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【海外発!Breaking News】実親の中絶要求を拒否、出産した代理母が苦悩告白も 「代理母にそんな権利はない」と世間の声(米)

TechinsightJapan 2018年12月25日 10時0分

米テキサス州に住むひとりの代理出産母が、このほど1年前に起こった苦悩をメディアで告白した。女性は妊娠中、医師から「お腹の子供には深刻な心疾患がある」と告げられ、実親にも中絶を要求されたが拒否して出産。しかし出産直後に子供を取り上げられ、それ以来子供の名前や状況も全く分かっていないという。現在、この女性は「代理出産母の権利」を求めて活動しているが、世間からは女性に対し批判の声があがっているようだ。『The Sun』『Mirror』などが伝えた。

テキサス州ダラスで代理出産母として経験を持つ2児の母ステファニー・レヴェックさんが、このほど米メディア『WFAA』に苦悩を吐露した。

ステファニーさんはこれまで3度にわたり代理出産を行い、2度とも健康で元気な赤ちゃんが誕生。その後も実親や子供たちと親しく関わる生活を送ってきた。それこそがステファニーさんにとって、代理出産母としての「最も素晴らしいギフト」だったのだ。しかし、3度目の代理出産では苦悩を強いられた。

妊娠16週の時、ステファニーさんは医師からお腹の胎児は深刻な心臓疾患を抱えており、手術を要する可能性があることを告げられた。それを知った胎児の実親は、今後のリスクが高すぎることからステファニーさんに中絶を要求。実親のそんな要求に驚きを隠せなかったステファニーさんは、結果的にそれを拒否した。自身も双子の娘の親であるステファニーさんは、妊娠中のスキャン検査で胎児の元気な心拍音を聞き「きっとこの子は元気に産まれてきてくれる」と信じた。そして2017年12月21日、ダラスにある「Medical City Women’s Hospital(メディカルシティー婦人科病院)」にて男児を出産した。

ところが出産後、男児の顔を一目見たステファニーさんだったが、すぐに男児は病院のスタッフに取り上げられた。はたして男児が健康な状態で生まれたのか、何グラムなのか詳細を全く知らされぬまま、男児と永遠に別れることになった。今日に至ってもなお、ステファニーさんは男児が実親に何という名前を付けられたのかさえ知らないという。

「依頼者カップルとは、私が代理出産をする前にいろんなことをよく話し合います。中絶に対する考えなども含めて繊細なことも話さなければなりません。だからこそ、私と相手側の思いは同じだと思っていました。ですが、そうではなかったのです。私は、産まれた男児の名も知りません。男児はおそらくNICU(新生児緊急治療室)へ連れて行かれたのだろうと思うのですが、それもよくわかりません。手術がすぐに必要だったのかどうかも…。」

その後、男児の実親と法的闘争を繰り広げたステファニーさんは、国会議員にも自分の経験を伝え、実親と代理出産母の書面契約を更に厳格化するよう訴えた。また現在は代理出産母の権利改善を求めて、代理出産に関する法の改正を訴えるキャンペーンを行っている。そのキャンペーンの名は「Luca’s Law(ルカの法律)」で、代理出産した男児を思って名付けられた。

最近の自身のFacebookアカウントには、これまでの自分を支えてくれた人々への感謝の言葉を綴るとともに、「私の識見をシェアしたく投稿しました。同じ思いを味わった代理出産母の方々は、どうか投稿をシェアしてください。なぜ私が代理出産母に関する法の改正を求めるのか理解してもらいたい」といった書き込みがなされた。更には、ルカと名付けた男児が1歳になったことを祝うメッセージもこのように添えられた。

「今夜、涙が私の頬を流れました。1歳になったあなたを想い、歌を歌ってお祝いしました。私があなたにつけたルカという名前は義兄からなの。ルカの意味は『光の使者』という意味なんですって。代理出産母が抱える様々な問題に、あなたがまるで光をもたらして解決へと導いてくれるようで、なんてピッタリの名前なのと思いました。私の人生を変えてくれたルカ、ありがとう。私はあなたのためにこれからも闘い続けます。これからもずっとあなたを愛しているわ。ルカ、お誕生日おめでとう。」

血の繋がった自分の子供を妊娠していた時と同じく、ステファニーさんはルカを大切に思い妊娠期間中も過ごしてきたのだろう。代理とはいえ産んだ子供の状況を気にかけ、代理出産母の権利を主張し活動を続けるステファニーさんだが、世間からの風当たりは冷たい。

「実親からしてみれば、子宮を借りて妊娠してもらっただけでしょ? 産まれた子供のことを知る権利などこの人にないのでは?」
「健康のリスクがあるってわかった時点で、実親は中絶を要求するのは無理もないよ。だって米国での医療費はすごく高いんだから。」
「産んでからのことは実親に子育てがかかってくるんだから、実親の要求を拒否して出産するなんてものすごく身勝手だと思う。」
「こういうことをメディアで話すこと自体、契約違反じゃないの!?」
「自分の子供じゃないんだから、関わりなくて当然でしょ!」
「なんかこの人すごく自分勝手に思える。本当に子供が障害を抱えて産まれたとしたら、今頃実親は大変な思いをしているだろうね。」
「出産時に子供を奪われたのは、あなたの仕事が終わったからでしょ!!」
「この女性、何がしたいの?」

一方で、「でもこれってステファニーさんからの一方的な話よね。本当は胎児にリスクがあるとわかった時点で、実親は彼女ときちんと話をしているのではないかな。代理出産費用というお金のこともあるだろうし」などといった声もあがったが、やはりほとんどは「代理出産母は子宮を貸しているだけに過ぎない」という意見が多かった。

なお、ステファニーさんはこの男児を出産するにあたって経験した苦悩を本にしているが、米メディアの取材には「苦しみはまだ癒えず、闘いも終わっていない」と涙ながらに話している。

画像は『The Sun 2018年12月22日付「‘SO MUCH HEARTACHE’ Surrogate mum who refused to abort baby over birth defect despite parents’ demands reveals they seized him after birth」(Wfaa.com)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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