアンナさんが死亡したのは昨年5月24日とされているが、実際に遺体が発見されたのは警察が生活保護給与者調査にやってきた29日で、ニコルは娘が亡くなってから5日間も放置していたことになる。育児放棄の末、子供を死に至らしめた罪1件とアンフェタミン所持3件の容疑で逮捕されたニコルには、別れた夫との間に他にも3人の娘がおり、同じ家で暮らしていたようだ。警察の調べに対して「朝に娘を学校へ向かわせる準備をするのが面倒だったから、病気で休むことにしておけば楽だと思った」とブリアンナさんが数か月間も登校していなかったことを認め、さらに「いつ、ブリアンナに食べ物を与えてオムツを変えたのか覚えていない」とも供述した。
今年6月11日にアップルトンのアウタガミ郡裁判所で行われた裁判で、メリンダ・テンペリス検事は「どれほど苦しかったことだろう。かわいそうな少女は自分の母親に世話をしてもらえず、ゆっくりと命をすり減らしていったのだ」と語った。現在は保釈金30万ドル(約3,300万円)が設定されているニコルだが、後の公判で有罪となればウィスコンシン州法での児童虐待の最高刑25年と最高12年半の薬物所持3件分が加わり、60年の懲役刑が科せられることになる可能性もあるという。
元妻の裁判を傍聴していたブリアンナさんの父グレッグさんは、「60年の刑期が十分かどうかはわかりません。今はただ、傷口がパックリと開いてしまったかのような気持ちです。ブリアンナは2003年11月11日に生まれ、最初は1年半しか生きられないだろうと宣告されていました。娘が母親にこのような対応を受けてきたなんて残酷すぎるし、信じられない気持ちです。こんな形で娘が命を失ってしまうなんて悲劇でしかありません」と悲しみを露わにした。
頼るべき母親に見捨てられ、ゆっくりと死に追いやられたブリアンナさんの絶望や悲しみは計り知れない。ニコルの予備審問は6月19日に行われる予定である。
画像は『Metro 2018年6月13日付「Girl died of sepsis after mother left her sitting in excrement-filled diaper」(Picture: Appleton PD)(Picture: GoFundMe)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)