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【海外発!Breaking News】頭蓋結合双生児、イギリスでの分離手術から5か月で帰国 もうすぐ2歳に(トルコ)<動画あり>

TechinsightJapan 2020年6月13日 5時45分

トルコ南部のアンタルヤで頭部が繋がったまま誕生し、昨年12月に英ロンドンで分離手術を受けた兄弟が今月10日、トルコに帰国した。手術により新しい人生をスタートした兄弟は今月21日に2歳の誕生日を迎えるという。

英ロンドンのグレート・オーモンド・ストリート病院(Great Ormond Street Hospital、GOSH)で昨年12月、頭蓋結合双生児のダーマン君(Derman)とイート・エヴレンセル君(Yigit Evrensel)の分離手術が行われた。

GOSHでは昨年2月、パキスタン出身の頭蓋結合双生児サファちゃん(Safa) とマルワ・ウッラちゃん(Marwa Ullah、当時19か月)の分離手術に成功しており、兄弟の手術には同じ医師らを中心に100人以上のチームが編成され、合計4回の大手術に40時間以上が費やされた。

医師らはバーチャルリアリティや3Dモデリング技術によって兄弟の脳、頭蓋骨、血管などを様々な角度から精査。最新技術を駆使し何度もシミュレーションを行うことで、より速く、確実な手術が可能になったという。

GOSHでの4度目の手術が終了したのは1月28日で、渡英しての手術はトルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領とエミネ夫人のサポートにより実現した。

兄弟の父オマーさん(Omer)は、2人の手術について『Channel 4 News』に次のように話している。

「妻が妊娠中、医師に中絶を勧められましたが私たちは同意しませんでした。どの医師からも『誕生しても生存の確率は低く、どちらかが命を落としてしまう可能性が高い。トルコでの手術は不可能だろう』と言われましたが、私は全てを受け入れ息子のために祈り続けました。」

「手術してくれる病院を必死に探していた時に、イギリスで手術する機会を与えられました。たくさんの人の協力で渡英し、手術後に2人を見た時は涙が溢れて止まりませんでした。分離された2人は好きな時に遊び、自分が行きたいところに自由に移動することが可能になりました。食事もしっかり摂ることができており、全てが順調です。手術によって2人は生まれ変わり、新しい人生をスタートしたのです。夢が叶って本当に嬉しく思っています。」

また母のファティマさん(Fatma)は「2人の誕生後は1秒たりとも目が離せず、ハグもできませんでした。1人だけテレビを見ていてももう1人は泣いていたり、同時にハイハイするとどちらかが身体をぶつけて怪我をしたりとこれまでは決して楽ではありませんでした。でももうそんな心配をすることはありません」と嬉しさを隠せない様子で語り、こう続けた。

「大きく変わったのは、お互いの顔を見ることができるようになったことでしょうね。それに以前はイートのほうが活発で、ダーマンは大人しかったのですが、手術後は性格が全く逆になりました。」

「2人が手術を受けることを可能にし、希望の光を与えてくれた全ての人々に感謝しています。」



GOSHによると、結合双生児は250万件の出生に1組の割合で誕生すると言われ、頭部が結合しているのはそのうちの5%、そのなかでも男児は3分の1未満と非常に稀だという。なお兄弟を担当した医師は、身体的な発達の遅れを懸念しており、「順調に回復はしているものの、長期的な経過観察が必要」と明かしている。



画像は『Hayley Barlow 2020年6月12日付Twitter「TONIGHT: the incredible story of conjoined twins Derman & Yigit Evrensel from Turkey, being treated at @GreatOrmondSt Hopsital.」「Brothers Yigit and Derman Evrensel were separated at the end of January and underwent months of treatment at the hospital before returning to Turkey this week.」』『Yeni Şafak 2020年6月10日付「Turkey: Conjoined twins return after medical op in UK」(Photograph: İlyas Tayfun Salcı)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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