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【海外発!Breaking News】手術を受けて初めて言葉を発した6歳女児 「娘の個性がどんどん出てきた」と母親(南ア)

TechinsightJapan 2021年3月22日 13時46分

南アフリカのケープタウンに暮らすアシュリアさんとポールさん夫妻は、娘のステラちゃんが「ママ」「パパ」と呼んでくれる日を6年間待ち続けた。残念ながら最初の言葉は違っていたが、声とともに娘のことをどんどん知ることができる喜びに感謝しているという。『News24』などが伝えている。

ステラ・マイソンちゃんが生まれた時、その分娩室は静まり返っていた。医師は「へその緒が首に巻き付いていたからだ」と推測し、両親もすぐに産声をあげるものと思っていた。しかし誕生から数か月たってもステラちゃんは泣き声すらあげなかった。

生後3か月に行われた検査の結果、ステラちゃんは声門下狭窄を伴う先天性喉頭横隔膜症と診断された。声門下狭窄は喉にある輪状軟骨の形成異常で、先天性咽頭横隔膜症は喉の横隔膜に組織が層状に形成されてしまう症状である。この層状の膜は妊娠初期の段階で形成され成長とともに消えていくが、ステラちゃんの場合は消えなかった。医師はすぐに手術でその膜を取り除いたが、さらに悪い発見があった。人間の気道の中で最も太い気管が、ステラちゃんのそれは直径1ミリ以下しかなかったのだ。すぐに気管を広げる手術を行う必要があったが、医師に「ステラちゃんがもう少し成長するまで待たなければならない」と告げられてしまった。

そして手話で会話をしながら6年が経ち、ようやく手術を行う日がやってきた。ステラちゃんは思いをすべてうまく伝えることができなかったので自分の世界に閉じこもることもあったが、声が出せるようになれば娘が考えていることももっとわかるようになるはず―と両親は期待に胸を膨らませていた。

2020年3月、南アフリカはロックダウンの状況下にあったが、家族全員が手術の1か月前から自主的に隔離生活をしていたため、手術は予定通り行われた。肋骨にある軟骨の一部を取って気管に移植する手術で、これにより気管が広がり、喉頭が正常に働くようになるという。ステラちゃんの手術は成功し、その後集中治療室で6日間過ごしたのちに退院したが、移植した軟骨が気道の広がりを助けるため、4か月間はステントという金属をつけて過ごさなければならなかった。

そしてステントを外して声が出せるようになったのだが、記念すべき最初の言葉は「ママ」でも「パパ」でもなく「ハイエナ」だったそうだ。手術の前にクルーガー国立公園へ行ったステラちゃんは、どうやらハイエナが印象に残ったのだろうと見られている。その声はまだ弱々しいが、娘の個性がどんどん出てきたとアシュリアさんは嬉しそうに話しており、親ですら知らない6歳児らしいジョークを言って笑わせてくれるそうだ。最初の言葉にハイエナを選ぶあたり、ステラちゃんにはユーモアのセンスがうかがえる。

一時は「なんでうちの子が…」と落ち込んだこともあったアシュリアさんだが、今では「ステラが私の子供なんてすごくラッキーかも」と思っているという。またステラちゃんのように特別なケアが必要な子を持つ親に対してアシュリアさんは「同じ状況の人との支え合うことが大切、そして子供に起こっている痛みを分かち合い、悲しみを受け入れることが大事です」と述べたうえで、「他の子供と同じだと思わなくていいのです。だって同じじゃないんですから。子供だってわかります」とアドバイスを送っている。

画像は『News24 2021年3月18日付「Cape Town couple share the joy of hearing their daughter speak for the first time at the age of 6」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)

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