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【海外発!Breaking News】視聴覚障害の男性、盲導犬協会から「太らせすぎ」と犬を奪われる危機に(英)

TechinsightJapan 2018年8月2日 21時41分

盲目で聴覚障害のある高齢の男性が唯一頼りにしているのは、6年間一緒に暮らしてきた盲導犬だった。ところが盲導犬協会から「餌をやり過ぎて太らせた」という理由で犬を取り上げる通達を受けた男性は、途方に暮れた心情をメディアで吐露した。『real fix』『Metro』などが伝えている。

英ケント州メードストンに暮らすデリック・ビールさん(82歳)は、稀な遺伝子疾患とされるアッシャー症候群を抱えており、20年前から視力を失い始めた。15年前に妻に先立たれたデリックさんには息子が1人いるが、仕事で家を空けることが多く、生活に頼りになるのは6年前から飼っているゴールデン・レトリバーの盲導犬“パディ”(8歳)だった。

ところが最近になってパディを派遣した盲導犬協会からデリックさんに通達があり、パディを奪われることが決まった。盲目のデリックさんは、どれほど餌を与えているのかが分からないため犬が肥満になってしまったからだという。しかしデリックさんはこのように話している。

「パディは決して肥満というわけではありません。動物病院では少し太っていると言われましたがそれ以外には健康になんの問題もないのです。通りがかりの人がパディにおやつを与えたりするので、体重が増加してしまったんでしょう。なのに私から取り上げると盲導犬協会は言っています。パディを奪う代わりに他の犬を与えてもくれないし、なんの助けもしてくれません。」

「犬を奪われてしまうのは、私が高齢者だからではとも思います。確かに私はもう以前のように走ることなどできませんが、犬がいればまだ動き回ることはできます。犬は私にとって最も大切な存在です。特にパディは6年も一緒に過ごしてきて、盲導犬である以上に私の人生の一部であり、素晴らしい仲間なのです。パディを奪われてしまうと私は家を出ることができず、まるで刑務所の服役囚のようになってしまいます。私は盲導犬協会に30年も携わり、ボランティアにも励んできました。それなのにこのような対応をするなんて、盲目で耳も聞こえない私にとっては残酷すぎます。」

デリックさんはパディを奪われないためにはどんなことでもしたいという気持ちがあり、「もし1か月の猶予を与えられるなら、パディの体重を減らすよう努力する」とまで語っている。英国王立盲人協会にも連絡をしたが返事がなかったようで、現在は仕事で留守にしている息子の帰りを待って、サポートを得た時点で再び盲導犬協会側に直訴するようだ。

これに対して盲導犬協会側は「個人のケースについてはコメントできない」としながらも、このように語った。

「メードストンの男性に関しては、困難な決断でした。我々は時に、様々な理由により盲導犬を飼い主から引き離さなければなりません。飼い主がそれを不公平に感じ、メディアに訴えるのも特に珍しいことでもありません。飼い主にとってこうした対応が、非常に苦しいものであることは我々も理解していますが、それ以外の選択肢に尽き果てたうえでの苦渋の決断であり、結果を出すまでに長い時間をかけているのです。これ以上のことは申し上げられません。」

なお協会側は、今回の件が犬の体重を考慮したがための対処であるか否かに関しては容認も否定もしていない。

このニュースを知った人からは「選択肢が尽きたというのは嘘よ。盲目で耳も聞こえないデリックさんが犬を失えばどれだけ生活に困るかわかってることでしょう。せめて他の犬を提供するなどの選択肢はあるはずよ」「でもお金をかけて訓練された盲導犬って、通行人からおやつなどを貰ったりはしないよね。やっぱりデリックさんが、犬の餌の量に気を付けていれば体重は増えないんじゃないかな。そう思うと、犬を肥満にさせる飼い主に責任があるのであって、太らせたら飼育放棄で身勝手ってことになると思うけど」「障害者だけでなく誰であっても、やはり犬を飼うからには責任をもって然るべきでは」「盲導犬協会側も、訓練した盲導犬を保護してケアするという責任があるだろうから、この決断は仕方のないことなんじゃないか」「でもそれだったら減量させるようにアドバイスするとか方法はあるはず。なにも奪わなくてもいいんじゃないの」「盲導犬と飼い主の間には深い絆だってあるに違いないから、こんな形で奪われることは気の毒だ」といった声があがっている。

画像は『real fix 2018年7月27日付「A Blind-Deaf Widower Is Having His Guide Dog Taken Away – Because The Dog Has Got Too FAT」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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