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【海外発!Breaking News】安全な放牧地求め、牛が自治体ビル前に集結(南ア)

TechinsightJapan 2018年12月24日 18時0分

12月12日、南アフリカの東ケープ州エノホ・ムギジマ(Enoch Mgijima)市役所の前に、放牧地の要求、さらに家畜の安全を守るため放牧地にフェンスを設置してほしいと農家関係者が集まった。彼らは、この要求の主役ともいえる牛とともにデモ行進を行った。

コマニ(Komani)農業協同組合のゾラ・マゴコザ会長は「我々は狭い場所で多くの牛を放牧するという不便さを長期間抱えている。また放牧地にフェンスがないので、牛が間違って道路に出てしまい、地方自治体の当局に捕獲されてしまうという問題もある」ということで、放牧地の拡大及びフェンス等安全面の強化を求めている。

以前からこの問題について、コマニ農協があるLukhanji地方自治体に訴えており、自治体は2016年の選挙前にこの問題について検討すると回答していた。しかし選挙後、この地方自治体が他の自治体と合併、新たにEnoch Mgijima地方自治体となり、コマニ農協の窮状に対応する気配がない。業を煮やした農業関係者は、自治体のビルまでデモ行進することに決めた。現状を理解してもらいたいという願いから、主役ともいえる牛とともに行進したのだ。

デモ当日、晴れ渡った空の下、自治体ビル前の大通りには牛が何十頭と集まり、交通は遮断されてしまった。牛の周りには農業関係者が立ち、暴れださないよう見守っている。踊ったりごみをまき散らしながら行進する典型的な南アのデモ行進とは違い、静かながらも自治体への訴えがよくわかるデモであった。

デモ行進の効果はてきめんで、翌日に自治体との会合を開くことが可能となった。自治体のドノヴァン・ファンヴィック部長代理との会合の結果、自治体が放牧用の土地を支援することで合意した。しかし問題は残っている。家畜が利用できる土地を貸与してくれるはずの場所は現在、市の許可なく勝手に使っている人がいるため利用不可となっている。今後、自治体のタスクチームが編成され、水、フェンス、そして十分な牧草がある場所を確保できるよう対応していくとのことだ。また、来年2月に再度会合を開くことで合意、それまでにさらに活用できる土地があるかという点についても検討していく考えを打ち出している。

これに対し農協側は、「予算の都合もあるだろうからすべての要求は通らないだろうが、次回の会合に期待したい」と冷静に受け止めている。

画像は『News24 2018年12月13日付「WATCH: Eastern Cape farmers, cattle march to municipality offices demanding grazing land」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)

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