もし自分の顔に、今までには見られなかった糸状の塊が現れ、それが皮膚の下で動いていたとしたら…考えただけでもゾッとするようなニュースが飛び込んできた。9月2日付の医学雑誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)』が発表した症例を『7NEWS』が伝えた。
ドイツ在住の36歳の女性が左瞼の糸状の腫れに気付いたのは、出張のため中央アフリカ共和国から帰国した時だった。皮膚の下にできたその塊は形を変えて動いており、驚いた女性が病院で検査を受けたところ「ロア糸状虫症」を発症していることが判明した。
ロア糸状虫症は中央・西アフリカにみられるフィラリア感染症で、感染した吸血アブ(メクラアブ)が人間を刺すと幼虫(ミクロフィラリア)が体内に侵入、幼虫は血流に乗って体内を巡り皮下組織で成虫になる。成虫の体長は約3~7センチにもなり、幼虫を産み、皮下組織や結膜の下を移動する。
ロア糸状虫症のほとんどの感染者は無症状だが、この女性のように局所的な皮下腫脹が見られたり、成虫が眼を横切ったりすることで発見される。外科的に除去した成虫を調べることも診断の確定に繋がるが、女性のケースでは血液のサンプルを顕微鏡で調べたところ、動きの速い幼虫を多数確認したという。
なお医師は20日間かけて女性の治療を行っており、6か月後のフォローアップでは異常は見られなかったようだ。
ちなみに2018年には、ロシアの女性が「ディロフィラリア・レペンス(Dirofilaria repens)」という糸状の寄生虫に感染したことが報じられた。目の下にできた塊が顔の別の場所に移動したことで発見したという。
画像2枚目は『7NEWS 2021年9月3日付「Traveller’s horrifying find in EYE LID after returning from trip overseas」(Credit: New England Journal of Medicine)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
ドイツ在住の36歳の女性が左瞼の糸状の腫れに気付いたのは、出張のため中央アフリカ共和国から帰国した時だった。皮膚の下にできたその塊は形を変えて動いており、驚いた女性が病院で検査を受けたところ「ロア糸状虫症」を発症していることが判明した。
ロア糸状虫症は中央・西アフリカにみられるフィラリア感染症で、感染した吸血アブ(メクラアブ)が人間を刺すと幼虫(ミクロフィラリア)が体内に侵入、幼虫は血流に乗って体内を巡り皮下組織で成虫になる。成虫の体長は約3~7センチにもなり、幼虫を産み、皮下組織や結膜の下を移動する。
ロア糸状虫症のほとんどの感染者は無症状だが、この女性のように局所的な皮下腫脹が見られたり、成虫が眼を横切ったりすることで発見される。外科的に除去した成虫を調べることも診断の確定に繋がるが、女性のケースでは血液のサンプルを顕微鏡で調べたところ、動きの速い幼虫を多数確認したという。
なお医師は20日間かけて女性の治療を行っており、6か月後のフォローアップでは異常は見られなかったようだ。
ちなみに2018年には、ロシアの女性が「ディロフィラリア・レペンス(Dirofilaria repens)」という糸状の寄生虫に感染したことが報じられた。目の下にできた塊が顔の別の場所に移動したことで発見したという。
画像2枚目は『7NEWS 2021年9月3日付「Traveller’s horrifying find in EYE LID after returning from trip overseas」(Credit: New England Journal of Medicine)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)