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【海外発!Breaking News】ボタン電池誤飲の3歳女児、食道に穴が開き大動脈まで達し死亡(豪)

TechinsightJapan 2020年10月25日 5時45分

玩具、タイマー、リモコン、電子ゲームなど子供が簡単に手にできる製品に使われているボタン電池の誤飲で、オーストラリアに住む3歳女児が死亡した。両親は『ABC(Australian Broadcasting Corporation)』『NZ Herald』などのインタビューで、ボタン電池の安全対策の強化や規制を訴えている。

豪クイーンズランド州に住むロレインさん(Lorraine)とデイビッド・コンウェイさん(David Conway)は7月28日、末っ子で3歳のブリトニーちゃん(Brittney)をボタン電池の誤飲で亡くした。

ブリトニーちゃんに最初に異変が現れたのは亡くなる3週間前の7月6日のことで、ロレインさんに「ママ、喉が痛いの」と訴えると嘔吐した。ロレインさんはブリトニーちゃんが少し前に舐めていたロリポップキャンディ(大きな丸いペロペロキャンディ)を喉に詰まらせたのかと思い様子を見ていたが、その後も2度嘔吐したため、かかりつけ医に電話で相談をした。

医師はロレインさんに「きっと食中毒でしょう」と告げたが、その翌日に食事を終えて車に乗ったブリトニーちゃんは突然鼻血を出し、胸を押えて苦しみだした。ブリトニーちゃんは前屈みになると「ママ、胸がもの凄く痛い」と言って悶え始め、驚いたロレインさんはゴールドコーストにあるロビーナ病院の緊急治療室へと車を走らせた。

病院でロレインさんは、ブリトニーちゃんがどのように苦しみだしたのかを再現して説明。胸のレントゲンを撮ってくれるようお願いしたものの、医師はブリトニーちゃんの身体をしっかり診ることもせずにこう言った。

「きっとウイルスにやられたんでしょう。とにかく少し様子をみましょう。ウイルスであれば3~5日もすればよくなりますよ。」

こうしてブリトニーちゃんは、病院で4時間ほど監視下に置かれた後に自宅に戻されてしまった。しかしこの日にレントゲンを撮らなかったことを、ロレインさんは一生後悔することになる。

ブリトニーちゃんはその後、食事をすると嘔吐するようになり、7月10日にかかりつけ医の診察を受けたが、ここでもまた「ウイルスですよ」と診断された。

そして喉の痛みを訴えてから9日目の夜、食欲もなくなり回復する様子が見られないブリトニーちゃんが寝室で酷く咳き込んでいるのをロレインさんは耳にした。慌てて駆けつけたが、そこで目にしたのは大量に吐血して意識を失い、血の海の中で倒れているブリトニーちゃんだった。

ブリトニーちゃんは救急車でゴールドコースト・ユニバーシティ病院に搬送され、ロレインさんから症状を聞いた医師らはすぐにレントゲン検査を行った。そしてここで初めて、ブリトニーちゃんの胸部にボタン電池があることが判明したのだった。誤飲したボタン電池はブリトニーちゃんの食道に穴を開けて大動脈にまで達しており、医師らは9時間をかけて摘出手術を行った。しかしブリトニーちゃんの状態は思わしくなく、その後クイーンズランド小児病院で再び手術が行われたが、28日に亡くなった。



ブリトニーちゃんが誤飲したボタン電池(コイン型リチウム電池)は、誤飲して食道に停滞すると約2時間で重度の化学やけどを引き起こし、食道に穴を開けたり重篤な合併症を引き起こすことがある。また体内で放電して腐食するため、摘出後も最低1か月は注意深い観察が必要であるという。

オーストラリアでは2013年以来、ボタン電池の誤飲による死亡事故が3件(ブリトニーちゃんを含む)起きており、ロレインさんは政府にボタン電池の規制を求めるとともに、幼い子を持つ保護者らに注意喚起している。

画像は『ABC(Australian Broadcasting Corporation) 2020年10月23日付「Grieving Gold Coast couple's warning to other parents about lethal button batteries after death of 3yo Brittney」(Supplied: Lorraine Conway)(ABC Sunshine Coast: Annie Gaffney)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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