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【海外発!Breaking News】18歳でカルトリーダーの65番目の妻となり、脱退した女性「今も虐待は続いている」(米)

TechinsightJapan 2020年6月23日 5時45分

モルモン教会の分派で一夫多妻制を掲げる「末日聖徒イエス・キリスト教会原理派(Fundamentalist Church of Jesus Christ of Latter Day Saints、FLDS)」のリーダー、ウォレン・ジェフス(64)に、12歳と15歳の少女への性的暴行罪などで終身刑と禁固20年の判決が下ったのは2011年のことだった。ウォレンは2004年、FLDSを脱退した元信者から訴えを起こされ、2006年に未成年者との結婚を強要したとしてFBIの「10大重要指名手配犯」となり逮捕、起訴されていた。そんなウォレンの65番目の妻で7年前にFLDSを脱退した女性が、ウォレンやFLDSについて語った。

現在服役中のウォレン・ジェフスは、妻50人、子供約80人の父だったルーロン・ジェフスが亡くなった2002年に46歳で父の跡を継ぎ、FLDSのリーダーとなった。逮捕される前のウォレンには79人の妻、65人以上の子供がいたと言われており、米ユタ州とアリゾナ州をベースにFLDSの信者を集め共同生活させていた。

ウォレンは施設内でのテレビやインターネットを禁止し、子供が遊ぶおもちゃ、女性が着る服や髪型を指定するなど厳しい規制を設けて信者を洗脳した。また「できるだけ多くの子供を産むことこそ女性の幸せ」と謳い、全ての信者の結婚相手はウォレンによって決められた。施設内はほとんどが自給自足で、子供たちは幼いうちから労働力として駆り出され、読み書きができないこともあったようだ。

そんなウォレンの65番目の妻となり、2013年にFLDSを脱退したブリエール・デッカーさん(Briell Decker、34)が、英メディア『Mirror』のインタビューに応じた。

ブリエールさんがウォレンと結婚したのは2004年、18歳の時だった。ルーロンの妻だったブリエールさんの姉は、ルーロンが亡くなってからはウォレンの妻になっており、姉妹で同じ夫を持つことになったブリエールさんのショックは大きかった。ブリエールさんは「小さい頃から、ウォレンに目をかけられているのは分かっていたわ。周りから『ウォレンの妻になるのも時間の問題よ』と言われ、悪夢を見ることもあったの。父に結婚式を執り行うことを告げられた時は拒絶したけど、ウォレンからの指示は絶対だった」と当時を振り返り、こう続けた。



「簡単な結婚式の後、ウォレンに部屋に呼ばれ『私の膝の上に座りなさい』と言われたの。身体が固まったわ。だって私はそれまで性教育を受けたこともなく、本当に無知だったから。幼い時に性的虐待を受けたことがあって、それが脳裏に蘇ったの。言葉も出なかった。それから数年間、ウォレンからは性的暴行を受け続けたわ。私は辛くていつも怒りに満ちていたの。」

「いつしか私はFLDSから異端児と呼ばれるようになり、そのうちラスベガス、テキサス州、サウスダコタ州などに連れて行かれ、逃げないように脅されたの。何度か脱走を試みたけど、そのたびに連れ戻され、抗精神病薬を飲まされて歩けなくなったこともあった。またFLDSのシニアメンバーから首を吊るロープを渡されて、自殺するように勧められたりもしたの。ウォレンは逮捕されてからも刑務所から細かい指示を出し続けて、権力を維持したの。彼の指示はどんどん厳しくなっていったわ。」

そして2013年、アリゾナ州コロラドシティでFLDS施設近くのトレーラーパークに監禁されていたブリエールさんは、ロックされていた窓のネジをハサミでこじ開けて脱走に成功。裸足のまま近所の家に駆け込み、FLDSの救済グループによって保護された。27歳のことだった。実はブリエールさんの名前はFLDSを脱退後に変えたもので、「私の両親、きょうだいはまだFLDSのメンバーで、家族とは脱退以来会っていない」と明かしている。



『Mirror』によると、ユタ州とアリゾナ州の境にあるショートクリーク付近にはまだ1万人ほどの信者が共同生活を送っているそうだ。男性は少なくとも3人の妻を持つことが奨励され、女性は男性のために子供をもうけ、FLDSに生涯をささげるよう教育を受ける。いとこ同士や、若い少女と年の離れた男性との結婚も多く、結婚相手を前日に告げられることも珍しくないそうだ。

ちなみにウォレンの息子ロイさんは、6歳から父親からの性的暴行が始まり、精神的虐待を日常的に受けたとしてFLDSを脱退し、2019年に26歳で自殺している。また娘のレイチェルさんも8歳から16歳までウォレンから性的虐待を受けたこと、18歳で父親が選んだ相手との結婚を強要されたことなどを明かしており、夫との間にできた5人の子供を連れてFLDSを脱退している。

2013年に脱退を果たしたブリエールさんは2017年、ユタ州ヒルデールの3階建ての住宅を購入し、FLDSを脱退した元信者らをサポートする「ショートクリーク・ドリームセンター(Short Creek Dream Center)」を運営している。この住宅はもともとウォレンが所有していた物件で、ブリエールさんがFLDS信者として生活していた場所でもあった。現在ブリエールさんは、スティーブンさんという男性と結婚して幸せに暮らしており、最後にこう締めくくった。

「FLDSは今でもウォレンをリーダーに据え、その思想にコントロールされているの。若い少年少女が幼くして性的虐待を受け、社会から隔絶されて生活しているのよ。ウォレンはなぜ権力を悪用したのか…。FLDSは悪の温床であり、腐敗しているわ。私にできることは、1人でも多くの信者をFLDSから救い出すことよ。」

画像は『Mirror 2020年6月20日付「Eerie picture that haunted sex cult survivor after she became maniac’s 65th wife at 18」(Image: Briell Decker)』『KUTV 2019年8月11日付「Did Warren Jeffs have a mental breakdown in prison?」(Photo: Clark County Police Dept. / via MGN Online)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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