Infoseek 楽天

【海外発!Breaking News】「テロリストにチップは払わない」ウェイターの名前で差別した客を入店禁止に(米)

TechinsightJapan 2018年7月26日 21時27分

どこへ行っても人種差別、宗教上の差別はあとを絶たない。このほど米テキサス州である男性ウェイターが、サービスした客に勘違いをされ「テロリストにチップは渡さない」と書いたレシートを残された。ショックを受けた男性がこの件をFacebookに投稿するとたちまち拡散した。『CBS News』『YourBasin』『Metro』などが伝えている。

テキサス州オデッサのレストラン「ソルトグラス ステーキハウス(Saltgrass Steak House)」で勤務しているウェイターのカリル・カヴィルさん(20歳)は、7月14日にショッキングな経験をした。

サービスしたあるテーブル客が去った後、残されていたレシートを見てカリルさんは愕然となった。客は食事代金108.73ドル(約12,000円)を支払ったのみで、レシートのチップ欄には大きく「0」と記入されていた。それだけでなく、レシートにタイプされてあったカリルさんの名前をペンで丸く囲み「テロリストにチップは渡しません」と記されていたのだ。カリルさんはこの件を自身のFacebookアカウントに投稿し、このように綴った。

「一瞬、どうすればいいのか、何を言えばいいのかわかりませんでした。不快な気持ちで吐き気がしたほどです。この件をシェアすることにしたのは、みなさんに人種差別や嫌悪がまだ世間には存在するということを知ってもらいたかったからです。差別は今に始まったことではありませんが、僕は自分の信念を試されている気持ちになりました。こんな時、イエス・キリストならどうなさるだろうと思いました。キリストにネガティブな経験を前向きに生きる糧にしなさいと伝えられた気持ちになりました。だから勇気を出して世の中を変えたいという気持ちを示すには、こうして投稿することが一番だと思えたのです。」

カリルさんの投稿はあっという間に拡散し、多くの人が励ましのメッセージを寄せた。中には貰えなかったチップの代わりにと、いくらかのお金を送ってくれた人もいたようだ。カリルさんは18日にFacebookを更新し、送ってもらったお金は地元の教会へ寄付すると伝え、自分を支えてくれる家族やメッセージをくれた多くの人々へ改めて感謝の気持ちを綴った。

「みなさん、温かいサポートを本当にありがとう。ですがこれだけははっきりとさせておきたいのです。投稿は決してチップやお金のことが問題ではありません。世の中から差別を少しでもなくし、神の愛をシェアすることが大切だと伝えたかったのです。問題を口にして、初めて私たちは問題が実在すると認識し、世の中に変化が起こっていくものだと僕は思っています。」

客の名前の公表をカリルさんは拒否しているが、後の米メディアの取材で「僕の名は父が陸軍兵だった時に親しくなった戦友の名前で、後に事故死したのですが彼への思いもあって父が名付けてくれたのです」と話している。カリルさん自身や彼の家族は中東出身者ではないそうだ。

また、この件を知った「ソルトグラス ステーキハウス」の総支配人テリー・ターニーさんは、このレシートを書いた客を入店禁止にしたことを明かし「当店は従業員を完全にサポートしています。いかなる差別も受け入れることはできません」と述べている。

このニュースを知った人からは「このレシートの内容からして、『テロリストにはチップはやりたくないがサービスはしてもらいたい』ってことだよね。何なのそれ」「こういうメモを残すなんてひどいな」「世の中みんな違う人種だろ? それが当たり前なのになんでこんなに嫌悪感丸出しにするんだ。こういう社会は変わらなきゃダメだ」「この客、人種差別者というよりも単なる無知という感じがする」といった声があがっている。

画像は『CBS News 2018年7月19日付「Customer who left “we don’t tip terrorist” message banned from Texas restaurant」(FACEBOOK/KHALIL CAVIL)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

この記事の関連ニュース