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【エンタがビタミン♪】<高見沢俊彦インタビュー>王子キャラには「自分で寄せています」

TechinsightJapan 2018年7月27日 20時0分

昨年ソロ活動25周年を迎えた高見沢俊彦(THE ALFEE)が、約3年ぶりのソロシングルを7月25日に「Takamiy」名義でリリースした。その新曲『薔薇と月と太陽~The Legend of Versailles』は、“王子”のニックネームで親しまれる高見沢の真骨頂ともいえる楽曲だ。テックインサイトでは高見沢にインタビューを実施、じっくり話を聞いた。

■新曲は、中世と現代の時空を越えたラブソング
―今回の新曲はどのようなコンセプトで生まれたものですか。
高見沢俊彦:ルイ14世の時代から含めたベルサイユ宮殿の歴史がありますが、そこで繰り広げられていた貴族たちの饗宴がすごく面白いなと。当時の貴族は、結婚するまで恋愛の自由がなかったらしいんですよ。結婚してから恋愛の自由が生まれる。逆転現象ですよね。だから王様の愛人は“夫人”が多いでしょ? みんな不倫だらけですよ。禁断の愛の巣窟、それがベルサイユ宮殿でそれも面白いなと。男と女の関係や恋をするのは、中世の時代も現代も変わらない。サビではベルサイユ宮殿で繰り広げられていた禁断の恋を表現して、Aメロでは現代の危険な恋に惹かれる男女をリンクさせて、時空を超えたラブソングを作ろうと。この構想は2月に行ったフィレンツェで生まれました。『another sky-アナザースカイ-』(日本テレビ系)のロケがあって行ったんですが、フランスのことを歌っているのにイタリアで思いつきましたね。

―タイトルの『薔薇と月と太陽』は、薔薇=赤、月=青、太陽=白でトリコロールを表しているそうですが。
高見沢:トリコロールに合わせて、赤・青・白の世界ですね。ミュージックビデオはそのように作ってあります。

■どこから切ってもTakamiyにしたい
―曲もミュージックビデオも世界観が高見沢さんならではですよね。
高見沢:そうですよね。どこから切っても高見沢、Takamiyというものを作ろうという気持ちではありましたね。誰が見ても誰が聞いても高見沢と分かるようにしたいなぁと。



■『ベルばら』池田理代子さんにジャケットをオファー
―初回限定盤Aの池田理代子さんが手がけたジャケットが華麗です。
高見沢:「ベルサイユ宮殿」と「薔薇」が出てくると(漫画『ベルサイユのばら』の作者)池田理代子さんが頭に浮かんだので、曲とイメージだけは先にお聞かせして恐る恐るオファーして、快諾していただきました。

―池田理代子さんと言えば、THE ALFEEデビュー30周年の『THE ALFEE 30th ANNIVERSARY HIT SINGLE COLLECTION 37』(2004年)のジャケットではTHE ALFEE 3人を描いていらっしゃいますね。
高見沢:10年以上経っていますからね、あの時よりもちょっと大人になって。3人のときのバージョンとはちょっと違う感じで、今回は剣も持って、よりリアルな感じで。先生に原画も見せていただいたんですけど、やっぱり素晴らしいですね。



■王子キャラには自分で寄せています
―他のジャケットも王子の高見沢さんが全開ですが、すっかり“王子”が定着しましたね。
高見沢:王子じゃないですけどね。自分では全然そこまで思っていないんです。周りがそう言っているのに、自分で寄せていますね(笑)。

―最初に「王子」と呼んだのは吉田拓郎さんですか?
高見沢:拓郎さんですね。『T×2 SHOW』(吉田拓郎とともにMCを務めたテレビ番組/2000~2002年)からですね。それでスタッフが言うようになって、それがどんどん浸透していった感じです。それまで言われたことがなかったんですけどね。だって、王子というのは若者ですよ! 僕の場合は冷やかし半分ですからね。そこは自分でも遊んでいますね。



■『霧に消えたロゼレア』はフランスにぴったり
―新曲の初回限定盤はA、B、Cと3タイプですが、それぞれ別の曲が収録されています。Aに入っている『霧に消えたロゼレア』は、BEAT BOYSのセルフカバーですが、なぜこの曲を選んだのですか?
高見沢:歌詞の中に「Je t’aime(ジュテーム)」が出てくるので。フランスなので、一応(笑)。単純な理由ですね。この曲はフランス観光親善大使に任命されて、2015年にパリにファンの方たちと行ったときに、向こうで歌った曲でもあるんですね。フランスに合うなあと。

■詞も曲も完璧な『哀愁トゥナイト』
―では初回限定盤Bの『哀愁トゥナイト』(桑名正博/1977年)はいかがですか。
高見沢:この曲は僕はずっと好きで。『ロックばん』(TBSラジオ/高見沢のラジオ番組)でカラオケ大会があって歌ったら、行けるかもということで、今回アコースティックバージョンでアレンジし直してやってみたんですが、キーもぴったりでしたね。松本隆さんと筒美京平さんの曲なので、詞も曲も完璧ですね。

■聴けば聴くほど好きになる『太陽はもう輝かない』
―初回限定盤Cはウォーカー・ブラザーズの『太陽はもう輝かない』のカバーです。
高見沢:ウォーカー・ブラザーズは、僕が小学生から中学にかけてすごい人気だったんですよね。日本に来たときもよくテレビに出ていて、ボーカル2人とドラムという不思議な編成だったので記憶に残っているんです。聴けば聴くほどこの曲が好きになって、シングルも昔のを含めて持っていますね。

―実際に彼らのライブを観たことはあったのですか。
高見沢:いや、なかったですね。1967年の2月に来日して、5月に解散を発表しちゃうんですよ。でも日本のファンもすごく多かったので、1968年の1月に日本でコンサートをしたんですよ。そのときに2枚組のライブアルバムを出したので、それは持っています。

―そうすると、今回のカバーは思い入れもひとしおだったのではないですか。
高見沢:スコット・ウォーカーと比べると声の質が全然違うんですよ。だから喉を壊す前だったら絶対に歌えなかったなと。スコット・ウォーカーはすごく歌の上手い方だったので、その域に達せるかどうかは疑問ですけど、負けないように頑張りました。

―そうしますと、喉を壊したのは悪いことばかりではなかったわけですね。
高見沢:そうですね。自分の未熟さに気が付きましたね。ツアーがあと4本で終わるときに、風邪でもなくただ喉が壊れてしまって。夏のイベントまでに治さないといけないですし、40周年の年でしたので、精神的にも肉体的にも余計きつかったですね。『太陽は…』も思った以上に楽に歌えるようになったので、そこは自分の喉に対する基本的姿勢が変わったのは良かったかもしれませんね。



■奇跡じゃなくて現実です(笑)
―歌声と言いますと、今年の春のツアーを拝見しても、衰えるどころかパワーアップしているようにも感じます。THE ALFEEが長年アクシデントもなく、3人そろって活動し続けているのは奇跡のようにも思えます。
高見沢:奇跡じゃなくて現実ですけどね(笑)。僕は喉を壊してから意識的に歌い方を変えて、筋トレもして(ボーカルが)安定するようにしています。声の出し方として喉をつぶすようなことはしなくなりましたから、歌い方を変えたというのは大きかったかな。

―先日THE ALFEEが受賞した『ベストプラチナエイジスト』も長年続けている3人ならではの賞ですね。
高見沢:60歳以上で輝いている人に贈る賞だったので、そういうことならお受けしようかなということでいただいたんですけどね。やはりバンドで休みなく45年やっているのは僕らぐらいしかいないみたいなので、そこは評価していただいたのかなと思います。

■秋のツアーで通算本数2,700本に。3,000本目指します!
―今年はTHE ALFEE結成45年の年ですが、後半はどのようになりそうですか。
高見沢:とりあえず秋の全国ツアーの「秋ノ巻」ですかね。「春ノ巻」が終わって、通算コンサート本数が2,690本だったんですよ。あと10本で2,700本になりますが、この秋のツアーの東京国際フォーラム(10月20日)で迎えられるのが楽しみですね。こうなったら3,000本目指しますよ。

THE ALFEEは、7月28日・29日に夏のイベント『THE ALFEE 45th Anniversary Summer Best Hit Alfee 2018 夏ノ巻 Château of The Alfee』を横浜アリーナにて開催。高見沢俊彦ソロとしては新曲を引っ提げて9月1日・2日に『Takamiy 2018 Metal of Renaissance』をパシフィコ横浜・国立大ホールにて開催する。今年の夏も高見沢にとってとびきり“熱い”夏となりそうだ。



(TechinsightJapan編集部 関原りあん)

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