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【海外発!Breaking News】北朝鮮で漁船の船長が公開処刑か 理由は海外のラジオを聞いていたため

TechinsightJapan 2020年12月22日 15時21分

北朝鮮では、市民は我々が使うインターネットではなく北朝鮮国内でのみ使用できるイントラネットを使用している。そのためGoogle検索はもちろんのこと、FacebookなどのSNSによる情報を得ることができないそうだ。これは北朝鮮当局における徹底的な情報統制のためだと言われている。そしてこのほど、同国の漁船の船長が沖合で海外のラジオを聞いていたために当局によって処刑されてしまったという。『Radio Free Asia』『New York Post』などが伝えた。

米政府系ラジオ放送局『ラジオ・フリー・アジア(RFA)』が今月17日、「北朝鮮当局がRFAを聞いていた漁船の船長を公開処刑した」と伝え、多くのメディアが注目した。

RFAによると今月16日に北朝鮮の北東部に位置する咸鏡北道の法執行機関の当局者から、本件についてRFA韓国サービスに報告があったとのことだ。その情報によると、名前が「チェさん」とだけ伝えられている40代の男性が、今年10月中旬に北朝鮮では禁止されている海外のラジオを聞いていたことにより、当局によって公開処刑されたという。

当時チェさんは50隻もの漁船を管理する船長として働いており、海洋に出ると度々禁止されていた海外のラジオを聞いていたそうだ。実はチェさん、若かりし頃に軍で無線通信士として働いており、24歳の頃から15年間ほどRFA含む海外ラジオを聞いていたようだ。

チェさんは「海外のラジオを聞くことによって若い頃の思い出がよみがえってくる」と話していた。ところが船員の中にチェさんに不満を抱く者がおり、北朝鮮当局にラジオを聞いていることを密告されてしまった。その後チェさんは清津市の港で、水産加工工場の従業員や他の船長、管理者などおよそ100人が見ている前で当局によって銃殺された。

RFAに寄せられた情報によると、当局は治安統制のための再教育をチェさんに施すには年齢的に遅すぎると判断したため、処刑するに至ったという。

北朝鮮当局では海外ラジオを含む米政府系ラジオのRFAを聞くことを市民に固く禁じているが、実際には海外ラジオに興味を持つ人が多く、一部の漁業関係者は沖合に出ると海外ラジオを楽しむ人がいる。そのためチェさんを公開処刑することによって、他の市民に「海外のラジオを聞くことは死を意味する」ことを見せつけたかったのではないかと考えられている。

画像は『Radio Free Asia 2020年12月17日付「North Korea Executes Fishing Fleet Captain for Listening to RFA」(RFA/Rebel Pepper)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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