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【海外発!Breaking News】彫刻像を壊した5歳児 両親が損害賠償1,450万円を請求される(米)<動画あり>

TechinsightJapan 2018年6月22日 11時52分

芸術作品には時々、驚くべき高額なものがある。このほど米カンザス州で、コミュニティーセンターに設置されていた彫刻像を子供が破損し、その子の親は保険会社から高額な損害賠償を請求されてしまった。これに対し親は怒りを露わにしている。『The Kansas City Star』『Mirror』などが伝えた。

カンザス州に住むサラ・グッドマンさんは5月19日、夫や4人の子供と一緒に同州オーバーランドパークにあるトマホークリッジ・コミュニティーセンターへ結婚式に出席するため出向いた。しかし式が終わり帰ろうという時に、とんでもないアクシデントが起こってしまった。

結婚式はコミュニティーセンターの一室で行われており、サラさんは花嫁と花婿が部屋を出て来るまでドア付近に立っていた。その間、サラさんの5歳になる息子はセンター内を走り回り、壁際に設置されている彫刻像を触り始めた。

監視カメラの映像によると、男児は自分よりも背の高い彫刻像によじ登ろうとしている姿が映し出されている。しかし上半身部分に手が届かず、男児が像を掴んだり引っ張ったりしているうちにバランスが崩れて前に傾いてしまった。男児は倒れてくる像を押さえようとしたがうまくいかず、結局像は床に落ち男児もその上に倒れるという羽目になった。

この「Aphrodeite di Kansas City(アフロディーテ・ディ・カンザスシティ)」と題した像は、カンザスシティのアーティスト、ビル・リオンズさんにより小さな硝子の破片やその他の素材を組み合わせて作られたもので、完成に2年を要した芸術作品だった。一時的に市に貸し出されており、コミュニティーセンターに展示されていた。しかしそれが男児の行為により、著しく破損してしまったのである。

アクシデントの後、コミュニティーセンターに呼ばれた複数の警察がサラさんにも事情を聞き、監視カメラを確認したうえでこの件を民事問題とした。それゆえ保険会社を通してスムーズに問題が解決するのかと思いきや、その1か月後にサラさんは保険会社から手紙が届き、驚いた。手紙には「カンザス州の判例法では、あなたには幼い子供への監視責任があったにもかかわらずそれを怠り、育児放棄とみなされる。彫刻像は修復不可能な状態であり、132,000ドル(約1,450万円)の損害賠償費用を負担して頂きたい」という内容が記載されていたのだ。サラさんは地元メディアに怒りを露わにして、こう語った。

「あれは単なるアクシデントで、私は育児放棄などしていません。私たち夫婦は子供をきちんと見ています。とても行儀が良く、愛らしくて可愛い子供たちです。アクシデントが起こった時も、5歳の息子は像をハグしようとしたのでしょう。特にあの日は、多くの人がいて子供もセンターにたくさん来ていました。他の小さな芸術作品はショーケースに収められていましたが、あの像は保護されていませんでした。だからこうしたアクシデントだって起こってしまうものではないかしら。芸術作品の価値をないがしろにするつもりはありませんが、だいたいコミュニティーセンターにあのような危険な作品が置いてあること自体に問題があると思います。高額な作品ならばせめて『触らないで』という表示をすべきではないでしょうか。」

「息子はあの像が倒れてきたために、額に擦り傷や切り傷ができたんですよ。なのに市からは、誰一人として息子が大丈夫かどうかを尋ねる連絡もありません。アクシデントが起こった瞬間を見ていませんでしたが、床に落ちていた像のダメージはそんなに酷くはなかったと思います。私たちは損害賠償を支払うつもりはありません。」

アーティストのビルさんによると、この作品には保険がかけられていなかったようだ。大切な作品を壊されたことについて、責任の所在が男児の親にあるのか、安全な場所に管理していなかった市にあるのかということに関してビルさんはコメントを拒否したが、このように話している。

「あの作品は今までの中で一番力を入れたものでした。しかし像の後頭部は粉々になり、両腕の付け根部分も一部破損しました。酷い状態で元通りに修復するのは不可能です。作品にかかった時間を考えると、損害賠償を求めて然るべきだと思っています。」

一方でオーバーランドパーク市のスポークスマン、ショーン・レイリーさんは「通常、市の借り物は市の責任であり、市の所有物が破損した時には保険会社に請求の申し立てをする責任があります。今回の件も保険会社が解決してくれるとは思いますが」とメディアの取材に答えた。サラさん一家も保険会社が解決してくれることを願っているが、このニュースを知った人からは「親の管理不行き届きでこのアクシデントが起こったのに、保険会社が解決してくれるならいい責任逃れになるわね。『常に子供を見ている』って言っているようだけど、それだったらこんな事態にはならないでしょう」「これは保険会社が解決する責任を負うことになるよ。市が安全とは思えない場所に像を置いていて子供が怪我をしたんだから、もし子供の親が訴えたら親が勝訴するのは確実だな」「そもそもなんでその芸術作品が132,000ドルの価値があるってわかるんだ?」「でも監視カメラの映像を見る限り、親は全く子供の行動に注意を払っていないよね。親としてそれはどうかと思うけど」「なんでそんな高価な作品を、子供らが出入りするコミュニティーセンターなんかに置くのよ」「アメリカ人だからどうせ更なる訴訟問題とか起こすんだろう」といった声があがっている。



画像は『Mirror 2018年6月19日付「Mum hit with £100,000 bill after five-year-old son knocks over sculpture due to ‘negligence’」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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