2年前からトランスジェンダーとして生きる25歳の男性が、『Good Morning America』のインタビューに応じた。男性は目と耳が不自由な犬を飼っており、「障がいを持ちながらも人生を目一杯楽しんでいる愛犬は自分と一緒。他とは違っても前向きに生きていきたい。そして周りの人には違いを受け入れてもらいたい」と熱い想いを語った。
米テネシー州ナッシュビル在住の獣医助手エイデン・マイケル・マンさん(Aiden Michael Mann、25)は、生まれつき目と耳に障がいがあるミニチュア・オーストラリアン・シェパードのメス犬“プラム(Plum)”を飼っている。エイデンさんがプラムと初めて会ったのは2019年7月のことで、プラムの里親でレスキュー活動をしている同僚が職場に連れてきたのがきっかけだった。当時生後6か月だったプラムは生まれつき目や耳に障がいがあり貰い手が見つからずにいたが、エイデンさんがプラムに一目惚れして引き取った。
エイデンさんはプラムの障がいについて、次のように述べている。
「プラムは“ブルーマール”という青みがかかった大理石のような毛色を持つ犬を作るために、ブリーダーがブルーマール同士を交配させて誕生した“ダブルマール”なのです。ブルーマール同士の繁殖では子犬の25%がダブルマールになり、死産や奇形、目や耳の障がい、虚弱体質など多くのリスクを抱えてしまうのです。」
「ダブルマールのプラムは生まれつき耳が聴こえず、目に障がいもあります。プラムを飼い始めた当初は言葉や音、ジェスチャーでのコミュニケーションが取れないため、躾などは試行錯誤や失敗の繰り返しでした。ただプラムはとても活発で、元気で、恐れを知りません。プラムの身体中から『人生を目一杯楽しみたい』というオーラが出ているんです。」
「我が家でプラムの目の代わりになっているのは、5年前から飼っているスタッフォードシャー・ブル・テリアとグレートデンのミックス犬の“ローラ(Lola、5)”です。2頭は大の仲良しで、ローラはプラムの面倒をよく見てくれるんですよ。」
エイデンさんは「障がいがあるからという理由で、人生を楽しめないということはない」と言い切り、「プラムには優しくタッチすることでコミュニケーションを取っています。たとえば『お座り』の時には顎の下を触り、プラムを起こす時にはそっと息を吹きかけるのです。起きたばかりのプラムは全身で甘えてくるんですよ」と嬉しそうに語っている。
愛情を一身に受けるプラムがエイデンさんに寄せる信頼は相当なもので、エイデンさんは「一緒に散歩に行くと、プラムは息を切らして全速力で走ります。『どこに行くかわからないけど、ダッド(父さん)を信頼しているからよろしくね』とそんな勢いなんですよ」と笑う。
実に頼もしいエイデンさんだが、「物心ついた頃から、心と身体の性が一致しないことで悩み続けました。でも2年前の夏にカミングアウトし、男性になるための治療を始めました。それからは自分が男性になる過程をSNSで包み隠さず公表しています」と明かした。
そしてその言葉通り、エイデンさんのSNSには男性ホルモン開始1日後から2年後までの身体の変化や、乳房除去前後の写真や動画などが多数投稿されている。エイデンさんのSNSを見たトランスジェンダーの人の中には、エイデンさんの生き様を見て自殺を思いとどまった人もいるそうで、エイデンさんは最近になって恋人ができたことも明かしている。
今ではどこから見ても男性のエイデンさんだが、トランスジェンダーであることに強いこだわりを見せる。
「心無い言葉を掛けられたり、偏見の目で見られることが度々あります。でも自分がトランスジェンダーであることを隠すことはしたくないのです。自分に正直に、前向きに生きることで、他の人をインスパイアし、トランスジェンダーであることを多くの人に受け入れてもらいたいのです。時には『過去に女性であった事実を全部消し去って、男性として一からスタートすればいいんじゃない?』と言われることもありますが、それでは自分の存在を消し去ることになってしまいます。私はトランスジェンダーであることを誇りに思っているのです。『そうは言われても、どうしても嫌い』というのなら、それはもう仕方がないことだと思っています。」
エイデンさんは最後に、障がいを持つプラムと自分自身とを次のように比較している。
「プラムは障がいを持っていても精いっぱい生きています。そんなプラムと自分はとてもよく似ていると思うのです。私が一番伝えたいことは『どんなに他とは違っていても、誰もが愛し愛され、幸せな人生を送るチャンスを与えられるべきだ』ということです。障がいを持っていても、トランスジェンダーや自閉症であっても、私はみんなに違いを受け入れてもらいたいのです。そして他の人と同じように愛し、思いやりを持って接してもらえればと願っています。」
なお『Good Morning America』の動画では、エイデンさんが寝ているプラムを起こす様子や、男性ホルモンのテストステロンにより変化していく様子などが紹介されている。
画像は『Aiden Michael Mann 2020年7月29日付Instagram「5yr challenge.」、2019年11月23日付Instagram「2009→2019 #10yearchallenge」、2020年7月7日付Instagram「Loving a dog will not change the world, but for that dog their world will change forever」、2020年7月1日付Instagram「Some before and afters.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
米テネシー州ナッシュビル在住の獣医助手エイデン・マイケル・マンさん(Aiden Michael Mann、25)は、生まれつき目と耳に障がいがあるミニチュア・オーストラリアン・シェパードのメス犬“プラム(Plum)”を飼っている。エイデンさんがプラムと初めて会ったのは2019年7月のことで、プラムの里親でレスキュー活動をしている同僚が職場に連れてきたのがきっかけだった。当時生後6か月だったプラムは生まれつき目や耳に障がいがあり貰い手が見つからずにいたが、エイデンさんがプラムに一目惚れして引き取った。
エイデンさんはプラムの障がいについて、次のように述べている。
「プラムは“ブルーマール”という青みがかかった大理石のような毛色を持つ犬を作るために、ブリーダーがブルーマール同士を交配させて誕生した“ダブルマール”なのです。ブルーマール同士の繁殖では子犬の25%がダブルマールになり、死産や奇形、目や耳の障がい、虚弱体質など多くのリスクを抱えてしまうのです。」
「ダブルマールのプラムは生まれつき耳が聴こえず、目に障がいもあります。プラムを飼い始めた当初は言葉や音、ジェスチャーでのコミュニケーションが取れないため、躾などは試行錯誤や失敗の繰り返しでした。ただプラムはとても活発で、元気で、恐れを知りません。プラムの身体中から『人生を目一杯楽しみたい』というオーラが出ているんです。」
「我が家でプラムの目の代わりになっているのは、5年前から飼っているスタッフォードシャー・ブル・テリアとグレートデンのミックス犬の“ローラ(Lola、5)”です。2頭は大の仲良しで、ローラはプラムの面倒をよく見てくれるんですよ。」
エイデンさんは「障がいがあるからという理由で、人生を楽しめないということはない」と言い切り、「プラムには優しくタッチすることでコミュニケーションを取っています。たとえば『お座り』の時には顎の下を触り、プラムを起こす時にはそっと息を吹きかけるのです。起きたばかりのプラムは全身で甘えてくるんですよ」と嬉しそうに語っている。
愛情を一身に受けるプラムがエイデンさんに寄せる信頼は相当なもので、エイデンさんは「一緒に散歩に行くと、プラムは息を切らして全速力で走ります。『どこに行くかわからないけど、ダッド(父さん)を信頼しているからよろしくね』とそんな勢いなんですよ」と笑う。
実に頼もしいエイデンさんだが、「物心ついた頃から、心と身体の性が一致しないことで悩み続けました。でも2年前の夏にカミングアウトし、男性になるための治療を始めました。それからは自分が男性になる過程をSNSで包み隠さず公表しています」と明かした。
そしてその言葉通り、エイデンさんのSNSには男性ホルモン開始1日後から2年後までの身体の変化や、乳房除去前後の写真や動画などが多数投稿されている。エイデンさんのSNSを見たトランスジェンダーの人の中には、エイデンさんの生き様を見て自殺を思いとどまった人もいるそうで、エイデンさんは最近になって恋人ができたことも明かしている。
今ではどこから見ても男性のエイデンさんだが、トランスジェンダーであることに強いこだわりを見せる。
「心無い言葉を掛けられたり、偏見の目で見られることが度々あります。でも自分がトランスジェンダーであることを隠すことはしたくないのです。自分に正直に、前向きに生きることで、他の人をインスパイアし、トランスジェンダーであることを多くの人に受け入れてもらいたいのです。時には『過去に女性であった事実を全部消し去って、男性として一からスタートすればいいんじゃない?』と言われることもありますが、それでは自分の存在を消し去ることになってしまいます。私はトランスジェンダーであることを誇りに思っているのです。『そうは言われても、どうしても嫌い』というのなら、それはもう仕方がないことだと思っています。」
エイデンさんは最後に、障がいを持つプラムと自分自身とを次のように比較している。
「プラムは障がいを持っていても精いっぱい生きています。そんなプラムと自分はとてもよく似ていると思うのです。私が一番伝えたいことは『どんなに他とは違っていても、誰もが愛し愛され、幸せな人生を送るチャンスを与えられるべきだ』ということです。障がいを持っていても、トランスジェンダーや自閉症であっても、私はみんなに違いを受け入れてもらいたいのです。そして他の人と同じように愛し、思いやりを持って接してもらえればと願っています。」
なお『Good Morning America』の動画では、エイデンさんが寝ているプラムを起こす様子や、男性ホルモンのテストステロンにより変化していく様子などが紹介されている。
画像は『Aiden Michael Mann 2020年7月29日付Instagram「5yr challenge.」、2019年11月23日付Instagram「2009→2019 #10yearchallenge」、2020年7月7日付Instagram「Loving a dog will not change the world, but for that dog their world will change forever」、2020年7月1日付Instagram「Some before and afters.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)