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【海外発!Breaking News】機内の出産を介助した皮膚科研修医「目の前で起きていることが信じられなかった」<動画あり>

TechinsightJapan 2022年2月7日 7時0分

ガーナから米テキサス州ダラスに向かっていたユナイテッド航空977便の機内で先月末、女性が突然産気づいた。女性のお産を介助したのは、たまたま搭乗していた米ミシガン大学の皮膚科研修医(レジデント)と看護師だった。

ガーナのコトカ国際空港から米ワシントン・ダレス国際空港に向かっていた航空機の機内で先月29日午前3時40分(米東部標準時)、元気な男の赤ちゃんが誕生した。上空約34000フィートでの出産だった。

2月末に出産を予定していた妊婦GGさんは離陸から約6時間後に陣痛が始まり、機内アナウンスに応えたガーナ出身でミシガン大学(University of Michigan)の皮膚科研修医スティーブン・アンサ=アドー氏(Dr. Stephen Ansah-Addo)、オハイオ州デイトン出身の看護師、そして元看護師の客室乗務員がお産を介助した。

分娩室となったのはビジネスクラスの後方のスペースで、床に急遽ブランケットやタオルが敷かれるとGGさんが横たわった。

同機のビジネスクラスに搭乗し約2時間の過程を目の当たりにしたというティアニ・ウォレンさん(Tiani Warren、47)は「本当に奇跡のような出産だったわ」と当時を振り返り、このように続けた。

「昼寝をしていると、後方からもがくような声が聞こえました。最初は夢かと思ったのですが、ふと目をやると女性が陣痛で苦しんでいるのが分かりました。機長はバミューダ諸島に緊急着陸をすることも考えていたようですが、間に合わないことがわかり断念したようです。」

「女性の陣痛が7~10分になると私はだんだん怖くなり、とにかく無事赤ちゃんが生まれるように祈りを捧げました。そのうち医師がやってきて女性に点滴静脈注射(IV)を行い介助を始めましたが、機内の半分の人たちは出産に気が付いていなかったと思います。女性は叫び、赤ちゃんを押し出した時には泣いているのが分かりました。赤ちゃんは生まれると大きな産声をあげていました。」

「出産は医師や看護師のおかげで順調だったようですが、もし彼らがいなかったらどうなっていたことか…。機内はかなり揺れ、赤ちゃんが無事に誕生したことにホッとしています。今は興奮と疲労に襲われています。」

『Tuko.co.ke』によると、機内では赤ちゃんのへその緒の血流を止める鉗子が見つからず、医師らは紐(一部報道ではデンタルフロスとも)を使って処理を行ったそうで、限られたスペースと設備の中で素晴らしい仕事を成し遂げた医師らを称えている。

介助にあたったアンサ=アドー医師は「機内アナウンスを聞いた時は誰かが心臓発作を起こしたか、胃痛か…そんなことだろうと思ったのですが、出産と聞いて驚きました。実際に目の前で起きていることが信じられず、冷静を保つよう努力しました」と明かし、赤ちゃんを取り上げたことについて感慨深そうにこのように語った。

「私が医師になろうと思ったのは人を助けるため。機内には私以外の医師はおらず、女性は明らかに助けを必要としていました。人の人生を大きく変えることができる医学というのは、こういうことを言うのでしょうね。」



なおアメリカで医師免許を取得する場合、4年制大学と4年間のメディカルスクールを修了後に医師国家試験を受け、試験に合格して初めて研修医(レジデント)になることができる。

ちなみに飛行機は赤ちゃん誕生から約2時間後に無事到着し、親子は救急隊員らに迎えられ、ユナイテッド航空からお祝いのバルーンやカードが贈られた。GGさんはガーナ出身、ニューヨーク在住で、出産後に「私を助けてくれたユナイテッド航空のクルー、医師、看護師に感謝しています」と述べており、母子ともに順調ということだ。



画像は『Tuko.co.ke 2022年2月3日付「Meet Stephen Ansah-Addo: The Ghanaian Doctor who Delivered Baby Boy Onboard Plane to US」(Nancy Adobea Anane)、2022年2月1日付「Flight Baby: United Airlines Crew Help Deliver Newborn on Flight to Washington」(Photo credits: United Airlines)』『FOX 2 Detroit 2022年2月2日付「University of Michigan doctor helps deliver baby aboard international flight」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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