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【エンタがビタミン♪】ぺこぱ松陰寺、悔しさ堪えた葬儀屋のバイトで“ノリツッコまない”を発想 シュウペイは小峠の指摘に「危機を感じた」

TechinsightJapan 2020年11月21日 20時50分

お笑いコンビ・ぺこぱ(シュウペイ、松陰寺太勇)が、11月20日放送のTBS『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』に出演して長い下積み時代からブレイクするまでを再現VTRとともに振り返った。松陰寺太勇とシュウペイにはそれぞれ転機となる出来事があったようだ。

松陰寺太勇が本名の松井勇太から付けた「松井祭」の芸名でピン芸人をしていた23歳の時、バイト先の居酒屋で新人のシュウペイ(当時19歳)と出会いお笑いコンビを組まないかと誘った。ギャル男だったシュウペイはモデルでタレントのJOYに憧れておりお笑いに興味は無かったが、松陰寺の熱意に押されてコンビ「先輩×後輩」を組んだ。松陰寺はシュウペイを見て「圧倒的な明るさ」に可能性を感じたという。

松陰寺は師匠と慕う先輩芸人・TAIGAの教え「人と違うことをやれ」を守っていろいろなネタやキャラクターを試し、周囲の芸人たちから「また変なことやってるな」と揶揄されながらも、ついに「ノリツッコまない」漫才を見出した。

それは長年バイトしていたカレー屋の閉店がきっかけだった。生活費を稼ぐために35歳で葬儀屋のバイトをはじめた松陰寺。20代の先輩職員たちから「芸人やってるの? ぺこぱなんて聞いたことないな。それよりそのテーブル運んどいて」と命じられ「はい、わかりました」と頭を下げながら、心の中で「全部自分が売れていないことが悪いんだ」と言い聞かせていた。

その時、松陰寺の脳裏に「バカにしてくるのが悪い。とも言い切れない。知られていないオレが悪いんだ」というフレーズが浮かんだのである。これが「ノリツッコまない」の原点になったという。



演出家で放送作家の喰始さんからアドバイスされて女物の派手な着物にメイクというスタイルでネタを披露していた松陰寺が、この格好で「なんでだよ!」「おかしいだろ!」とツッコんだら客は「お前が言うな」となって面白いのではないかと考えた。

ところがシュウペイに「おかしいだろ!」とツッコんでみたところ客席はシーンとして変な空気になってしまい、松陰寺が咄嗟に「いやおかしいだろ…って思ってるのは俺だけなのかもしれない」と重ねたところ笑いが起きた。ステージで初めて「ノリツッコまない」を形にして手応えを感じた瞬間である。

一方のシュウペイにも転機となることがあった。そもそも松陰寺がネタを一生懸命考えている間も、「バイト仲間と楽しく遊んでプライベートを充実させていた」と言い切るほどお笑いに関心がなかったシュウペイ。

2015年8月から9月まで放送されたNHK BSプレミアム『爆笑ファクトリーハウス 笑けずり』は、オーディションで選ばれた9組の若手芸人がネタを審査されて毎週1組ずつ落とされていくシビアなお笑いドキュメンタリーだった。

9月1日の放送でぺこぱがネタを披露したところ、講師の小峠英二(バイきんぐ)がシュウペイのツッコミを「後半とかもっと熱を上げていったほうがいい。ツッコミもテンションを上げたらもっとエネルギッシュなネタに仕上がるのではないか」と指摘した。

小峠は『金スマ』のインタビューでその時のことを「単純に言うと下手くそでしたよシュウペイ」と振り返り、まるで台本を追っているように心が感じられないツッコミで「まだすごい素人感があった」という。

シュウペイは当時のことを思い出して、「テレビであからさまに自分のダメなところを言われるのって恥ずかしい。ムカつくとかではなく『ヤバい』って自分の危機を感じた」と話していた。

その後も紆余曲折ありながら、松陰寺とともにこれからは「ノリツッコまない」に集中して行こうと決意したシュウペイは「松陰寺さんがネタを終わるまで隣でボーッとしている大事な役割に気づいた」と話しており、ようやく立ち位置に自信を持てたようだ。

思えば小峠から「ボケのテンションに合わせて、ツッコミもテンションを上げていったらどうだ」と指摘されたことにより危機感を覚えてから、お笑いを真剣に考えるようになったのかもしれない。

『笑けずり』からおよそ1年後、2016年7月5日放送のTBS『有田ジェネレーション 濃厚キャラ芸人を発掘!』にぺこぱが出演した際、審査委員長の有田哲平(くりぃむしちゅー)は出演した4組の芸人のうち「シュウペイ以外は合格」と発表。シュウペイは小峠預かりとして「小峠軍団」に入れられた。

今回の『金スマ』で小峠英二がゲストに呼ばれたのは、シュウペイとのそんな縁があるからだろう。MCの中居正広にいじられてシュウペイが滑った時に、小峠が「今のは(振った)中居さんが悪いですよ」と助け船を出す微笑ましい一幕もあった。

ぺこぱは昨年12月22日に『M-1グランプリ2019』で最終ラウンド進出を果たし、3位となったことをきっかけにブレイクする。その『M-1』で審査員の松本人志が「ノリ突っ込まない」と評したことで、ぺこぱの漫才スタイルがそう呼ばれるようになったのだから感慨深い。

ちなみに『金スマ』の視聴者からはTwitter上で、「ぺこぱ、再現VTRで使われてる劇場で見てたけど本当に、あの地下の劇場で彼らだけが売れることを諦めてないって感じがしてたなあ…」という声をはじめ、「やっぱ皆努力しているんだよね 今夜ぺこぱを更に好きになったわ」、「ぺこぱ頑張ってきて良かったね しゅーぺいさんはきっと中居くんのお気に入りになったんだと思う」などの反響があった。

画像2、3枚目は『有田ジェネレーション公式Instagram 2019年2月27日付Instagram「ぺこぱ」、2018年11月6日付Instagram「明日は…大江戸温泉物語」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

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