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【海外発!Breaking News】腕のない写真家、障がいを乗り越え成功の道を切り開く(印)<動画あり>

TechinsightJapan 2018年9月9日 12時21分

障がいを抱えながらにして、自分の夢に向かって突き進むことは決して容易ではない。しかし学生時代のいじめや困難を乗り越え、夢を叶えた腕のない写真家がインドにいる。現在、彼は成功したドキュメンタリー映画制作者としてカメラと一心同体の日々を送っている。『Storytrender』などが伝えた。

インド西部ラージャスターン州ウダイプルのファテープラに暮らすゴーヴィンド・カロルさん(28歳)は、腕がない状態で生まれた。左手の前腕は指が3本あるのみで、右腕は肩部分から欠如している。しかし現在の彼は、成功したドキュメンタリー映画制作者だ。過去4年間で、少なくとも10本のドキュメンタリー映画を手掛けたゴーヴィンドさんは、大好きなカメラを持って写真を撮ることに生きがいを見出しているようだ。

「カメラのレンズに美しい風景や肖像を収められた時の気持ちは最高です。私にとてつもない強さと自信を与えてくれる気がします。」

愛用しているキヤノン710を器用に3本の指で持ち、特別に学んだスキルを活かしてフレームを設定する。手の不自由なゴーヴィンドさんにとって、重いカメラを扱う際には健常者の写真家よりもやはり時間はかかってしまう。しかし、コツを利用して撮影すればカメラは自然と完璧な結果を与えてくれるのだという。今や慣れた手つきで撮影するゴーヴィンドさんの撮った写真を見た人々は、その素晴らしさに驚くそうだが、そうした成果はまさに努力の賜物といえよう。

実は、ここまでのゴーヴィンドさんの道のりは決して容易ではなかった。ゴーヴィンドさんは生まれつきの障がいを持っていたことで、子供時代からその姿を中傷の種にされてきた。店の経営者である父ナラヤン・ラルさん(60歳)と主婦のカシ・バイさん(58歳)は自分たちが読み書きできずに育ったことから、息子のゴーヴィンドさんにはいい教育を受けてほしいという思いがあり、私立学校に入れようとした時にも障がいの壁が立ちはだかった。

ゴーヴィンドさんの両親は、学校側から「息子さんの姿を他の生徒たちが怖がる」と言われ、特別支援学校で学ぶよう指示された。しかし両親は譲らず学校側に掛け合い続けた。その結果、ゴーヴィンドさんは私立学校に入学したものの、他の生徒らからからかわれ笑われ続けた。しかしいじめを乗り越え卒業、後に商学の修士号も取得した。やがて携帯でビデオや写真を撮るうちに写真家への興味が湧き、真剣にプロの道を目指したいと思うようになった。家にカメラがなかったため、子供の頃は写真館へ行く度、高価なカメラや機材の使い方に興味をそそられていたそうだ。

ゴーヴィンドさんはカレッジで知り合った恋人がいたが、交際時は恋人に夢中になるあまり何も手につかず、夢のこともどうでもよくなってしまった。結局、恋人からはそんな自分の姿にうんざりされ、「将来を真剣に考えて」と別れを告げられると、ゴーヴィンドさんは本気でプロの写真家を目指すコースを選択。すると写真への情熱が再燃し、それが映画制作のきっかけになった。

自己能力のある学習者のためのプログラムやイベントを提供する草の根コミュニティーセンター「Shikshantar(シクシャンター)」に参加し、およそ半年間は写真家としてのスキルを磨いた。その後まもなくして最初のドキュメンタリー映画を手掛けるチャンスに恵まれ、今の成功したゴーヴィンドさんがいる。障がいがあるゆえに容易なキャリア選択ではなかったが、好きなことを諦めずやり遂げ、写真家としての夢を叶えることができた自分をきっと誇りに思うことだろう。最後に、ゴーヴィンドさんはこのように語った。

「家族は政府の仕事に就いたほうがいいとよく言ってきます。安定した給料を得て、きちんと将来を築くことができるからでしょう。でも、私の心には写真しかないのです。」



画像は『Storytrender 2018年9月6日付「Indian man bullied for not having arms is now a brilliant photographer」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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