Infoseek 楽天

【海外発!Breaking News】肩まで流砂に呑まれた2歳児 「助けて!」と悪夢を見るほどのトラウマに(英)<動画あり>

TechinsightJapan 2021年8月11日 4時0分

普段は映画などフィクションの世界でしか見かけることのない、もがく人々を吞み込んでいく流砂や底なし沼。このほど砂浜を散歩していた一家が、全員流砂にとらわれてしまうという恐ろしい事故が発生した。2歳の男児も一緒に呑まれたといい、首まで埋もれてしまったその子は悪夢を見るほどのトラウマになってしまったと『Liverpool Echo』などが伝えている。

今月3日、英スタフォードシャー州ストーク=オン=トレント在住のマーニー=ラエ・ハービーさん(Marnie-Rae Harvey、22)は、2歳の息子であるフランク・ハービー君(Frank Harvey)、母親のキャサリン・ハービーさん(Catherine Harvey、48)、父親、姉妹と共にマージーサイド州リバプール北部にあるクロスビー・ビーチを訪れていた。

砂浜を散歩しようと一家は歩き始め、フランク君はキャサリンさんの夫である祖父と手を繋いで歩いていたという。ところが突如、フランク君の足が砂浜に沈み込んで靴が脱げてしまった。

キャサリンさんは「急いでフランクのもとへ駆け寄ると、フランクはさらに沈んでいったんです。マーニーがフランクを引き上げようとしましたがマーニー自身も沈んでいってしまいました。そして一緒にいた私を含め、みんな沈んでしまったんです」と当時の状況を明かした。

キャサリンさんたちが足を踏み入れてしまったのは、流砂だった。流砂は底なし沼とも認識されているもので、砂などの粒子と水の2つの物質が混ざり合ってできた状態のものを指す。表面上はしっかりとした見た目をしているものの、重みや振動によって崩れやすい構造となっている。

流砂は乾いた砂だけの状態よりも粒子間の隙間が大きく、踏んで圧力をかけると隙間に溜まっていた水が押し出され、粒子同士が結合して固まってしまう。このメカニズムは砂の城が形を保つことができる理由であり、尚かつ足を取られてしまう原因ともなる。

流砂は見た目には分かりにくく、『ナショナルジオグラフィック』もその危険性を動画にまとめている。レポーターが実験体となりレスキュー隊監視下のもと流砂に足を踏み入れると、ものの8分程で腰まで流砂に呑まれてしまった。

流砂に足を取られてしまった場合には圧力を分散させるため、深く沈んでしまう前に身体を横にさせるのが有効的な方法だという。半分ほど沈んでしまったレポーターが実践しているが、この時点では遅すぎるようで身動きが取れない様子だ。

その後、レスキュー隊員が3人がかりでレポーターの救助を行っており、抜け出すことの難しさがうかがえる。流砂自体で溺れることは少ないにしても、もし助けを呼べる状況でなければ厳しい気象環境にさらされることになり、熱疲労や低体温症に陥るリスクは高くなる。

キャサリンさんたちも抜け出そうと必死にもがいていたが身体はどんどんと沈み、ついには腰のあたりまで埋まってしまった。フランク君に至っては肩まで沈んでしまっていたという。

しかし幸いにもキャサリンさんの夫がかろうじて流砂から抜け出すことができ、急いで近くにいた人たちに助けを求めた。

「トラウマのような出来事だった」と明かすキャサリンさんは、夫が助けを呼びに行っている間にどうにか自身を奮い立たせ、流砂から抜け出すことができた。

「家族全員がショックを受けて呆然と座り込み、フランクも洋服を脱がなければならない状態で、ショックで震えていました。携帯やタオル、靴、カバンなど全てを沼に持っていかれてしまったので、ひたすら助けを求めて叫んでいましたね。」

そしてショックのあまりフランク君は意識を失ってしまい、一家は急いで近くのレジャーセンターにフランク君を運び込んで助けを求めた。

キャサリンさんは「ありがたいことに、私たちが到着してすぐに若い女性が救急車を呼んでくれ、私たちにシャワーを貸してくれました」と明かした。意識を取り戻したがショックで震えるフランク君を見た女性は、クッキーなどを手渡して落ち着かせようとしてくれたそうで、「素晴らしい対応でした」とキャサリンさんは感謝を述べている。

「それからフランクは悪夢を見るようになって、『動けないよ、助けて!』と叫んで目を覚まします。今は少し良くなりましたが、トラウマになってしまったようです。」

そのように明かすキャサリンさんは今回の事故を機に、注意を促す看板の設置や立ち入り禁止のロープを張るなどの対応をしてほしいと訴えている。

「私たちはこのビーチの近くに住んでいないので、ここがどういった場所なのか知らなかったのです。私たちが流砂に呑まれた前日にも同じことが起きていたという話も聞きました。」

「看板の設置や進入禁止エリアを作ることに加え、RNLI(王立救命艇協会:海での救命活動を行うイギリスのボランティア団体)の監視も強化してほしいですね。」



今回フランク君は周囲に大人がいたので助かったものの、もし1人で遊んでいる間の出来事だったらと考えるとゾッとする事故である。



画像は『Liverpool Echo 2021年8月5日付「Boy, 2, traumatised and ‘having nightmares’ after trip to Crosby Beach」(Image: Marnie-Rae Harvey)』『Metro 2021年8月6日付「Boy, 2, traumatised after getting trapped in quicksand on family trip to beach」(Picture: Liverpool Echo)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

この記事の関連ニュース