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【海外発!Breaking News】英スコットランド奥地から隠遁者がSOS 米ヒューストン緊急センターでキャッチされる

TechinsightJapan 2019年2月7日 21時0分

世界各地にいるであろう隠遁者。彼らは電気やガスもない状態でひっそりと奥地で生活しているが、緊急時の場合は外部との接触が必要だ。このほど英スコットランドの奥地に住む男性が、山奥の小屋から発信したSOSが人工衛星を通して米テキサス州でキャッチされ、男性は無事に救助された。『The Guardian』『Daily Record』などが伝えている。

2月3日、米テキサス州ヒューストンの国際的に緊急救助を手配する「国際緊急対応調整センター」が人工衛星を通してSOSをキャッチした。そのSOSは「PLB(Personal Locater Beacon 携帯用位置指示無線標識)」から発せられたもので、発信者は4,500マイル(約7,242km)ほど離れた英スコットランドからであることが判明した。

PLBからは登録された国や使用者が特定できるほか、GPSによる正確な位置情報が人工衛星を通して救助機関に送信されるため、ヒューストンのセンターは英ハンプシャー州フェアラムにある沿岸警備隊の国立オペレーションセンターへと中継をつないだ。SOSが意図的なものであるか否かを確認するため、イギリス沿岸警備隊はスコットランドのエアシャーにあるプレストウィック沿岸警備隊に出動を要請。そして、SOS発信者である70代半ばの男性がひとりで住んでいるとされる場所へ、男性の無事を確認するためフォート・ウィリアムのロッハバー山岳救助隊とともに緊急ヘリで向かった。

緊急ヘリは、西ハイランド地方フォート・ウィリアムから20kmほどの場所にある丸太小屋近くに到着。救助チームが小屋の中にいる男性を確認したところ、深刻な病に罹っていることがわかった。しかし丸太小屋の周りは木々で覆われているためヘリが近くに止められず、ロッハバー山岳救助隊スタッフは男性を適切な場所まで運ばなければならなかった。そこでストレッチャーに乗せ、無事ヘリに引き上げることに成功。男性はその後、緊急検査と治療を受けるためにフォート・ウィリアムにあるベルフォード病院へと搬送された。

ロッハバー山岳救助隊は翌4日、Facebookに写真とともに救助の様子を投稿。後のメディアの取材で、チームリーダーのジョン・スティーブンソンさんは「7人でヘリに乗って救助に向かいました。冷え込みが厳しく救助活動には90分ほどかかりましたが、各機関が協力し合って非常に協調性のある救助となりました」と話した。

また、イギリス沿岸警備局英航空オペレーションセンター指揮官のニール・ブルーエットさんは「PLBの起動への迅速な対応と衛星技術のスピードが、男性の命を救ったといえるでしょう。普通であれば警告が発せられてから救助までに長時間を要する場合もありますが、私たちが使用する衛星技術のおかげで実際の救助は非常に迅速でした」と述べた。

海上および沿岸警備局のスポークスパーソンは「男性は日曜ごとにPLBをチェック・インモードにして、家族や友人らに自分が無事であることを知らせていたようです。ですが、2月3日は具合が悪くなり助けを求めてSOSを発信したと思われます」と話している。なおその後、男性の容態は順調に回復しているとのことだ。

画像は『Mirror 2019年2月6日付「Hermit living in Scottish forest saved after SOS signal is picked up in Texas」(Image: Lochaber Mountain Rescue)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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