「どなたかアメリカ手話(ASL)を使える方はいらっしゃいませんか?」 米マサチューセッツ州ボストンからオレゴン州ポートランドに向かっていたアラスカ航空の機内で今月中旬、こんなアナウンスが流れた。『Alaska Airlines Blog』『CBS Los Angeles』などが伝えている。
ボストンに住む姉を訪ね、アラスカ航空を利用してポートランドへ向かっていたティム・クックさんは、盲目で耳にも障がいがある。客室乗務員は1人で搭乗してきたティムさんと何とかコミュニケーションを取ろうとしたがうまくいかず、機内アナウンスで乗客に助けを求めたのだった。
この要請にいち早く応えたのが、カリフォルニア州カラバサス在住のクララ・デーリーさん(15歳)で、彼女は母親ジェーンさんと一緒に旅をしていた。
クララさんはその時のことを次のように話している。
「客席についているコールボタンを押して、客室乗務員に手話ができることを話しました。ティムさんには水を届けたり、時間を教えてあげたりして指話(フィンガー・スペル)でやり取りを始めたのです。彼の手にアルファベットを一文字ずつなぞって会話したのですが、間違って伝わってしまわないかとても不安でした。でもその後1時間くらいやりとりをしました。彼は何かが必要というよりは、誰かと話がしたかったみたいです。おかげでティムさんが過去に営業マンだったことも知ることができたし、私の家族のことや将来の夢についても話をしました。」
実はクララさんはディスレクシア(発達性読み書き障がい)で、英語は大の苦手なのだそう。手話を始めたのは読み書きを必要としないからで、まだ習い始めて1年ほどしか経っていないという。
同じフライトでティムさんの近くに座っていたリネット・スクリブナーさんは、跪きティムさんと手話で話をするクララさんの様子をSNSに投稿し「嫌なニュースばかり聞くけど、世の中まだまだ捨てたもんじゃない。こんな心温まるニュースをみんな待っていたんだと思います」とコメントした。この投稿は瞬く間に拡散し、クララさんとアラスカ航空を称える声が多数寄せられた。
またある客室乗務員は「話し相手ができたティムさんはとても嬉しそうでした。クララさんはまるで“エンジェル”のようでした」と『Alaska Airlines Blog』でコメントしている。
クララさんは当初予定していたフライトがキャンセルとなり、急遽ボストンからポートランド経由でロサンゼルスへ向かうことになったのだが、「彼を助けることができるように、フライトがキャンセルになったんだと思います。決して偶然ではないわ…」と愛嬌たっぷりに語り、「私がしたことは誰でもできること。当然のことをしたまでよ」と全米のメディアから注目を浴びていることに驚いている様子だった。
一方で飛行機を降りたティムさんは、現在住んでいるシニアハウス「Brookdale Senior Living」の関係者の出迎えを受け、「今までの中で最高の旅行だったよ」と興奮気味だったという。
なおイギリスには、ティムさんのように盲目で聴覚障がいがありながらも、17年間で125か国を旅した男性がいる。障がいをものともせず果敢に旅を続ける姿には、多くの人が勇気づけられている。
画像は『Alaska Airlines Blog 2018年6月22日付「Heartwarming inflight experience proves everything happens for a reason」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
ボストンに住む姉を訪ね、アラスカ航空を利用してポートランドへ向かっていたティム・クックさんは、盲目で耳にも障がいがある。客室乗務員は1人で搭乗してきたティムさんと何とかコミュニケーションを取ろうとしたがうまくいかず、機内アナウンスで乗客に助けを求めたのだった。
この要請にいち早く応えたのが、カリフォルニア州カラバサス在住のクララ・デーリーさん(15歳)で、彼女は母親ジェーンさんと一緒に旅をしていた。
クララさんはその時のことを次のように話している。
「客席についているコールボタンを押して、客室乗務員に手話ができることを話しました。ティムさんには水を届けたり、時間を教えてあげたりして指話(フィンガー・スペル)でやり取りを始めたのです。彼の手にアルファベットを一文字ずつなぞって会話したのですが、間違って伝わってしまわないかとても不安でした。でもその後1時間くらいやりとりをしました。彼は何かが必要というよりは、誰かと話がしたかったみたいです。おかげでティムさんが過去に営業マンだったことも知ることができたし、私の家族のことや将来の夢についても話をしました。」
実はクララさんはディスレクシア(発達性読み書き障がい)で、英語は大の苦手なのだそう。手話を始めたのは読み書きを必要としないからで、まだ習い始めて1年ほどしか経っていないという。
同じフライトでティムさんの近くに座っていたリネット・スクリブナーさんは、跪きティムさんと手話で話をするクララさんの様子をSNSに投稿し「嫌なニュースばかり聞くけど、世の中まだまだ捨てたもんじゃない。こんな心温まるニュースをみんな待っていたんだと思います」とコメントした。この投稿は瞬く間に拡散し、クララさんとアラスカ航空を称える声が多数寄せられた。
またある客室乗務員は「話し相手ができたティムさんはとても嬉しそうでした。クララさんはまるで“エンジェル”のようでした」と『Alaska Airlines Blog』でコメントしている。
クララさんは当初予定していたフライトがキャンセルとなり、急遽ボストンからポートランド経由でロサンゼルスへ向かうことになったのだが、「彼を助けることができるように、フライトがキャンセルになったんだと思います。決して偶然ではないわ…」と愛嬌たっぷりに語り、「私がしたことは誰でもできること。当然のことをしたまでよ」と全米のメディアから注目を浴びていることに驚いている様子だった。
一方で飛行機を降りたティムさんは、現在住んでいるシニアハウス「Brookdale Senior Living」の関係者の出迎えを受け、「今までの中で最高の旅行だったよ」と興奮気味だったという。
なおイギリスには、ティムさんのように盲目で聴覚障がいがありながらも、17年間で125か国を旅した男性がいる。障がいをものともせず果敢に旅を続ける姿には、多くの人が勇気づけられている。
画像は『Alaska Airlines Blog 2018年6月22日付「Heartwarming inflight experience proves everything happens for a reason」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)