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【海外発!Breaking News】中国元高官を告発し消息不明のテニス選手、国営メディアが最新写真を公開も物議を醸す

TechinsightJapan 2021年11月20日 14時20分

中国で元政府高官に性的関係を強要されたと告発した中国女子テニス界のスター選手である彭帥さん(ポン・シューアイ、35)が消息不明となっており、中国国内のみならず海外でもその安否が心配されている。そんな中、中国国営メディアのジャーナリストがSNSに彭さんの最新写真を投稿し、物議を醸している。『New York Post』『The Washington Post』などが伝えた。

中国・湖南省出身の女子プロテニス選手の彭帥さんは、2013年のウィンブルドン選手権と2014年の全仏オープン女子ダブルスで優勝するなど数々の栄光を勝ち取ってきた。しかしその彭さんが消息不明となり、世界中から心配する声があがっている。

彭さんは今月2日の夜、中国のSNS「微博(ウェイボー)」で中国共産党幹部だった張高麗前副首相(75)から性的関係を強要された後、不倫関係を続けていたことを告発して世間を驚かせた。ただしこの投稿は30分後に削除されてしまったという。

これに対して『The Washington Post』は「3日には彭さんの微博アカウントは表示されず、その真偽を確認することができなかった。微博が彼女のアカウントを検索からブロックしたり、彼女の投稿に対してコメントを不可にするなど、明らかなネット検閲の兆しが見られた」と伝えた。

3日に『The Washington Post』を含めた海外メディアが彭さんにコメントを求めたが、彼女が応じることはなかったという。その後、彭さんの消息が不明となり多くのファンが彼女の身を案じるようになった。また『聯合新聞網』などが、彭さんが妊娠しているために連れ去られたのではないか―といった内容を報じ、さらに彼女のファンを不安にさせたようだ。

彭さんが消息不明になったことが国外にまで伝わると、大坂なおみ選手やセリーナ・ウィリアムズ選手などトッププレイヤーらがSNSでハッシュタグ「#whereispengshuai(彭帥はどこに)」を付けて「彭さんの安否を確認するために調査を求める」といった声をあげている。

またWTA(女子テニス協会)の最高経営責任者であるスティーブ・サイモン氏(Steve Simon)は、今月14日の声明のなかで次のように述べた。

「中国の元高官による性的暴行があったという彼女の告発は、深刻な問題として取り組まなければならない。全ての社会において、彼女が主張したような行為はそのまま容認されることもやり過ごされることも許されるべきではない。きちんと調査されるべきだ。」

18日には中国国営メディア放送局の中国環球電視台(CGTN)が「中国のテニス界のスター、彭帥がWTAのCEOに電子メールを送りました」とTwitterに投稿し、彭さんの自筆だとされる電子メールのスクリーンショットを公開した。電子メールの一部には「現在自宅で休養を取っており何の問題もない」とし、「告発の内容は真実ではない」と綴られていたという。

しかしサイモン氏は、この電子メールに対して「我々が受け取ったメールは実際に彼女が書いたものとは信じがたい」と疑念を払拭できないでいるようだ。またこの事態をうけて19日、国際連合までもが彭さんの所在確認を中国側に求める事態となった。

ところが翌20日、中国国営メディアのジャーナリストが最近の彭さんだとする写真をTwitterに投稿し物議を醸した。投稿には「彭帥さんが最近、WeChatに3枚の写真とともに『良い週末を』と投稿しました。彼女の友人が(WeChatで)やり取りした際の3枚の画像をシェアしてくれました」と記されている。

写真には、自宅と思われる部屋でTシャツといったラフな格好で猫と遊んだりする彭さんの姿があった。しかしこの投稿を見た人たちから「北京は今とっても寒いの。たとえ暖房があっても、こんな服装(Tシャツ)は無理よ」「この写真は前のものかもしれないし、実際にライブ動画を配信する必要があるんじゃない」とこの写真が彭さんの安否が確認できるものではないと主張する声が届いた。

なおWTAのサイモン氏は、彭さんの問題について納得のいく説明がない限り中国市場からの事業撤退も辞さない構えのようだ。

画像は『Shen Shiwei沈诗伟 2021年11月20日付Twitter「Peng Shuai’s WeChat moments just posted three latest photos and said “Happy weekend”.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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