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【海外発!Breaking News】キシリトール入りブラウニーを食べたせいで 愛犬を亡くした飼い主が注意喚起(英)

TechinsightJapan 2019年2月8日 21時0分

責任ある飼い主ならば、犬にとって有害な食べ物を熟知していることだろう。しかしイギリスで、飼い主が思ってもいなかったものを犬が口にしたことで容態が急変し死亡してしまったニュースが『Metro』『inews.co.uk』などで伝えられた。

ロンドン西部アクトンに住むケイト・チャックスフィールドさん(51歳)は、2018年10月19日に愛犬ハンガリアン・ビズラの“ルビー”(7歳)を亡くした。

元BBC NewsとSky Newsのレポーターだったケイトさんは、慢性症候群(筋痛性脳脊髄炎)を患っていることから医師に糖分を控えるようにアドバイスされており、この日も自身の健康を考えて糖分カットのために天然甘味料のキシリトールを入れたチョコレートブラウニーを作った。

ところがケイトさんが留守の間に、ルビーが台所の脇に置いてあった容器の蓋を開けてブラウニーを2つ盗み食いしてしまった。ルビーは過去にもブラウニーを盗み食いしたことがあり、犬にチョコレートは有害であることを知っていたケイトさんは、そのことを動物病院に知らせた。すると獣医師に少量のチョコレートならルビーのような大きさの犬にはさほど有害ではないと言われたことから、今回のルビーの盗み食いもあまり心配はしていなかった。そして36時間経つも何もなかったので、ケイトさんの頭からルビーがブラウニーを口にしたことは消えてしまった。

しかし3日目になって、ルビーの容態が急変。激しく嘔吐し出したルビーを見て、ケイトさんはすぐに動物病院へ連れて行った。獣医師はルビーの症状から殺鼠剤のようなものを口にしたのではと推測し、治療を開始した。この時もケイトさんは「公園かどこかで何か食べてしまったのかしら」と思っていただけで、ブラウニーが原因だとは思い浮かばなかったようだ。

ルビーの容態は悪化し、ロンドンの「Royal Veterinary College」へと搬送された。生命維持装置がつけられたルビーを救うためにケイトさんは1万ポンド(約142万円)の費用をかけたが、ルビーは肝不全に陥り脳梗塞を起こして死亡した。容態急変から8日後のことだった。

ケイトさんは、ルビーがキシリトールを口にしたか否かを獣医師から尋ねられ、愕然とした。自分が作ったブラウニーにキシリトールを入れたことが愛犬の死に繋がったと知り、大きなショックを受けた。キシリトールは少量であっても犬にとっては有害で致命的となる。ケイトさんはそのことを全く知らなかったのだ。今も悲しみに暮れるケイトさんは、今回初めて世間に注意喚起をするため、ルビーの死をメディアで公開した。

「カカオが犬に有害なのは知っていましたが、まさか天然甘味料が犬にとってこんなにも危険だとは全く知りませんでした。ルビーの盗み食いを見てすぐに動物病院に連れて行っていたらと残念でなりません。生命維持装置をつけているルビーの写真を見ると、今でも泣けてきます。助かってくれることをどれほど望んだか。私はルビーを救うためにできることを全てやりました。子犬の時から飼っていたので失って本当に辛く、心に穴が開いたような感じです。罪の意識にも苛まれています。今、私ができることは世間の飼い主にキシリトールがいかに犬にとって有害かを注意喚起することです。もし飼い犬が偶然口にしたら、すぐに動物病院へ連れて行ってください。そうしたら手遅れにならずに助かるかもしれないのです。」

キシリトールはシュガーフリーのスイーツやチューインガム、ベーキングミックス、ピーナッツバター、チョコレートといった食べ物のほか、歯磨き粉やマウスウォッシュなどの製品にも使用されていることがある。獣医毒物情報サービス(VPIS)の代表二コラ・ロビンソン医師は、犬にとってのキシリトールの有害性を次のように話している。

「犬がキシリトールを口にすると、1時間以内には血液へ吸収され低血糖に陥るので少量でも致命的です。ラブラドールサイズの犬であれば、小さじ4分の1ほどの量が肝不全を引き起こす結果となってしまうのです。ジャック・ラッセル・テリアのような小型犬は、たとえばチューインガム1個に含まれたキシリトールを摂取しただけでも危険です。犬によっては手遅れとなるまで症状が出ないこともあります。なかには無気力になったり脚がぐらついたりして、低血糖症の兆候を示す場合もありますが、肝機能が停止してから容態が急変するというケースもあります。そうなると、命を救うのは非常に困難です。」

「早い段階で獣医師に診せれば、医師は犬に嘔吐を誘発して、キシリトールを体内から排除するよう試みることもあります。その後は血糖値を調整するために、糖分を補給する点滴を受けさせ、犬を監視下に置く必要があります。もし肝臓に影響が及んでいれば、状態は深刻となり、通常は生命維持装置をつけた治療を施すことになります。」

ロビンソン医師によると、VPISのヘルプラインにはキシリトールに関する飼い主からの電話が年間300件ほど寄せられるという。

このニュースを知った人からは、「カカオ自体が犬には有害だから、ブラウニーを食べたとわかった時点で今回もすぐに獣医のもとに連れて行くべきだったのでは」「いや、今回はキシリトールでしょう。知らなかったのだから悲しみも大きいよ。お気の毒に」「これは辛いね。可愛がっていただけに自分を責める気持ちはわかる気がする」「犬が届かないような場所へブラウニーの容器を置いておけば、こんなことにはならなかったのに…」「飼い主は犬にとっての有害なものをしっかりと把握しておかなきゃね」といった声があがっている。

画像は『Kate Chacksfield 2019年1月17日付Twitter「Replying to @juliehartist Excuse my indulgence sending several fave pix.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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