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【海外発!Breaking News】駐機場で缶詰めになった乗客らに機長、デリバリーピザを振る舞う(カナダ)

TechinsightJapan 2019年3月9日 14時0分

フライトにおいて乗客の迷惑行為ならいざ知らず、悪天候が原因で遅延をもたらすのは致し方ないことである。このほどトロントからハリファックスへ飛ぶ予定だったエア・カナダ機が、悪天候のため他の空港に緊急着陸を強いられた中、機長が乗客にピザを差し入れるという嬉しいサプライズが起こった。『CBC.ca』『PEOPLE.com』などが伝えている。

3月4日の午後、エア・カナダ航空エアバスA320の608便はオンタリオ州トロントからノバスコシア州ハリファックスに向けて出発した。しかしハリファックスの空港は悪天候のために滑走路が凍結している状態で、他の飛行機がタキシングの際にスリップし、ゲートまで行くことができなかったことから一時的に空港が閉鎖される事態となった。着陸できなかった608便は、ニューブランズウィック州フレデリクトンの空港へ緊急着陸を余儀なくされた。

しかしフレデリクトンの空港では他の飛行機が着陸を行っており、滑走路は非常に混雑していた。着陸したものの乗客らは飛行機から降りることができず、駐機場でしばらく缶詰め状態になっていた。そんな時に機長が嬉しい気配りを示してくれたのだ。

機長は、同州オロモクトーにある「Minglers Restaurant and Pub(ミングラーズ レストラン アンド パブ)」へコックピット内から電話をし、機内にいる乗客のため23枚ものピザを注文した。電話を受けた店主は、後の取材でこのように話している。

「うちの店はケータリングもしているので、見慣れない電話番号には慣れてますが、直接コックピットからかかってきた電話にはさすがに驚きました。しかもこの地域が悪天候だったものですから、『こんな嵐の夜に!?  飛行機にデリバリー!? えーっ!』と思いましたよ。」

雪が降る嵐の夜だったことから、店の厨房には3人の従業員が入っていただけだった。それでも素早くピザを用意し、スタッフが空港までデリバリーした。

Lサイズのチーズピザとペパロニピザが機内に届けれらたことを知った乗客らは、驚きながらも機長の気配りに大喜びしたようだ。オンタリオ州にいる両親を訪ねてハリファックスへ戻る途中だったというフィロミーナ・ヒューズさんは、このサプライズに喜んだひとりだ。

「トロントで搭乗してから、乗客らは約8時間ほど機内に缶詰めになっていました。通常は飛行時間が2時間ほどなので、このフライトには機内食が含まれていなかったのです。だからこんな状態を強いられた乗客らは大きなストレスを感じるところだったのですが、それを機長が和らげてくれました。みんなピザのデリバリーを喜んでいて、機内で乗客たちは穏やかに明るく過ごしていました。」

また、別の乗客ビル・カーステンさんはピザの写真をTwitterに投稿し「フライトはトロントを発つ前から既に遅れていた。しかしハリファックスへ向かう前に機長が通路を歩いて、乗客ひとりひとりに状況を説明してくれた。だから私たちも状況を把握できて不安になり過ぎることはなかった。あの機長は本当にいい仕事をしてくれた」と機長の心配りとサービス精神を称賛した。

フィロミーナさんによると、機内にはエア・カナダ・リージョナル社のジャズ航空のパイロットも2名搭乗しており、彼らも協力してピザのデリバリーを受け取り、乗客に配ってくれたそうだ。機長はフライト後に、乗客らに向かって「自分一人では対応できなかった。乗務員全員のヘルプのおかげだ」とクルー全員を称賛するコメントを残したという。なお乗客らは、翌5日の午後にフレデリクトンからハリファックスへと無事に戻ったとのことだ。

このニュースを知った人からは、「機長、なかなかやるな!」「全ての航空会社がこういうスタッフばかりだといいのに。悲しいことに、収益だけを気にする航空会社も多いからね」「乗客をどんなふうにリスペクトしサービスするかを熟知しているパイロットには拍手」「こういう素晴らしいニュースを耳にすると嬉しいね」といった声があがっている。

画像は『CBC.ca 2019年3月6日付「Air Canada pilot orders 23 pizzas to Halifax-bound plane stranded on tarmac」(Shutterstock/Bill Karsten/Twitter)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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