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【海外発!Breaking News】難病で死の淵をさまよった男児、セラピードッグによって劇的に回復(英)

TechinsightJapan 2020年3月7日 21時30分

医学の力ではどうにもならない病気もあるが、時には思いもよらない方法で功を奏すことがあるようだ。イギリスに住むある男児が一度は死の淵をさまよったが、セラピードッグとの出会いによってみるみるうちに回復し、今では学校に行けるまでになったという。『Mirror』『brain-daily.com』などが伝えている。

英ウェスト・サセックス在住のゾーイ・レルフさん(Zoe Relph、44)は3人の子供を持つ母親だが、7歳になる息子のオスカー・ハスケル君(Oscar Haskell)が難病と言われる急性散在性脳脊髄炎(ADEM)を患っており、一度は命の危機に陥った。その時、彼の命を救ってくれたのが1頭の犬だった。

オスカー君は2016年10月にADEMと診断され、ハンプシャー州にあるサウサンプトン小児病院の集中治療室で病気と闘っていた。ADEMは感染やワクチン接種後に発症することが多く、アレルギー性神経疾患の一種の脱髄疾患である。オスカー君はこの神経疾患のため自己免疫機能が正常に働かず、正常な細胞や組織が攻撃をうけてしまうことから油断ができない状態だった。

その小さな身体には26本ものチューブが繋がっており、頭蓋骨にはドリルで穴が開けられ6つの脳プローブが挿入されていた。そのうちオスカー君はゾーイさんの呼びかけにも反応しなくなり、心拍数は上がっていく一方だった。この時ゾーイさんは医師から「最悪の事態に備えるように」と言われ、息子の死を覚悟したという。

しかしそんな危険な状態にもかかわらず、オスカー君の担当医は「セラピードッグに会わせてみたらどうか?」と勧め、さらに「オスカー君にはあなたの声が聞こえているから話しかけ続けて」と付け加えた。ゾーイさんは医師に言われた通り、オスカー君に「セラピードッグに会わせるから」と何度も約束して話しかけた。

そして8歳のゴールデン・レトリバーでセラピードッグの“レオ”が、ハンドラーのリンジー・ウーグロウさん(Lyndsey Uglow)と一緒にオスカー君のもとを訪れた。リンジーさんはオスカー君の身体についたチューブを保護するためにマットを敷いて、レオの前足をそっとオスカー君の手の上に置いた。

すると驚くことに、危険な数値まで上昇していたオスカー君の心拍数がみるみる下がっていったのだ。ゾーイさんは当時のことを「その時オスカーの心拍数が下がったのです。本当に素晴らしかった…。集中治療室にいた医師は思わず涙していました。オスカーは頭を動かさず微動だにしなかったのですが、微笑んでいたのです」と振り返っている。

それからというものレオはオスカー君から離れようとせず、いつも彼のベッドのそばで眠ろうとした。ハンドラーのリンジーさんが病院を離れる際、レオを抱えるようにして連れて帰るほどだった。

レオの愛が通じたのか、オスカー君はみるみるうちに回復し危険な状態を脱することができた。そして退院した後もオスカー君とレオは友情を育み、3年経った今のオスカー君は、学校に行くことができるまで回復した。ゾーイさんは「オスカーとレオは驚くべき絆を築き上げました。レオは本当に大きな意味で私たちを救ってくれたのです。セラピードッグは全国に広めるべきです」と語っている。

そんなレオは、イギリスで開催される世界最大のドッグショー「クラフツ(Crufts)」の一般投票によるコンテスト“子供たちのチャンピオン”のカテゴリー「Friends for Life」部門に参加している。このコンテストは人と犬の関係を称えるものであり、レオは子供をサポートしポジティブな影響を与えた犬というカテゴリーで最終選考に残っているようだ。なお結果は今月8日に発表される予定とのことだ。

画像は『Mirror 2020年3月5日付「Boy, 3, with rare brain condition recovers after therapy dog places paw on his hand」(Image: Lyndsey Uglow)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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