昨年12月25日に英サウス・ヨークシャー州で起こった殺人事件の裁判がこのほど行われた。39歳の女が72歳の継祖父を120回以上メッタ刺しにした事件で、4日間に及んだ裁判で女は幼少期から継祖父に性的虐待を受けていたことが明らかになったが、女には懲役13年という判決が下された。『BBC News』『Shropshire Star』『Metro』などが伝えている。
サウス・ヨークシャー州ドンカスターに住むリンゼイ・フレッチャー(39歳)は2017年12月25日、血の繋がりのない祖父マイケル・イートンさん(72歳)の顔や頭、首などをステーキナイフで120回以上も刺し、殺害した。
この件について同州シェフィールドの刑事法院で行われた裁判では、リンゼイが5歳の頃からマイケルさんに性的虐待を受けていたことが明らかとなった。性的虐待はリンゼイが11歳ぐらいの時に一旦収まったが、2007年に祖母が他界し再び始まったという。その頃からリンゼイは苦悩を紛らわそうとしたのか、ヘロインやコカインなどの薬物に手を出すようになった。子供の頃の虐待に関して、リンゼイは一度も警察に通報しなかった。
さらにマイケルさんが殺害される前の2年間は、過去に度重なる性的虐待を受けていたにもかかわらず、リンゼイはドンカスターのバルビーにあるマイケルさんのアパートで一緒に暮らしていた。その理由をリンゼイは「家に祖父といるのは嫌だったが、薬物をやるため」と供述している。また法廷で「2か月に1回は性行為を強要された」と話したリンゼイだが、その見返りとしてマイケルさんからお金を受け取っていたようだ。
事件のあった日の午前中、リンゼイはセント・ジェイムズストリートにある自分のアパートで子供たちとプレゼントを開けたりして過ごしていたが、その後薬物を使用するためにマイケルさんのアパートへ向かった。台所にいると背後から近付いてきたマイケルさんに体を触られたリンゼイは、「いいだろう。いつも面倒見てやっているんだから。お前はワシの特別な孫だからな」と言われ、子供の頃の虐待が脳裏に蘇った。リンゼイはミートハンマーでマイケルさんを殴った後、ステーキナイフを掴んでマイケルさんの体をメッタ刺しにした。そして息絶えたマイケルさんの衣類を脱がせて全裸にし、漂白剤を注いで証拠隠滅を図ろうとした。その後、12歳の娘を連れてマイケルさんの衣服をゴミ廃棄場や川へ捨てに行った。
当初、殺人罪を否定し過失致死を認めていたリンゼイだったが、6月18日の公判では殺人罪を認めた。リンゼイは「被害者を杖で殴った」という検察官の指摘に対し、「ミートハンマーで殴りナイフを手にしたところまでは覚えているが、それ以降の記憶がない」と供述。しかし「祖父のすべてが嫌で死んでほしいと思っていた」と祖父への嫌悪を口にしており、ネットで毒殺についてリサーチをするほど、普段からマイケルさんを嫌い周囲に殺害をほのめかしていたという。
後の警察の捜査では、刺された時にできた穴の開いた上着がドン川から発見され杖も見つかったが、ナイフだけは発見されていない。4日間の公判では、リンゼイが子供の頃から性的虐待を受けたことにより、マイケルさんに対する激しい嫌悪を抱き続けてきたことが明らかになったが、検察側は「被告は金を容易に得るために被害者のアパートに行き、被害者を利用していた」「被害者はドラッグ依存の被告に支配されていた」と述べ、「もし被告が被害者に子供の頃に性的虐待を受けていたのなら、それは許し難いし最低だ。しかしだからといってこのような惨殺が許されるはずはない」と糾弾した。
画像は『Metro 2018年6月18日付「Woman who stabbed grandfather more than 120 times then covered body in bleach jailed」(Picture: PA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
サウス・ヨークシャー州ドンカスターに住むリンゼイ・フレッチャー(39歳)は2017年12月25日、血の繋がりのない祖父マイケル・イートンさん(72歳)の顔や頭、首などをステーキナイフで120回以上も刺し、殺害した。
この件について同州シェフィールドの刑事法院で行われた裁判では、リンゼイが5歳の頃からマイケルさんに性的虐待を受けていたことが明らかとなった。性的虐待はリンゼイが11歳ぐらいの時に一旦収まったが、2007年に祖母が他界し再び始まったという。その頃からリンゼイは苦悩を紛らわそうとしたのか、ヘロインやコカインなどの薬物に手を出すようになった。子供の頃の虐待に関して、リンゼイは一度も警察に通報しなかった。
さらにマイケルさんが殺害される前の2年間は、過去に度重なる性的虐待を受けていたにもかかわらず、リンゼイはドンカスターのバルビーにあるマイケルさんのアパートで一緒に暮らしていた。その理由をリンゼイは「家に祖父といるのは嫌だったが、薬物をやるため」と供述している。また法廷で「2か月に1回は性行為を強要された」と話したリンゼイだが、その見返りとしてマイケルさんからお金を受け取っていたようだ。
事件のあった日の午前中、リンゼイはセント・ジェイムズストリートにある自分のアパートで子供たちとプレゼントを開けたりして過ごしていたが、その後薬物を使用するためにマイケルさんのアパートへ向かった。台所にいると背後から近付いてきたマイケルさんに体を触られたリンゼイは、「いいだろう。いつも面倒見てやっているんだから。お前はワシの特別な孫だからな」と言われ、子供の頃の虐待が脳裏に蘇った。リンゼイはミートハンマーでマイケルさんを殴った後、ステーキナイフを掴んでマイケルさんの体をメッタ刺しにした。そして息絶えたマイケルさんの衣類を脱がせて全裸にし、漂白剤を注いで証拠隠滅を図ろうとした。その後、12歳の娘を連れてマイケルさんの衣服をゴミ廃棄場や川へ捨てに行った。
当初、殺人罪を否定し過失致死を認めていたリンゼイだったが、6月18日の公判では殺人罪を認めた。リンゼイは「被害者を杖で殴った」という検察官の指摘に対し、「ミートハンマーで殴りナイフを手にしたところまでは覚えているが、それ以降の記憶がない」と供述。しかし「祖父のすべてが嫌で死んでほしいと思っていた」と祖父への嫌悪を口にしており、ネットで毒殺についてリサーチをするほど、普段からマイケルさんを嫌い周囲に殺害をほのめかしていたという。
後の警察の捜査では、刺された時にできた穴の開いた上着がドン川から発見され杖も見つかったが、ナイフだけは発見されていない。4日間の公判では、リンゼイが子供の頃から性的虐待を受けたことにより、マイケルさんに対する激しい嫌悪を抱き続けてきたことが明らかになったが、検察側は「被告は金を容易に得るために被害者のアパートに行き、被害者を利用していた」「被害者はドラッグ依存の被告に支配されていた」と述べ、「もし被告が被害者に子供の頃に性的虐待を受けていたのなら、それは許し難いし最低だ。しかしだからといってこのような惨殺が許されるはずはない」と糾弾した。
画像は『Metro 2018年6月18日付「Woman who stabbed grandfather more than 120 times then covered body in bleach jailed」(Picture: PA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)