犬の唾液に含まれる細菌に感染したことから、四肢の切断を余儀なくされた男性。失くしたものはあまりにも大きく、今後の人生はこれまでとは全く異なるものになるだろうが、男性は「今でも犬が好きだし、再び歩けるようになるまで頑張る」と前向きに話している。『WNYW(FOX 5)』『Inside Edition』などが伝えた。
米ウィスコンシン州で当時、家屋の塗装工として働いていたグレッグ・マントイフェルさん(48歳)は今年6月26日、発熱して体中に痣ができ、両脚に痛みを感じて意識が混濁するほどの具合の悪さに襲われた。ミルウォーキーにある「Froedtert&the Medical College of Wisconsin(フロエッドタート&ウィスコンシン医科大学病院)」で診察を受けると、カプノサイトファーガ・カニモルサス(Capnocytophaga canimorsus)という細菌に感染していることが分かった。
米疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention、以下CDC)によると、この細菌は主に犬猫の唾液に含まれており、犬は74%、猫は57%がこの菌を持っているという。犬や猫に咬まれたり、引っ掻かれたりすることで感染するとされているものの、唾液から人が感染するケースは非常に稀ということだ。ちなみに人も同様で、同じ細菌の異なる菌株が口腔内にあるそうだ。
不運にもこの細菌に感染してしまったグレッグさんは、四肢への血液循環が停止したことにより、6月以降少なくとも10回の手術を受け、両前腕と両脚の一部の切断を強いられた。
グレッグさんの感染源が自身のペットの犬からか、もしくは他の犬からかは明らかになっていない。これまでの人生、グレッグさんはいつも犬と一緒に過ごしてきた。だからこそ尚更、犬が原因で人生を大きく変えられる羽目になるとは予想もしていなかったと言う。
「手足が失われたという事実を受け入れるのは容易ではなく、犬が原因だなんて今でも信じられない気持ちだよ。でも、犬を好きな気持ちは変わらない。」
2週間前に退院したグレッグさんを支える妻のドーンさんは、夫が家に戻って一番にしたことのひとつは、愛犬と寄り添ってアメリカンフットボール(NFL)「Green Bay Packers(グリーン・ベイ・パッカーズ)」の試合を一緒に見ることだった、と10月2日に行われた記者会見で話した。更に、Froedtert&the Medical College of Wisconsinの形成外科医であるパトリック・ヘッティンガー医師は、グレッグさんの前向きな姿勢をこのように称賛した。
「グレッグさんは、私が出会った患者の中で最もポジティブな姿勢を持つ方です。彼からは一生懸命に病と向き合い闘う姿勢が感じられました。この会見においては、彼こそが真のスターといえるでしょう。」
グレッグさんの今後の道のりは決して容易ではなく、回復までには長い時間がかかる。四肢以外にも鼻や上唇の一部が失われてしまったために、来年にわたり段階的に再建手術を受けることになるそうだ。また、切断面の皮膚と傷が癒えれば義肢を装着することになるが、これは2か月以内には可能ということだ。
「再び歩けるようになること。そうすればまた人生を取り戻せる。引きこもりにはなりたくない」と前向きな目標を語るグレッグさんに対し、臨床医学とリハビリ専門のデイヴィッド・デル・トロ医師は「長い道のりではありますが、彼の前向きな熱意と姿勢があるならば、きっとそのゴールを達成することができるでしょう」と話している。
画像は『WNYW(FOX 5) 2018年10月3日付「Man determined to walk again after blood infection from dog」(Fox 6 Now)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)
米ウィスコンシン州で当時、家屋の塗装工として働いていたグレッグ・マントイフェルさん(48歳)は今年6月26日、発熱して体中に痣ができ、両脚に痛みを感じて意識が混濁するほどの具合の悪さに襲われた。ミルウォーキーにある「Froedtert&the Medical College of Wisconsin(フロエッドタート&ウィスコンシン医科大学病院)」で診察を受けると、カプノサイトファーガ・カニモルサス(Capnocytophaga canimorsus)という細菌に感染していることが分かった。
米疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention、以下CDC)によると、この細菌は主に犬猫の唾液に含まれており、犬は74%、猫は57%がこの菌を持っているという。犬や猫に咬まれたり、引っ掻かれたりすることで感染するとされているものの、唾液から人が感染するケースは非常に稀ということだ。ちなみに人も同様で、同じ細菌の異なる菌株が口腔内にあるそうだ。
不運にもこの細菌に感染してしまったグレッグさんは、四肢への血液循環が停止したことにより、6月以降少なくとも10回の手術を受け、両前腕と両脚の一部の切断を強いられた。
グレッグさんの感染源が自身のペットの犬からか、もしくは他の犬からかは明らかになっていない。これまでの人生、グレッグさんはいつも犬と一緒に過ごしてきた。だからこそ尚更、犬が原因で人生を大きく変えられる羽目になるとは予想もしていなかったと言う。
「手足が失われたという事実を受け入れるのは容易ではなく、犬が原因だなんて今でも信じられない気持ちだよ。でも、犬を好きな気持ちは変わらない。」
2週間前に退院したグレッグさんを支える妻のドーンさんは、夫が家に戻って一番にしたことのひとつは、愛犬と寄り添ってアメリカンフットボール(NFL)「Green Bay Packers(グリーン・ベイ・パッカーズ)」の試合を一緒に見ることだった、と10月2日に行われた記者会見で話した。更に、Froedtert&the Medical College of Wisconsinの形成外科医であるパトリック・ヘッティンガー医師は、グレッグさんの前向きな姿勢をこのように称賛した。
「グレッグさんは、私が出会った患者の中で最もポジティブな姿勢を持つ方です。彼からは一生懸命に病と向き合い闘う姿勢が感じられました。この会見においては、彼こそが真のスターといえるでしょう。」
グレッグさんの今後の道のりは決して容易ではなく、回復までには長い時間がかかる。四肢以外にも鼻や上唇の一部が失われてしまったために、来年にわたり段階的に再建手術を受けることになるそうだ。また、切断面の皮膚と傷が癒えれば義肢を装着することになるが、これは2か月以内には可能ということだ。
「再び歩けるようになること。そうすればまた人生を取り戻せる。引きこもりにはなりたくない」と前向きな目標を語るグレッグさんに対し、臨床医学とリハビリ専門のデイヴィッド・デル・トロ医師は「長い道のりではありますが、彼の前向きな熱意と姿勢があるならば、きっとそのゴールを達成することができるでしょう」と話している。
画像は『WNYW(FOX 5) 2018年10月3日付「Man determined to walk again after blood infection from dog」(Fox 6 Now)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)