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【海外発!Breaking News】20年前に離婚した元夫に腎臓提供した女性(米)

TechinsightJapan 2019年1月4日 19時20分

若くして結婚したカップルは、2人の子供にも恵まれ24年の結婚生活をともにしたが離婚した。しかし夫婦をやめても常に互いを気にかける近しい存在だった。このほど米ミネソタ州に住む元妻が、20年前に別れた夫に腎臓の1つを提供したというニュースを『FOX 9』『Inside Edition』などが報じた。

ミネソタ州セント・クラウドに住むメアリー・ジーグラーさん(62歳)は、当時ロックミュージックが大好きだったビル・ヘンリックスさんと14歳の時に出会い、18歳で結婚した。

その後、息子と娘を1人ずつ授かったが、互いにズレが生じて24年間の結婚生活に終止符を打った。離婚時に子供がまだ8歳と5歳だったことからも、メアリーさんとビルさんは「どんなことがあっても子供たちを最優先にしよう」と誓い合い、別々に暮らすことになっても互いに近しい存在であり続けた。

離婚から数年後、ビルさんはリンダさんという女性と再婚した。前のパートナーとの間に娘が2人いたリンダさんは、ビルさんとメアリーさんの関係を理解し、子供たちを交えて良好な関係を築き上げてきた。しかし昨年2月、ビルさんに健康上の問題が持ち上がった。

既にメアリーさんとビルさんの娘には子供がおり、祖母と祖父という立場であった2人は孫の世話を互いにしている間柄でもあり、週に数回は連絡しあっていた。そんな中でビルさんから「腎臓移植が必要」と聞いたメアリーさんは早速、適合検査を受けた。それまでビルさんは30人ほどのドナーとの適合検査を受けてきたが、どのドナーとも適合しなかったのだ。自分の腎臓がビルさんの腎臓にマッチするとわかったメアリーさんは、迷うことなくビルさんに腎臓の1つを提供することを申し出た。

「彼にはこれからも元気で生きてほしいという気持ちがありますから、私にとって腎臓を提供することはそれほど重要な決断ではなく、むしろ自然なことのように思えました。私たちはもう長い間知っていてずっと仲良しでしたから。変な言い方ですけど、ビルは今や私のきょうだいみたいな感覚なんです。」

移植手術前の1か月間、メアリーさんはできるだけ健康的な食生活をするよう心掛けた。そして10月、移植手術が無事に成功。ビルさんだけでなく、メアリーさんの術後の回復も順調のようだ。仕事仲間の提案により、今回のことを世間に公表することに決めたメアリーさんはこのように話している。

「注目を浴びたいために公表したのではありません。親が離婚すると、我が子を一生涯傷つけてしまうことになります。でも感情的になるだけでなく、相手と礼儀を忘れず事務的にやり合うことも大切で、私たちはそうした関係を築いてきました。子供たちへのいいお手本になるためには、必ずしも夫婦が一緒にいなければならないということはないと私は思います。14歳でも62歳でも、関係はシンプルであることが大切なのではないかと。今回、私が子供たちの父親にしたことは、子供たちもとても喜んでくれているし、誇りに思ってくれていることでしょう。このストーリーが、みなさんの元夫や元妻に対しての対応を変えるきっかけになれば、とても嬉しく思います。」

このニュースを知った人からは、「誰かを愛するということは、必ずしも結婚という形にこだわることではないって学ばされるニュースだな」「腎臓提供って、知らない人も多いだろうけど本当に大変なことなのよ。だからこの女性の決断は素晴らしいと思う」「子供たちにとっても素晴らしい両親だろうね。離婚しても、互いに嫌悪し合わない姿を子供に見せることは大切だろうから」「でも、世の中にはいろんな理由で離婚するカップルもいるから」「この2人の場合、離婚からずいぶんと経っているよね。だからこそメアリーさんもドナーになれたのかもしれないね」といった声があがっている。

画像は『FOX 10 Phoenix 2019年1月1日付「Woman donates kidney to ex-husband 20 years after divorce」(FOX 9)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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