日本でも高齢者による交通事故が問題となっている昨今、アメリカでこのほど反対車線側の道路を誤って走行した94歳の女性がいた。機転を利かせた男性が彼女を無事に救ったことを『Fox News』『New York Post』などが伝えている。
先月22日、米テキサス州ラボック郡に住むトーマス・プラドさん(Thomas Prado)のFacebookに投稿した動画が人々の称賛を集めている。動画にはトーマスさんが94歳の女性を危険から救った様子が収められていた。
トーマスさんは普段、配達の仕事でミニバンを運転しているが、動画が撮影された日もテキサス州のマベルとシーモア間を結ぶ国道183号線を走っていた。国道といってもアメリカでは一般的にUSハイウェイ(U.S. Highways)やUSルート(U.S. Routes)と呼ばれ、場所によっては日本の高速道路のように双方の車線が完全に区切られていて時速100キロ以上で走行できるところもある。
その日トーマスさんが目にしたものは、反対車線をフルスピード走り去っていく白いセダンだった。驚いたトーマスさんは本線車線でその車を追いかけた。その間も白い車は他の車とすれ違いながら危険な状態で走行を続けている。トーマスさんは当時のことをFacebookに次のように綴っている。
「一日に537マイル(約864キロ)も運転する私は路上でいろんな荒くれ者を見てきましたが、こんな恐ろしい状況を目にしたのは初めてです。」
さらにメディアのインタビューで「このおばあちゃんを事故に遭わせるわけにいかないと思いました。その時のことは本当によく覚えています。彼女がこのままではいけないと…」と話している。
追いついたトーマスさんの車は、中央分離帯を抜けて反対車線に向かった。車から降りたトーマスさんは「ストップ! ストップ!」と大声で呼びかけながら大きく手で止まれの合図を送るが、白い車はそのまま走り去ってしまった。しかしトーマスさんは諦めず、再び本線に戻り白い車を追いかけた。
そして白いセダンを追い越すと草の茂った中央分離帯を越え、白い車に再度止まるように促した。無事に白い車が止まり、中から高齢と思われる女性が顔をだした。トーマスさんは女性に「あなた、逆走してますよ! いいですか? ちょっとここで待ってください。事故を起こすつもりだったんですか! 時速120キロものスピードで車が次々に向かって来てるんですよ!」と声をかけた。
Facebookの動画では、トーマスさんの声かけに女性は「わかってるけど…」とつぶやき、逆走していることに気付いているがどうしていいか分からないといった様子に見える。このあとトーマスさんは彼女を運転席から助手席にエスコートし、車を正規の車線へと運転して移動させた。
この時、トーマスさんは彼女に「誰か家族や知り合いに連絡できる人はいますか?」と尋ねた。すると彼女は「私には猫がいます」と答えたというから、動揺していたようだ。トーマスさんは一連の出来事をFacebookに投稿し、教訓として「これからは高齢である家族、友人や近所の人をもっと気に掛けるようにしたいと思います」と明かしており、最後にこう綴っている。
「私は英雄ではありません。皆さんと同じようにミスもするし、罪深い人間でもあります。しかし今回正しいことをすることができた。皆さんも同じようなことができるんです。」
トーマスさんのFacebookには、今も称賛の声が集まっている。
画像は『Thomas Prado 2018年8月22日付Facebook「Please excuse language! I drive 537 miles a day so I see many wild things on the road but absolutely nothing this terrifying!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)
先月22日、米テキサス州ラボック郡に住むトーマス・プラドさん(Thomas Prado)のFacebookに投稿した動画が人々の称賛を集めている。動画にはトーマスさんが94歳の女性を危険から救った様子が収められていた。
トーマスさんは普段、配達の仕事でミニバンを運転しているが、動画が撮影された日もテキサス州のマベルとシーモア間を結ぶ国道183号線を走っていた。国道といってもアメリカでは一般的にUSハイウェイ(U.S. Highways)やUSルート(U.S. Routes)と呼ばれ、場所によっては日本の高速道路のように双方の車線が完全に区切られていて時速100キロ以上で走行できるところもある。
その日トーマスさんが目にしたものは、反対車線をフルスピード走り去っていく白いセダンだった。驚いたトーマスさんは本線車線でその車を追いかけた。その間も白い車は他の車とすれ違いながら危険な状態で走行を続けている。トーマスさんは当時のことをFacebookに次のように綴っている。
「一日に537マイル(約864キロ)も運転する私は路上でいろんな荒くれ者を見てきましたが、こんな恐ろしい状況を目にしたのは初めてです。」
さらにメディアのインタビューで「このおばあちゃんを事故に遭わせるわけにいかないと思いました。その時のことは本当によく覚えています。彼女がこのままではいけないと…」と話している。
追いついたトーマスさんの車は、中央分離帯を抜けて反対車線に向かった。車から降りたトーマスさんは「ストップ! ストップ!」と大声で呼びかけながら大きく手で止まれの合図を送るが、白い車はそのまま走り去ってしまった。しかしトーマスさんは諦めず、再び本線に戻り白い車を追いかけた。
そして白いセダンを追い越すと草の茂った中央分離帯を越え、白い車に再度止まるように促した。無事に白い車が止まり、中から高齢と思われる女性が顔をだした。トーマスさんは女性に「あなた、逆走してますよ! いいですか? ちょっとここで待ってください。事故を起こすつもりだったんですか! 時速120キロものスピードで車が次々に向かって来てるんですよ!」と声をかけた。
Facebookの動画では、トーマスさんの声かけに女性は「わかってるけど…」とつぶやき、逆走していることに気付いているがどうしていいか分からないといった様子に見える。このあとトーマスさんは彼女を運転席から助手席にエスコートし、車を正規の車線へと運転して移動させた。
この時、トーマスさんは彼女に「誰か家族や知り合いに連絡できる人はいますか?」と尋ねた。すると彼女は「私には猫がいます」と答えたというから、動揺していたようだ。トーマスさんは一連の出来事をFacebookに投稿し、教訓として「これからは高齢である家族、友人や近所の人をもっと気に掛けるようにしたいと思います」と明かしており、最後にこう綴っている。
「私は英雄ではありません。皆さんと同じようにミスもするし、罪深い人間でもあります。しかし今回正しいことをすることができた。皆さんも同じようなことができるんです。」
トーマスさんのFacebookには、今も称賛の声が集まっている。
画像は『Thomas Prado 2018年8月22日付Facebook「Please excuse language! I drive 537 miles a day so I see many wild things on the road but absolutely nothing this terrifying!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)