親にとって子供に先立たれることほど辛いものはない。しかし我が子が末期の病を抱え、痛みに苦しみながらかろうじて生きている姿を目の当たりにしなければならないとしたら、そして辛さに耐えかねた我が子が「死」を望んだら、どう選択すべきだろうか。このほどベルギーで、安楽死した子供の年齢が9歳と11歳であったことが発表された。これまでの記録上、安楽死された最も若い患者になったようだ。『Mirror』『Washington Post』などが伝えている。
安楽死を合法化したベルギーでは、国内だけでなく海外からも安楽死を求めてやってくる人は多い。しかし安楽死が施行されるには、医師により心理カウンセリングや様々なプロセスが必要だ。最も重要なことは「耐えがたい痛みが持続し治療回復の見込みがない」「心身ともに苦痛を味わっている」「本人に死の意思がある」ということである。
2016年1月1日から2017年12月31日までの間に、ベルギーでの安楽死を望んだ人は4,337人であり、ほとんどががん患者だったという。しかしその中に3人の子供が含まれていたことを、7月11日に発行された「CFCEE(ベルギーの安楽死を規制する委員会)」の新たな報告書により明らかとなった。
安楽死した子供の年齢は、17歳、11歳、そして9歳だ。オランダでは12歳以上の安楽死が認められているが、2014年に法改正されたベルギーではいかなる年齢であっても医師は命を絶つことが合法的に可能となった。2016年から2017年の間に行われた11歳と9歳の子供の安楽死は、世界で最も若い事例になったようだ。17歳の子供はデュシェンヌ型筋ジストロフィー、11歳の子供は嚢胞性線維症、9歳の子供は脳腫瘍を患っていたようで、いずれも末期の病で激しい痛みを伴っていたことが分かっている。
成人同様に子供の安楽死も児童心理学者による検査が行われ、周囲ではなく本人の意思により死を望んでいるかどうかが確認される。しかし両親は、子供の願いを覆すことも可能だそうだ。子供は安楽死についてきちんと認識しており、それを望むという旨を書面に記す必要もあるという。また患者は、絶え間なく続く緩和不可能な耐え難い痛みを抱えて絶望的な状況にあり、短期で死に至るということを証明しなければならない。そしてこれらの条件を満たしている患者にのみ、医師による薬物投薬で安楽死が行なわれる。
CFCEEメンバーのLuc Prootさんは、若者の安楽死が法的に認められ施行されたことについて「精神的、肉体的な苦しみは圧倒的であり、安楽死の選択は良いことだと思っている」と述べている。なお、3人の子供についての身元は一切明かされていない。
このニュースを知った人からは「幼い子供たちが病に苦しんで、死を望むまでになるなんて…心が痛むわ。親も相当辛い決断だったと思う」「尊厳を持って死ぬことができるから、私は安楽死に賛成しているよ」「我が子が末期の病で苦しんでいても、安楽死に反対だったら子供が最後まで苦しんで命を終えるのを見なきゃならないってことよね。いくらモルヒネで痛みを緩和しても、やっぱり持続する痛みは耐え難いと思う。それなら子供を楽にしてやりたいと私なら思ってしまう」「悲しい、ただ悲しすぎる。10歳そこそこの子供が、どれほどの痛みを抱えて生きてきたのかと思うと…どんな結果でも、幼くして命を失くすのはやりきれない」「個人の意思を選択・尊重するという意味では、安楽死もありだと思う」「痛みを抱えながら生き続けることほど辛いものはないだろうから…安楽死を選んだのは、間違いではなかったんだろうね」といった声があがっている。
画像は『Mirror 2018年8月8日付「Two children aged nine and 11 become youngest in world to be euthanised」(Image: iStockphoto)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
安楽死を合法化したベルギーでは、国内だけでなく海外からも安楽死を求めてやってくる人は多い。しかし安楽死が施行されるには、医師により心理カウンセリングや様々なプロセスが必要だ。最も重要なことは「耐えがたい痛みが持続し治療回復の見込みがない」「心身ともに苦痛を味わっている」「本人に死の意思がある」ということである。
2016年1月1日から2017年12月31日までの間に、ベルギーでの安楽死を望んだ人は4,337人であり、ほとんどががん患者だったという。しかしその中に3人の子供が含まれていたことを、7月11日に発行された「CFCEE(ベルギーの安楽死を規制する委員会)」の新たな報告書により明らかとなった。
安楽死した子供の年齢は、17歳、11歳、そして9歳だ。オランダでは12歳以上の安楽死が認められているが、2014年に法改正されたベルギーではいかなる年齢であっても医師は命を絶つことが合法的に可能となった。2016年から2017年の間に行われた11歳と9歳の子供の安楽死は、世界で最も若い事例になったようだ。17歳の子供はデュシェンヌ型筋ジストロフィー、11歳の子供は嚢胞性線維症、9歳の子供は脳腫瘍を患っていたようで、いずれも末期の病で激しい痛みを伴っていたことが分かっている。
成人同様に子供の安楽死も児童心理学者による検査が行われ、周囲ではなく本人の意思により死を望んでいるかどうかが確認される。しかし両親は、子供の願いを覆すことも可能だそうだ。子供は安楽死についてきちんと認識しており、それを望むという旨を書面に記す必要もあるという。また患者は、絶え間なく続く緩和不可能な耐え難い痛みを抱えて絶望的な状況にあり、短期で死に至るということを証明しなければならない。そしてこれらの条件を満たしている患者にのみ、医師による薬物投薬で安楽死が行なわれる。
CFCEEメンバーのLuc Prootさんは、若者の安楽死が法的に認められ施行されたことについて「精神的、肉体的な苦しみは圧倒的であり、安楽死の選択は良いことだと思っている」と述べている。なお、3人の子供についての身元は一切明かされていない。
このニュースを知った人からは「幼い子供たちが病に苦しんで、死を望むまでになるなんて…心が痛むわ。親も相当辛い決断だったと思う」「尊厳を持って死ぬことができるから、私は安楽死に賛成しているよ」「我が子が末期の病で苦しんでいても、安楽死に反対だったら子供が最後まで苦しんで命を終えるのを見なきゃならないってことよね。いくらモルヒネで痛みを緩和しても、やっぱり持続する痛みは耐え難いと思う。それなら子供を楽にしてやりたいと私なら思ってしまう」「悲しい、ただ悲しすぎる。10歳そこそこの子供が、どれほどの痛みを抱えて生きてきたのかと思うと…どんな結果でも、幼くして命を失くすのはやりきれない」「個人の意思を選択・尊重するという意味では、安楽死もありだと思う」「痛みを抱えながら生き続けることほど辛いものはないだろうから…安楽死を選んだのは、間違いではなかったんだろうね」といった声があがっている。
画像は『Mirror 2018年8月8日付「Two children aged nine and 11 become youngest in world to be euthanised」(Image: iStockphoto)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)