昨年10月、米ニュージャージー州に住むケイト・マックルーさん(28)がフィラデルフィアの高速道路でガソリン切れをおこした。その時、持っていた20ドルでガソリンを購入し窮地を救ってくれたのは、高速道路脇で1年半ほどホームレスをしているジョニー・ボビットJrさん(35)だった。あれから10か月、ケイトさんとジョニーさんの関係は目まぐるしく変化していった。『Philadelphia Inquirer』『Inside Edition』などが伝えている。
ホームレスのジョニーさんからなけなしのお金で助けてもらったケイトさんはその後、借りた20ドルを返金し、衣類や食料を差し入れするなどしてジョニーさんと急速に親しくなった。そして話をするうちに、ジョニーさんがノースカロライナの出身であること、海軍の弾薬技術者や救急隊員として働いていたこと、恋人と破局してドラッグにはまり転落の人生を歩んできたことなどを知り、なんとか家に住むことができるようにと恋人のマークさんと寄付金サイト『GoFundMe』にアカウントを設置した。
ジョニーさんの話は多くのメディアで取り上げられ、目標額10,000ドル(約110万円)に対し、9か月で402,706ドル(約4,480万円)が集まり、14,347人がジョニーさんのためにと寄付をした。ケイトさんは『GoFundMe』のサイトで多額の寄付が集まったことに感謝の言葉を述べ、お金の管理に関しては弁護士やファイナンシャルアドバイザーを雇うことを約束していた。
しかしここにきて、ジョニーさんが「お金をほとんど手にしていない。またホームレスに戻ってしまった」と主張したことから『GoFundMe』では調査を開始した。ジョニーさんには弁護士が付き、ケイトさんやマークさんに対して闘う姿勢をみせている。
ジョニーさんの弁護士クリス・ファロン氏は「集まった40万ドルのうち、ジョニーが受け取ったのは75,000ドルにすぎません。3万ドルは手数料として『GoFundMe』に支払っているはずですから、残り30万ドルほどがジョニーの手に渡るはずです」と語ると、このように続けた。
「まず、カップルがジョニーに購入したのは、約束した家ではなくキャンピングカーでした。キャンピングカーはケイトさんの自宅の車道に置かれましたが、その間に改めて食事やお金が与えられることはなかったようです。彼はキャンピングカーに今年の6月まで住んでいましたが、その後はホームレスに戻ってしまいました。2人はジョニーが運転するようにと中古のSUVも購入したようですが、結局壊れてしまったようです。ジョニーは出身地であるノースカロライナに戻りたいと主張し、2台の車は売却されたということです。」
「ただ、2人はジョニーがドラッグに手を出していることに気付いていて、それでお金を渡さなかったのだと思います。それでも14,000人以上が彼のためにと寄付したお金ですから、きちんと管理することが必要です。」
これに対しケイトさんらは「キャンピングカー、SUV、ジョニーが落ち着くまでのホテル代、携帯電話、テレビなどでたくさんのお金が消えていきました。ジョニーには最初25,000ドルを渡しましたが、彼は2週間で使い切ってしまったのです。全てドラッグを買うためです。40万ドルのうち半分はジョニーのために使いましたが、後の20万ドルは彼が仕事を持ち、ドラッグを完全に断った時に渡そうと思っています。今の彼にお金を渡したら、弾丸を込めた銃を渡すのと一緒でしょう」と反論している。
『Philadelphia Inquirer』によると、ケイトさんとマークさんは新車のBMWを購入し、フロリダ、ロサンゼルス、ラスベガス、そしてグランドキャニオンへの旅行、さらに空港からリムジンを使ったり、26万円もするようなニューイヤーズ・イブのパーティーにも参加していたという。ジョニーさんは「マークはギャンブルに相当お金をつぎ込んでいるみたいだし、大工と受付係の給料ではこれだけのバケーション費用を払えないのでは?」と語り、彼らが寄付金を使い込んでいるのでは―と疑っているようだ。ケイトさんは「寄付金をバケーションに利用していない」と主張しているが、約10万ドルの使い道は明らかになっていない。
「あの2人からお金をもらうのは大変なんだ。食事やドラッグのほうがよっぽど簡単に手に入るよ。」
そう語るジョニーさんは、今も昨年と同じ場所でホームレスとして過ごしている。
画像は『Philadelphia Inquirer 2018年8月23日付「Homeless again, Johnny Bobbitt can’t get his GoFundMe money」(DAVID SWANSON / Staff Photographer)』『Metro 2018年8月24日付「Couple raise $400,000 for homeless Good Samaritan ‘then keep it for themselves’」(Picture: Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
ホームレスのジョニーさんからなけなしのお金で助けてもらったケイトさんはその後、借りた20ドルを返金し、衣類や食料を差し入れするなどしてジョニーさんと急速に親しくなった。そして話をするうちに、ジョニーさんがノースカロライナの出身であること、海軍の弾薬技術者や救急隊員として働いていたこと、恋人と破局してドラッグにはまり転落の人生を歩んできたことなどを知り、なんとか家に住むことができるようにと恋人のマークさんと寄付金サイト『GoFundMe』にアカウントを設置した。
ジョニーさんの話は多くのメディアで取り上げられ、目標額10,000ドル(約110万円)に対し、9か月で402,706ドル(約4,480万円)が集まり、14,347人がジョニーさんのためにと寄付をした。ケイトさんは『GoFundMe』のサイトで多額の寄付が集まったことに感謝の言葉を述べ、お金の管理に関しては弁護士やファイナンシャルアドバイザーを雇うことを約束していた。
しかしここにきて、ジョニーさんが「お金をほとんど手にしていない。またホームレスに戻ってしまった」と主張したことから『GoFundMe』では調査を開始した。ジョニーさんには弁護士が付き、ケイトさんやマークさんに対して闘う姿勢をみせている。
ジョニーさんの弁護士クリス・ファロン氏は「集まった40万ドルのうち、ジョニーが受け取ったのは75,000ドルにすぎません。3万ドルは手数料として『GoFundMe』に支払っているはずですから、残り30万ドルほどがジョニーの手に渡るはずです」と語ると、このように続けた。
「まず、カップルがジョニーに購入したのは、約束した家ではなくキャンピングカーでした。キャンピングカーはケイトさんの自宅の車道に置かれましたが、その間に改めて食事やお金が与えられることはなかったようです。彼はキャンピングカーに今年の6月まで住んでいましたが、その後はホームレスに戻ってしまいました。2人はジョニーが運転するようにと中古のSUVも購入したようですが、結局壊れてしまったようです。ジョニーは出身地であるノースカロライナに戻りたいと主張し、2台の車は売却されたということです。」
「ただ、2人はジョニーがドラッグに手を出していることに気付いていて、それでお金を渡さなかったのだと思います。それでも14,000人以上が彼のためにと寄付したお金ですから、きちんと管理することが必要です。」
これに対しケイトさんらは「キャンピングカー、SUV、ジョニーが落ち着くまでのホテル代、携帯電話、テレビなどでたくさんのお金が消えていきました。ジョニーには最初25,000ドルを渡しましたが、彼は2週間で使い切ってしまったのです。全てドラッグを買うためです。40万ドルのうち半分はジョニーのために使いましたが、後の20万ドルは彼が仕事を持ち、ドラッグを完全に断った時に渡そうと思っています。今の彼にお金を渡したら、弾丸を込めた銃を渡すのと一緒でしょう」と反論している。
『Philadelphia Inquirer』によると、ケイトさんとマークさんは新車のBMWを購入し、フロリダ、ロサンゼルス、ラスベガス、そしてグランドキャニオンへの旅行、さらに空港からリムジンを使ったり、26万円もするようなニューイヤーズ・イブのパーティーにも参加していたという。ジョニーさんは「マークはギャンブルに相当お金をつぎ込んでいるみたいだし、大工と受付係の給料ではこれだけのバケーション費用を払えないのでは?」と語り、彼らが寄付金を使い込んでいるのでは―と疑っているようだ。ケイトさんは「寄付金をバケーションに利用していない」と主張しているが、約10万ドルの使い道は明らかになっていない。
「あの2人からお金をもらうのは大変なんだ。食事やドラッグのほうがよっぽど簡単に手に入るよ。」
そう語るジョニーさんは、今も昨年と同じ場所でホームレスとして過ごしている。
画像は『Philadelphia Inquirer 2018年8月23日付「Homeless again, Johnny Bobbitt can’t get his GoFundMe money」(DAVID SWANSON / Staff Photographer)』『Metro 2018年8月24日付「Couple raise $400,000 for homeless Good Samaritan ‘then keep it for themselves’」(Picture: Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)