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【海外発!Breaking News】病気の父のため兵士の息子がサプライズ帰国 元同僚警官のサポートで涙の再会(米)<動画あり>

TechinsightJapan 2020年5月17日 21時45分

筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断され、自分の力では十分に呼吸ができなくなった父のため、イラクに米軍兵士として派遣されていた息子がサプライズで自宅に戻った。元同僚の警察官らも一肌脱いだ親子の再会は、『Fox News』『Good Morning America』などのメディアが伝え拡散している。

米カリフォルニア州フレズノ在住のヘスース・サリナスさん(Jesus Salinas、53)は昨年9月、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断された。ALSは筋肉を動かすための神経(運動ニューロン)が侵され、次第に自発呼吸ができなくなる難病で、進行を遅らせることはできても完治は難しいとされている。

ヘスースさんには22歳の息子のジョーダンさんがおり、告知を受ける2か月前に米軍の特技兵としてイランに派遣されていた。当時ヘスースさんは歩くことや話すことも可能で、声がかすれるなどの症状があったものの「副鼻腔炎に罹ったのだろう」とさほど気にも留めなかったという。

しかし9月に病名が判明すると症状が急激に悪化し、ヘスースさんは話すことができなくなり、車椅子が欠かせなくなる。また右前腕の力が入らなくなり、人工呼吸器を装着するようになった。日常生活に支障が出るようになったヘスースさんは今年1月、警察官として20年間勤めたフレズノ警察署を辞める決意をしたのだった。

3月末、ヘスースさんは血液中の二酸化炭素レベルが高くなり、集中治療室に入院した。予断を許さない状態が続いたが、4月2日には退院し自宅でケアを受けることになった。帰宅するにあたりヘスースさんのきょうだいのノルマさん、義理のきょうだいのステファニーさん、妻サラさんは話し合いを持ち「あとどのくらい生きられるか分からない。せめて残された時間は楽しい思い出を作っていこう」とみんなで支えることを誓い合った。

そしてノルマさんとステファニーさんは「ジョーダンをサプライズで帰国させたい」と動き出した。2人は米赤十字社に連絡を取り、退役軍人省のサポートを受けながら手配を始めたのだった。またフレズノ警察署にも出向き「ジョーダンの帰国を祝うささやかなパレードをしてもらえないか」と依頼した。誰もが「ホームカミングを特別なものにしたい」と協力的だった。

こうしてヘスースさんの退院から1か月後の5月2日、ノルマさんとステファニーさんはヘスースさん夫妻に「きょうだいが新しいバイクを購入したから見てみよう」と声をかけ、家の外に連れ出した。

するとそこに待ち構えていたのはフレズノ警察署のパトカーの一行であった。元同僚らがパトカーで自宅前を次々と通り過ぎていくのを見て、ヘスースさんが驚いたのは言うまでもない。

しかし列の最後尾のパトカーは粋なサプライズを用意しており、乗っていた警察官がマイクを使ってこう述べたのだ。

「フレズノ警察署を代表し、今日こうしてあなたを称えることができとても光栄です…。私たちはあなたにプレゼントを持ってきたんですよ。」

その直後、パトカーの後部座席から軍服を着たジョーダンさんが突然姿を現したのだ。ジョーダンさんはヘスースさんのもとに歩み寄ると、約10か月ぶりに愛する父をしっかりと抱きしめた。嬉し涙の再会だった。

ヘスースさんは「あの時はとても感情的になってしまってね。神様が私の願いを叶えてくれたんだと思ってるよ。本当に嬉しかったね。今は調子が良い時もあれば、悪い時もある。ただALSを患っていてもALSに屈することはないよ。私は元海兵隊でもあるんだ。だから絶対あきらめない。この病気と最期まで闘うよ」と述べ、こう続けた。

「5月はALS啓発月間なんだ。この病気の認知度が高まり、治療法が見つかることを祈っているよ。」

なおヘスースさんはALS患者専用のアプリを使ってコミュニケーションをとることが可能で、28日間の休暇が認められたジョーダンさんと親子水入らずの時間を過ごしているそうだ。



画像は『Good Morning America 2020年5月12日付「Retired police officer with ALS reunites with military son during surprise parade」(Joseph Facio Sr)(Stephanie Ocegueda)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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