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【海外発!Breaking News】障害児を抱える夫婦、高額な医療費で「もう離婚するしか手段がない」(米)

TechinsightJapan 2018年7月15日 21時30分

アメリカの医療費が高額であることは周知の事実だが、このほど障害児を抱える夫婦が度重なる高額な医療費の支払いに悩み、「離婚」を検討しているという。『TODAY』『abc7NY』など複数のメディアが伝えた。

テキサス州に暮らすジェイク・グレイさんとマリアさんは9年前に結婚し、現在は2歳のフェアレンちゃんと6歳のブライトンちゃんの2人の娘を育てている。夫婦として幸せに過ごしているジェイクさんとマリアさんだが、「離婚」を検討しているというのだ。その理由は、障害を抱えるブライトンちゃんの高額な医療費だった。

ブライトンちゃんは、4番染色体の異常により多発奇形や成長障害、重度の精神運動発達遅滞や知的障害を生ずる「ウォルフヒルシュホーン症候群」という遺伝子疾患を持って生まれ、視聴覚障害や難治性てんかんも抱えている。6歳になっても全てにおいて新生児と変わらない状態のブライトンちゃんには、24時間つきっきりのケアが必要だ。その医療費は高額で、夫婦は米連邦政府が設けた低所得者のための公的医療保障制度「Medicaid(メディケイド)」に申し込んだが、陸軍退役軍人のジェイクさんは年収4万ドル(約450万円)であることから援助を認めてもらうことはできなかった。そこでジェイクさんはテキサス州保健福祉省に助けを求めたものの待つ人が多く、支援を受けられるようになるのは「6万番目」と知った。しかしその間も、ブライトンちゃんのための医療費の支払いはかさむ。経済的に逼迫した状態になったジェイクさんとマリアさんは、愛し合っている夫婦にもかかわらず「離婚」という選択肢を迫られているのだ。

「親であれば、我が子のためにどんなことでもしてやりたいと思うでしょう。本来ならば子供の医療費を支払うために親が犠牲を払うべきではないと思います。ですが私たちが離婚すれば、私は独身で無職ということになりますから、Medicaidの援助を受ける資格を持つことができるのです。ブライトンが今後も必要なケアを受け続けるため、Medicaidの援助を受けるためにも、もう離婚しか選択肢がないのではと考えています。」

家族はジェイクさんの仕事柄、プライベートの健康保険に加入している。しかしそれでもブライトンちゃんの医療費をカバーできず、毎年15,000ドル(約170万円)ほどの支払いがあるという。ジェイクさんは「高額な医療費が私たちを苦しめています。何とかやりくりして払い続けてきましたが、今はもうどうにもならず、離婚という選択しかないところまで追いつめられてしまいました。離婚するなんて道徳的に間違っていると思うし矛盾を感じますが、もうどうしていいかわかりません」と苦しい胸のうちを明かす。

ジェイクさんとマリアさんは、他の家族も同じような境遇で苦しい状況に立たされていることを聞いたようだ。だからこそ敢えてメディアで現状を訴え、州に対しての注意喚起を促したとも話している。

「私たちは寄付を集めようとは思っていません。クラウドファンディングサイト『GoFundMe』でアカウントを立ち上げようとも思っていません。親族や見知らぬ人からのお金を望んでいるわけではないのです。あくまでも州に援助をしてもらいたいと願っています。私たちのような境遇にある家族に、必要な手当てを与えてほしいのです。」

今回の訴えが、自分たちと似たような境遇で日々葛藤している家族への励みにもなればと言うマリアさんは、最後に涙ぐみながらこのように語った。

「ブライトンは純粋で美しい魂を持った子供です。この子を授かった私たちは幸せですし、娘は何にも代えがたい宝物です。だから娘にも約束して夫婦で誓い合いました。ブライトンの命が続く限り、どんなことがあっても娘の人生を守ってやると。」

ジェイクさんとマリアさんが、ブライトンちゃんのため、そして愛する家族のために「離婚」という選択肢以外で救われる道があることを願わずにはいられない。

画像は『TODAY 2018年7月11日付「Happily married couple considers divorce to pay for daughter’s health care costs」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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