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【海外発!Breaking News】湖に転落した車から「最期の電話」をかけた母親 娘の命を救うも自ら犠牲に(米)

TechinsightJapan 2019年7月24日 21時30分

米フロリダ州ジャクソンビルで、35歳の母親が運転する車がハンナ・パーク湖に転落した。車には5歳の娘が乗っており、母親は沈みゆく車の中で夫に最期の電話をかけていた。この電話により娘は助かり、身体を張って娘を支えた母親は帰らぬ人となった。『News4Jax』などが伝えている。

今月20日午後7時頃、フロリダ州ジャクソンビルにあるハンナ・パーク湖近くでSUVを運転していたキャシー・ペレデスさん(Kathy Paredes、35)は未舗装の細い道路で迷い込んでしまった。Uターンをしようとしたところ曲がり切れず、車をバックした状態のまま土手から湖に滑り落ちてしまった。キャシーさんは横転し沈んでいくSUVの中から夫アダムさんに電話をかけており、通報を受けたジャクソンビル保安官事務所の保安官らがすぐさま捜索を開始した。SUVには5歳の娘アンバーちゃんが乗っており、親子は近くのビーチで行われた誕生会に参加した帰りだった。

保安官やレスキュー隊による捜索は陸と空から行われたが、SUVがヘリコプターによって発見されたのは通報から約1時間後だった。車のわずかな隙間でなんとか息をしていたアンバーちゃんは近くの病院に搬送されたが、キャシーさんは水没した車の中から遺体で発見された。アンバーちゃんを救出した保安官は「湖に飛び込み、複数のエアバッグに切り込みを入れました。水没した車に残されていた空気は僅かで、女児の救出がもう少し遅れていたら最悪の結果になっていたでしょう」と明かしている。

キャシーさんの両親は事故後メディアのインタビューに応じ、涙ながらにこのように語った。

「娘はアリゲーターが生息する湖に飲み込まれ、アンバーが息ができるように支え、持ち上げていたそうです。発見当時、娘はアンバーの下に身体を置いたまま動かなくなっていました。たった5歳の子が、母親が溺れていく姿を見届けたんですよ。残酷すぎて胸が痛みます。アンバーは車の中にどんどん水が入ってくるのを見て、母親を必死に慰めていたと聞きました。キャシーは先に力尽き、アンバーは水面から首だけが出た状態だったようです。アンバーは今もショック状態で、『ごめんね、ママ。ごめんね、ママ』って言うんです。」

パニックに陥っていたであろうキャシーさんは、自らを犠牲にしてまでも娘の命を救った。ほかに2歳の男の子を育てているキャシーさんに起こった悲劇には、「悲しすぎる事故」「助かった5歳の子はこの事故が一生トラウマになるのでは?」「アンバーちゃん、ママの分まで頑張って生きなくちゃ。負けないで」「悲しい事故だけど、アンバーちゃんが助かって良かった」といったコメントがあがっている。

なお事故が起こった道は行き止まりで、普段は車両の通行がほとんどないという。また道の両側はすぐ土手で水面が見えるが、ガードレールは設置されていなかった。ジャクソンビル市ではこの事故を受けて「今後同じような事故が2度と起こらないように、環境に配慮しながら安全対策を進めていく」と声明を出している。

なお2017年には、米カリフォルニアで高速道路を走行していた車が道路脇から川に転落、1人が死亡し1人が軽傷を負った。助かった女子学生は流された川から木に這い上がって12時間を過ごし、翌朝救助されている。

画像は『Metro 2019年7月22日付「Drowning mother made one final call from sinking car that saved daughter’s life」(Pictures: News4Jax)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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