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【海外発!Breaking News】脳性麻痺で「歩行不可能」と言われた13歳少年、マラソンにも参加しインスパイアする存在に(豪)<動画あり>

TechinsightJapan 2021年12月23日 6時0分

超低出生体重児として生まれ、脳性麻痺で「歩くことも話すこともない」と言われた少年がマラソンに参加するまでになった。つらい訓練に耐え、“できない”を可能にしてきた13歳の少年の軌跡を『NAPA Center』『Good News Movement』などが伝え、多くの人に感動を届けている。

オーストラリア南東部ビクトリア州に住むトム・ローチ君(Tom Roach、13)は2008年、母ジェニファーさん(Jennifer)が妊娠29週の時に、体重953グラムの超低出生体重児として誕生した。

トム君は慢性肺疾患を抱えており、両親は医師に「生存率は1%以下」と告げられたが、メルボルン郊外のザ・ロイヤル・ウイメンズ病院の新生児集中治療室で290日を過ごし生き延びた。しかし退院したトム君は酸素吸入が欠かせず、運動発達に明らかな遅滞がみられ、2歳になると脳性麻痺との診断を受けた。

医師は「この子が歩けるようになることはないでしょうね」と過酷ともいえる宣告をしたが、両親は決して諦めることはせず、トム君は同地区の脳性麻痺サポートセンター(CPEC)で指先や身体をコントロールする訓練を開始、2012年には支えられればなんとか立つことができるようになった。

2013年7月になるとトム君は短期で渡米し、カリフォルニア州の小児理学療法施設「ナパ・センター(NAPA Center)」で集中トレーニングを受けた。15日間の訓練は決して楽ではなかったものの、ふらつきながらもなんとか一人で歩くことができるようになり、4か月後に2回目、2014年7月に3回目の訓練を受け、短い距離であれば小走りができるまで進歩した。



こうして2014年夏、トム君はメルボルンのキュー・プライマリー・スクール(小学校)に通い始め、その後は両親が「全く信じられない」と驚くほどの成長をみせた。

父アンドリューさん(Andrew)は「トムはゴールを決めたら突っ走る子でね。訓練は本当につらかった。だから小学校の初登校日に、自分の足で歩いて門をくぐったのを見た時は涙が出たよ」と当時のことを振り返り、息子がその後も地道に訓練を続けてきたことを明かしている。



トム君はこれまでに3週間のトレーニングを20回こなしており、障がい者のマラソンのほか、100メートル走、水泳、円盤投げ、砲丸投げ、走幅跳などにも挑戦、年齢別の記録を保持している種目もある。また2019年までに3キロのショートマラソンを10本走るという、CPECでは4人目となる偉業を達成、同年に表彰を受けていた。



トム君は当時のインタビューで「トレーニングはつらいよ」と明かすも、こんな力強い言葉を残している。

「インスピレーションが欲しい時は、大好きな映画『ファインディング・ニモ』のドリーを思い出すんだ。ドリーがずっと泳ぎ続けるように、僕もずっと進み続けるよ。」

「そして将来はまず、オリンピックに参加したい。そしてプロのスポーツ選手としてのキャリアを築いた後は、ジェットコースター専門の機械工学士になりたいな。」

なおトム君のこれまでの軌跡は、ナパ・センターが短い動画にまとめて今月18日にInstagramに投稿、次のような温かいコメントがあがっている。

「君こそインスピレーション! 心から誇りに思う。」
「素敵なクリスマスプレゼントをありがとう。」
「あなたのことを『生きる可能性が低い』とか、『歩くことができない』と言った人たちにこの動画を見せてあげたい。よくやった!」
「ここまでになるのは大変だったと思う。前向きな気持ちをずっと持ち続けて欲しい。」
「涙が止まらない。」
「両親、そして彼を支えてくれたたくさんの人たちにも感謝だね!」

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画像は『NAPA Center 2021年12月18日付Instagram「Tom was born at 29 weeks」』『Melbourne Marathon Spartans 「Tom Roach Honorary Spartan」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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