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【海外発!Breaking News】デルタ航空、介助及びセラピー犬ピットブルの搭乗全面禁止へ 「取り消して」自閉症男児の母の切なる訴え

TechinsightJapan 2018年6月25日 21時44分

2016年から起こってきたペット同乗問題を考慮してデルタ航空は今年3月に新たなペットポリシーを設けたが、再び今月20日に全てのピットブル種の介助犬とセラピー犬の搭乗を7月10日以降禁じることを発表した。これを知った自閉症男児を持つ母親が、海外動物専門サイト『The Dodo』に思いを打ち明けた。

デルタ航空では、2016年から主に“セラピーアニマル”と称するペットの機内同乗に関しての苦情が84%も増加している。特にセラピー犬による客室での排泄問題やほかの乗客に噛みつく行為が問題となっており、2017年6月には男性客が隣に座っていた乗客が連れていた22kgのピットブル種のセラピー犬に2度も噛まれ、28針も縫う大怪我をした。この件は各地で大きく報じられたがさらに今年6月、2人のデルタ航空スタッフがセラピー犬のピットブルに噛みつかれるという事態も起こっている。

デルタ航空は今年3月、機内での安全を強化する目的として新たなペットポリシーを発表した。介助犬やセラピー犬を連れて搭乗する客は、予定フライトの少なくとも48時間前のペットの健康状態が記された書類や予防接種の証明書を提出することが求められるようになった。加えてペットが機内でおとなしくする(もしくはできる)ということを約束した署名を搭乗前にすることも義務付けられた。

さらに今回デルタ航空は、6月20日のプレスリリースで7月10日から全てのピットブル種の介助犬及びセラピー犬の機内同乗が禁止となる旨を新たに発表した。同航空側は声明文でこのように述べている。

「ピットブル種の犬を搭乗客のペットとして客室に置くには大きすぎるということと、これまでのセラピー犬が起こした問題を考慮しての結果です。弊社は機内での安全面を最優先しなければなりません。介助犬やセラピー犬を正当に必要としている人もいると理解しており、今回の決断は心苦しいものではありますが、きちんと訓練されていないピットブル種の犬はリスクが高すぎるのです。」

デルタ航空は、今回更新したペットポリシーで上記の新案を発表したほか、セラピー犬は乗客1名につき1匹まで許可する旨も発表している。これから搭乗の混雑が予想される夏に向けて、より一層の安全化を図ることが目的だということだ。しかし本当に犬をサポート的存在として必要としている人たちにとっては、この決断はやはり残念でならないようだ。リンダ・ヒッキーさんは13歳息子ジョニー君のことをこのように話している。

「息子は自閉症を抱えていて、日々セラピー犬であるピットブル“ゼナ”のサポートを必要としています。ゼナはフライトなどのストレスが溜まりやすい状況でも、息子を穏やかな気持ちに保ってくれるのです。」

リンダさんはゼナを連れてこれまでデルタ航空を2回利用したという。ゼナ(5歳)はもともと前の飼い主に飼育放棄され救助された犬で、セラピー犬になった。ゼナを連れたフライトは2回とも問題もなくスムーズに終えることができたという。

「セラピーアニマルとして正式に認められていないペットを機内に持ち込む人が増えたばかりに、息子のように本当に必要としている人が我慢を強いられなければなりません。ゼナは息子の親友ですが、もう今度からゼナを連れてデルタ航空には乗れないのです。ピットブルの搭乗を禁じるという新ポリシーに反対する人は大勢います。ピットブルは危険というステレオタイプの考えなのでしょうが、実際には素晴らしいピットブルの介助犬や、警察犬も存在します。この規約が取り消しになることを願っています。」

なおデルタ航空では毎日およそ700匹、年間にして約25万匹の介助犬およびセラピー犬を運んでいる。ちなみにデルタ航空の年間搭乗客は1億8千万人以上で、その中には七面鳥やフクロムササビ、蛇や蜘蛛などもセラピーアニマルとして同乗させようとする搭乗客もいるという。

7月10日から実施される新ペットポリシーのことを知った人からは、「ピットブルは急に攻撃してくるし危険だよ」「盲導犬以外のすべての動物を禁じるべきだと思う。ペットを機内に同乗させるのは間違っている」「襲った、噛んだという複数の前例があるのだからピットブル種の犬は禁じられて当然」「ちゃんと訓練されていないセラピー犬が多すぎるからこういう問題が起こるんだよね」「でもピットブル種だけを禁じるというのは間違っていると思う」といった声があがっている。

画像は『The Dodo 2018年6月21日付「Major Airline Bans Pit Bull Service Animals From Flights」(pxhere)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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