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【海外発!Breaking News】推定75歳 世界最高齢のアホウドリにひなが誕生 研究者や愛鳥家が大注目(米)

TechinsightJapan 2021年3月9日 4時0分

このほど“ウィズダム(Wisdom)”という名前で愛される世界最高齢のアホウドリが卵を産み、ひなが孵ったというニュースが届いた。その姿が確認されてから70年以上が経過しており、推定75歳と言われているウィズダムには研究者や愛鳥家たちから関心が集まっている。『The Guardian』『New York Post』などが伝えた。

確認されている限りで“世界最高齢の野鳥”として知られているコアホウドリ(Laysan albatross)のウィズダムは先月1日、ハワイ諸島ミッドウェー島で観察していた生物学者によってひなが卵から孵ったことが確認された。

ミッドウェー島では毎年10月になると、100万羽以上のアホウドリが同じ巣に戻ってきて繁殖活動を行う。アメリカ合衆国魚類野生生物局(U.S. Fish and Wildlife Service)の生物学者ベス・フリントさん(Beth Flint)は「アホウドリは一夫一妻制です。片方が長生きして相手が死んでしまった場合には、今回のように必要に迫られて新しい相手を見つけるのです」と明かした。

今回のウィズダムの相手は“アケアカマイ(Akeakamai)”というアホウドリで、2012年からこの2羽が協力して何羽かのひなを産んできたことが観測されている。同局は「私達はウィズダムにはアケアカマイの他にも相手がいると考えています」と話している。

コアホウドリの平均寿命は62年と言われていることから、ウィズダムは超長寿にあたる。ウィズダムの長生きについては研究者や鳥好きの間で話題となっており、ウィズダムが卵を産むたびに最高齢産卵の記録を更新しているのだ。



オーストラリアの野鳥保護団体(BirdLife Australia)で広報を担当するショーン・ドゥーリーさん(Sean Dooley)は、今回のニュースについて次のようにコメントしている。

「ウィズダムは2年に1回しかミッドウェー島に戻らないので、ウィズダムが再び子育てするのを本当に楽しみにしていました。近年、気候変動により海水温が上昇したことで、アホウドリはエサを探すために海水温の低い場所を求めて飛行範囲を広げざるを得なくなっています。これはアホウドリに限らず、海鳥にとって大きな脅威になっています。」

ベスさんも「ウィズダムがミッドウェー島に戻ってくるたびに、海鳥の寿命やいくつまで子育てができるのかなどの新しい知見を得ることができます。ウィズダムは私達を楽しませてくれるだけでなく、海鳥の将来を守るための理解を深めてくれるのです」と明かした。

アメリカ合衆国魚類野生生物局が先月6日にTwitterでひなの誕生を報告すると、「70歳過ぎて子どもを産むなんてすごいな」「本当に自然の世界には驚かされるね」「高齢女性のことを見くびってはいけないよ」などのコメントが寄せられていた。

画像は『New York Post 2021年3月5日付「Albatross named Wisdom becomes oldest wild bird to lay chick at 75」(AP)』『USFWS Pacific Region 2021年2月6日付Twitter「Cute baby alert! Wisdom’s chick has hatched!!!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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