愛する人を繋ぎとめておきたいという気持ちから妊娠を偽装し、出産直前の時期になって誘拐事件をでっちあげ、「お腹の子供は臓器売買のために奪われた」というとんでもない嘘を重ねた女のニュースがコロンビアから飛び込んできた。9か月もの間すっかり騙されたパートナーや家族らは大きなショックを受けている。地元メディア『Aldia.co』『El Heraldo』をはじめ、『Oddity Central』『Metro』などが伝えた。
コロンビア北部バランキヤに住むアントネーラ・ミレーナ・サンチアーゴ・パディラ(37歳)は、パートナーのヴィクターさんが自分のもとから去ってしまうのではという不安をなくすために妊娠を偽装し、ヴィクターさんだけでなく家族や友人をも騙し続けた。
アントネーラとヴィクターさんは、もともと14歳の時に同じ地域で育ったが、その後長年離れ離れとなっていた。アントネーラの兄の死をきっかけに昨年から連絡を取り合うようになった2人は急接近。当時ヴィクターさんには交際相手がいたが、結局別れて昨年12月からアントネーラと交際するようになった。
しかしアントネーラの心の中には、いつかヴィクターさんが自分のもとを去るのではないかという不安があった。ヴィクターさんの元恋人から「破局の原因はアンタだ」と責められるうちに「彼はまだ元恋人のことを思っているのでは?」という疑いを抱くようになった。彼を自分のもとへどうにかして繋ぎとめておきたい―そう思ったアントネーラは今年1月、ヴィクターさんに妊娠していると告げた。
13歳の息子と14歳の娘が既にいるアントネーラだったが、これまで子供がいなかったヴィクターさんに「私たちの子供ができる」と嘘をつくことで2人の絆がより深いものになると企んだのだ。アントネーラは家族や友人らにも妊娠していると偽り、インターネット上で見つけた超音波検査の写真をプリントアウトして見せ、布切れやクッションで妊婦を装って過ごした。
ヴィクターさんや家族は、アントネーラの嘘を全く疑わなかった。妊娠検査に一度も付き添わず、病院の出口で待たされていた時にも、ヴィクターさんはアントネーラの妊娠をひたすら信じ、喜び、女の子と信じた我が子に名前までつけて誕生を心待ちにしていたという。ヴィクターさんの喜ぶ姿を見て、精神的に大きな影響を受けたアントネーラは「自分は本当に妊娠している」と思い込み、つわりのような症状が現れたり無性に何かが食べたくなったり、空っぽのお腹に胎動さえ感じるようにまでなっていったという。
しかし月日が経つにつれ、当然出産予定日が近づく。9月22日の朝10時頃、アントネーラはヴィクターさんに出産準備に向けてオムツや揺りかごを姉と買いに行くと告げ、家を出た。その後は地元の病院で帝王切開での出産をする予定となっていたが、もちろん真っ赤な嘘であり予約などしていなかった。その日の午後7時頃にヴィクターさんと家族に電話をかけたアントネーラは、「男の集団に車に押し込まれて誘拐された。臓器売買目的でお腹の赤ちゃんを奪われた」という嘘をついた。
驚愕した家族らは、渋るアントネーラを病院へ連れて行き医師に事情を話すと、驚いた医師はすぐに警察へ通報した。その後、誘拐犯についての大掛かりな捜査が開始されたが、病院の検査でアントネーラの体にメスで切開した痕が全くなかったこと、その時に使用されているはずの鎮静剤が血液検査で反応が出なかったことなどから、警察はアントネーラの供述に疑問を抱き始めた。
病院での検査後も「自分は妊娠していた」と主張するアントネーラだったが、結果として最初から妊娠などしていなかったことが発覚し、ヴィクターさんや家族は大きなショックを受けた。ヴィクターさんの母親は、このように話している。
「小さなお腹の妊婦は他にもいるから、彼女が少し膨らんだだけのお腹でいることになんの疑問も感じなかった。子供のいない息子に対してこんな嘘をつくなんて、あまりにも酷すぎる。」
嘘発覚後はヴィクターさんと別居しているというアントネーラだが、自分のもとから愛する人が去って行った事実を認めたくないのか、地元メディアの取材には「私たちは完全に終わったわけではない。今でも連絡は毎日している」と答えている。現在、心理学者によるカウンセリングに通っているアントネーラだが、騒動を巻き起こした今回の件について警察は「病院では早朝5時から緊急治療が必要な患者らが列をなして予約を待っていました。しかしアントネーラの嘘の妊娠のせいで、病院側は多くの患者を後回しにしたのです」として「公共施設の時間を無駄にした罪」で今後起訴する可能性もあると述べている。
画像は『Metro 2018年9月27日付「Woman faked pregnancy to stop husband leaving her then said gang cut baby out」(Picture: CEN)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
コロンビア北部バランキヤに住むアントネーラ・ミレーナ・サンチアーゴ・パディラ(37歳)は、パートナーのヴィクターさんが自分のもとから去ってしまうのではという不安をなくすために妊娠を偽装し、ヴィクターさんだけでなく家族や友人をも騙し続けた。
アントネーラとヴィクターさんは、もともと14歳の時に同じ地域で育ったが、その後長年離れ離れとなっていた。アントネーラの兄の死をきっかけに昨年から連絡を取り合うようになった2人は急接近。当時ヴィクターさんには交際相手がいたが、結局別れて昨年12月からアントネーラと交際するようになった。
しかしアントネーラの心の中には、いつかヴィクターさんが自分のもとを去るのではないかという不安があった。ヴィクターさんの元恋人から「破局の原因はアンタだ」と責められるうちに「彼はまだ元恋人のことを思っているのでは?」という疑いを抱くようになった。彼を自分のもとへどうにかして繋ぎとめておきたい―そう思ったアントネーラは今年1月、ヴィクターさんに妊娠していると告げた。
13歳の息子と14歳の娘が既にいるアントネーラだったが、これまで子供がいなかったヴィクターさんに「私たちの子供ができる」と嘘をつくことで2人の絆がより深いものになると企んだのだ。アントネーラは家族や友人らにも妊娠していると偽り、インターネット上で見つけた超音波検査の写真をプリントアウトして見せ、布切れやクッションで妊婦を装って過ごした。
ヴィクターさんや家族は、アントネーラの嘘を全く疑わなかった。妊娠検査に一度も付き添わず、病院の出口で待たされていた時にも、ヴィクターさんはアントネーラの妊娠をひたすら信じ、喜び、女の子と信じた我が子に名前までつけて誕生を心待ちにしていたという。ヴィクターさんの喜ぶ姿を見て、精神的に大きな影響を受けたアントネーラは「自分は本当に妊娠している」と思い込み、つわりのような症状が現れたり無性に何かが食べたくなったり、空っぽのお腹に胎動さえ感じるようにまでなっていったという。
しかし月日が経つにつれ、当然出産予定日が近づく。9月22日の朝10時頃、アントネーラはヴィクターさんに出産準備に向けてオムツや揺りかごを姉と買いに行くと告げ、家を出た。その後は地元の病院で帝王切開での出産をする予定となっていたが、もちろん真っ赤な嘘であり予約などしていなかった。その日の午後7時頃にヴィクターさんと家族に電話をかけたアントネーラは、「男の集団に車に押し込まれて誘拐された。臓器売買目的でお腹の赤ちゃんを奪われた」という嘘をついた。
驚愕した家族らは、渋るアントネーラを病院へ連れて行き医師に事情を話すと、驚いた医師はすぐに警察へ通報した。その後、誘拐犯についての大掛かりな捜査が開始されたが、病院の検査でアントネーラの体にメスで切開した痕が全くなかったこと、その時に使用されているはずの鎮静剤が血液検査で反応が出なかったことなどから、警察はアントネーラの供述に疑問を抱き始めた。
病院での検査後も「自分は妊娠していた」と主張するアントネーラだったが、結果として最初から妊娠などしていなかったことが発覚し、ヴィクターさんや家族は大きなショックを受けた。ヴィクターさんの母親は、このように話している。
「小さなお腹の妊婦は他にもいるから、彼女が少し膨らんだだけのお腹でいることになんの疑問も感じなかった。子供のいない息子に対してこんな嘘をつくなんて、あまりにも酷すぎる。」
嘘発覚後はヴィクターさんと別居しているというアントネーラだが、自分のもとから愛する人が去って行った事実を認めたくないのか、地元メディアの取材には「私たちは完全に終わったわけではない。今でも連絡は毎日している」と答えている。現在、心理学者によるカウンセリングに通っているアントネーラだが、騒動を巻き起こした今回の件について警察は「病院では早朝5時から緊急治療が必要な患者らが列をなして予約を待っていました。しかしアントネーラの嘘の妊娠のせいで、病院側は多くの患者を後回しにしたのです」として「公共施設の時間を無駄にした罪」で今後起訴する可能性もあると述べている。
画像は『Metro 2018年9月27日付「Woman faked pregnancy to stop husband leaving her then said gang cut baby out」(Picture: CEN)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)