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【海外発!Breaking News】タイヤが首にはまったワニ 発見から6年後、ようやく自由の身に(インドネシア)<動画あり>

TechinsightJapan 2022年2月12日 5時0分

インドネシアで2016年からオートバイのタイヤが首にはまったまま過ごしていたワニが今月7日、ついにタイヤから解放された。このワニは体長約4メートルと大きな個体だったため捕獲するだけでも危険が伴う作業だったが、地元の動物愛好家が1人で捕まえたという。『Metro』などが伝えている。

事の始まりは2016年、インドネシアのスラウェシ島スラウェシ州パルでオートバイのタイヤを首にはめたワニを地元住民が発見したことだった。それ以降、自然保護活動家らがワニを水辺から誘い出してタイヤを外そうと試みていたが、ワニが体長約4メートルの大きな個体だったためなかなか上手くいかなかった。

当時から約4年が経過した2020年1月には「ワニが成長し続けているためいつか首を絞めてしまうのでは」と心配され、このワニの捕獲に報奨金も用意された。その後は多くの人が挑戦したが、オーストラリアのワニ専門家でさえもこのワニを捕まえることはできなかった。行政も取り組もうとしていたが、他にも30匹以上のワニが生息するこの川で捕獲のための適切な道具を準備することができずにいたという。

誰もが「このワニを救うことは無理」と諦めていたが、このほど地元の動物愛好家であるティリさん(Tili、35)がオリジナルの罠を使って見事にワニを捕獲した。

ティリさんは「1人でワニを捕まえましたよ。他の人に手伝いを頼んだのですが、怖がってしまって手伝ってくれる人はいませんでした」と明かしている。

捕獲に3週間かけたというティリさんは、水辺の近くにある丸太に基本的な罠を仕掛け、生きた鶏やアヒルをエサにしてワニをおびき寄せた。罠にかかったワニをロープで引き上げようとしたが、ロープがワニの体重に耐えきれず2回失敗してしまった。そして3度目にナイロン製の丈夫なロープを使用し、ついに捕まえることができた。



「ワニは信じられないくらい重かったですよ。私は捕獲するので疲れてしまったので、その後のことは他の人に頼みました」とティリさんは当時を振り返っており、地元住民ら約50人がワニを陸へ引き上げるのに協力したという。そして鎮静剤が打たれたワニの口を縛り、消防隊や環境保護官によってタイヤが切断されると、見守っていた住民たちから歓声が起こった。6年ぶりに窮屈なタイヤから解放されたワニは、鎮静剤が覚めると川へかえっていった。

無謀とも思える巨大ワニの捕獲に挑んだティリさんは「多くの人が『まさか本気じゃないだろう』と疑っていました。私はただ動物が傷つく姿を見ていられないんです。たとえそれがヘビだったとしても助けますよ」と動物への愛を語った。

自然保護活動家らは、ワニをペットとして捕獲しようと企んだ人物が意図的にタイヤを首にかけ、失敗してそのまま放置されたのではないかと推測している。

なおワニの捕獲に対して報奨金が発生していたが、ワニの安全性を考慮して現在は中止されていたという。しかし地元の自然保護機関のハスムニ・ハスマーさん(Hasmuni Hasmar)は「私たちにとって歴史的な日となりました。ワニがようやく救出されたことを嬉しく思いますし、野生動物の身を心配してくれた地元の人々にも感謝しています」と述べており、ティリさんが報奨金を受け取る予定になっていることを明かした。

ちなみに過去にもタイヤが外れなくなった野生動物として、2年間首にタイヤをぶら下げたまま生活していたシカやタイヤに頭を突っ込んで抜けなくなってしまったキツネなどが報じられていた。



画像は『Metro 2022年2月8日付「Crocodile with tyre stuck around its neck since 2016 finally freed by villagers」(Picture: ViralPress)(Picture: REX/Shutterstock)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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